Guten Morgen (Tag)!
今回は、「再帰代名詞」についてお話しします。
「再帰代名詞」と聞くと、難しそうに聞こえますが、
訳が難しく聞こえるだけです。
理屈はとても簡単です。
なお、昨日のSakuraを読んでいない人は、音読してくださいね。
【Lektion 5-2】 Tage in München
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11573519308.html
実は、この「再帰代名詞」、すでに色々なところで、混ぜ込んでいました。
ただ、形が一緒なので気づかなかっただけで。
こんな文、前にやりませんでしたか?
Ich will mir die Haare schneiden lassen.
この「mir」、実は再帰代名詞です。
この主語「ich」と、
切ってもらう行為を受ける「mir」は、
一緒の人間を指していますよね。
両方とも「私」ですよね。
それを同じ感覚で、この文章を見てください。
Zuerst dusche ich mich.
「duschen」(=シャワーを浴びる)
この行為をする(ich)のも、
この行為の対象(mich)も、
両方とも「私」ですよね。
この様に主語の自分自身を指す代名詞のことを、
日本語では「再帰代名詞」と呼んでいます。
ただ、私はこの名前あまり好きではないですね。
ドイツ語で見た方が、意味が通りやすいと思うんですが…
das Reflexsivpronomen
「reflexsiv」=「der Reflex」(反射・跳ね返り)の「形容詞形」
(「reflexsiv」は言語についてしか普通は使いませんが。)
「(das) Pronomen」=代名詞
要は、行為が自分に「跳ね返ってくる代名詞」なんです。
行為の対象が、主語自身になっていることのイメージ、分かりましたか?
ほな、何で今まで言わんかってん!ヽ(`Д´)ノ
実は、形について言うと、注意すべきは3人称だけだからで、
1人称・2人称については、形が一緒だからです。
だから、こっそりと混ぜておくことができたのです。
例えば、日常していることを表す動詞だったら、よく使います。
私がここで言った意味が、分かる例文を出しましょうか?
単数 対格(Akk.4格)
Sakura schminkt sich ganz leicht.
Alex rasiert sich jeden Morgen.
単数 与格(Dat.3格)
Chris wäscht sich die Hände vor dem Essen.
複数 対格(Akk.4格)
Alice und Marie duschen sich.
複数 与格(Dat.3格)
Alice und Marie putzen sich die Zähne nach dem Essen.
「sich4 schminken」=化粧をする 「sich4 rasieren」=ひげを剃る
「waschen」=洗う 「sich4 duschen」=シャワーを浴びる 「putzen」=磨く・(磨いて)キレイにする
他にも、
「sich4 baden」=お風呂に入るなどもそうですね。*
3人称の場合は、単数・複数に関わらず、
自分に跳ね返ってくる場合は、
対格(Akk.4格)も与格(Dat.3格)も、全て「sich」になります。
それ以外の場合は、普通の人称代名詞と形は一緒です。
行為の対象が、主語自身というだけで、何の違いもありません。
それで、タイトルについてのお話になります。
「簡単に自己紹介してもいいですか?」って言う場合。
Kann ich mich dir kurz vorstellen?
Können wir uns dir kurz vorstellen?
あるいは、
「簡単に自己紹介してくれませんか?」って言う場合。
Kannst du dich uns kurz vorstellen?
Könnt ihr euch uns kurz vorstellen?
Können Sie sich uns kurz vorstellen?
と言います。
(慣れていない人は、是非ゆっくり音読してください。)
早口言葉みたいに言おうとしなくても大丈夫ですよ。
ちゃんと語順に注意して、ゆっくり明確に発音すれば大丈夫ですから。
あ、そうそう、
代名詞が、主格(Nom.1格)・対格(Akk.4格)・与格(Dat.3格)が一度に並ぶ場合、
主格(Nom.1格)>対格(Akk.4格)>与格(Dat.3格)
の順番です。
それで、できる限り文の前の方に置きます。
(そうでないと、何を指しているのか訳が分からなくなりますから。)
だから、この「uns」が、
対格(Akk.4格)なのか、与格(Dat.3格)なのかは、ちゃんと見分けがつくわけです。
その上で、もう一度形を見てください。
「Sie」の場合を除いて、すべて対格(Akk.4格)は一緒ですね?
ご覧の通り、「自己紹介してもいいですか?」という表現、
ドイツ語をちょっと知らないと言えない表現なんですね。
だから、最初の方で、この表現を教えるのを避けていたんです。
と同時に、ドイツ語の基礎ができているか、一発で分かる表現でもあるんです。
というのは、
・動詞の活用 ・人称代名詞 ・格 ・語順 ・分離動詞
が、ちゃんと揃わないと、相手に意味が通じなくなる可能性がありますからね。
今までやってきたことを慌てずに、ちゃんと合わせれば言える表現ですよ。
与格(Dat.3格)についても、同じです。
3人称のときに「sich」になるだけです。
1人称・2人称は、通常の人称代名詞と一緒ですね。
Ich wasche mir das Gesicht.
Du wäschest dir das Gesicht.
Er wäscht sich das Gesicht.
Wir waschen uns die Hände.
Ihr wascht euch die Hände.
Sie waschen sich die Hände.
ご覧の通りです。
もう1つ、「再帰代名詞」について注意が必要なのが、
主語が複数になっているときです。
具体的に見ましょう。
この2つの文の違いが分かりますか?
Alice und Marie duschen sich.
Treffen wir uns um 7 Uhr abends.
上の文ですが、
AliceもMarieも、自分に対してシャワーを浴びているわけですよね。
それに対して、下の文は、
お互いが、お互い相手に対して、「会う」という行為をしているのですが、
何となくわかりますか?
「自分で自分に会う」なんてこと、普通はしないですよね?(Doppelgängerじゃあるまいし。)
こういう風にお互いに働きかける場合、
普通の再帰代名詞ではなくて、「einander」という単語も使います。
だから、
Treffen wir einander um 7 Uhr abends.
とも言うわけです。
この「einander」、前置詞ともくっつきます。
例えば、サッカーの試合の後の光景で、こんなのありますよね。
Nach dem Spiel tauschen die spieler miteinander ihre Shirts.
「再帰代名詞」の基本的な話は以上です。
ここから先の話を少しだけしておくと、
感情が絡むケースは、よくこの「再帰代名詞」が出てきます。
彼らの感情についての基本的な発想が、日本語とは違うので、
その辺は、また出てきた時に話をします。
今回は、これにて。
次回こそ、4格支配の前置詞をやります。
【前置詞の4格支配】 対格と一緒に出てくる前置詞は日常よく使います。
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11575028943.html
Tschüs!
*辞書で再帰代名詞を使う動詞を見ると、
「sich4 baden」とか、「sich3 et4 waschen」とか、書いていますが、
この3、4は格の数字です。(sichだけだと見分けがつきませんから。)
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