時間を空けてしまいましたので、一回音読してください。
【Lekiton 5-1】 Tage in München
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11564223513.html
実際に音読してみて、「あれ?」と思ったら、
この課でやったことを思い出すためにも、この記事を読み返してください。
動詞で二度辞書を引いたことはありませんか? 【分離動詞】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11564858877.html
日本語で考えるとドツボにはまる3格 【動詞の3格支配】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11565402319.html
Um Halb neunと言われて9時半に行くと遅刻です 【時刻の表現】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11566742413.html
【練習問題】 時刻を読んでみませう 【die Uhrzeit】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11569635580.html
今回は、これらの文を扱います。
Denn er geht jeden Tag allein ins Cafe.
Mir gefallen diese Gebäude sehr.
この
「diese Gebäude」「jeden Tag」の名詞の前についている、
「diese」「jeden」についてのお話です。
これらの単語は、
通常「dieser」「jeder」という形で辞書に出てきます。
そして、名詞にくっついて、その名詞にちょっと意味合いを添えます。
形が違うということは…
と察しのついた人は鋭いです。
ここで説明する名詞にくっつく言葉は、全て活用します。
ただ、安心して欲しいのは、
活用の仕方は、定冠詞とほとんど一緒です。
主格(Nom.1格)
Dieser Wagen ist jetzt kaputt. (m)
Diese Kleidung gehört Marie. (f)
Dieses Flugzeug fliegt nach Frankfurt am Main.(n)
Diese Gebäude gefallen mir. (pl)
対格(Akk.4格)
Alice sieht sehr gern diesen Film.(m)
Alex lässt diese Tasse auf dem Tisch.(f)
Sakura will dieses Buch lesen.(n)
Chris kauft diese Bücher (pl)
与格(Dat.3格)
Wir fahren nach Füssen mit diesem Zug. (m)
Julia empfehlt uns einen Artikel aus dieser Zeitung. (f)
Alex fährt an diesem Wochenende nach Regensburg. (n)
Marie spielt Fußball mit diesen Kindern. (pl)
「dies-」まで一緒で、語尾が定冠詞に似ていませんか?
嘘だと思ったら、こちらをご覧ください。
そして、よく見比べてください。
<定冠詞類:dieser>
<定冠詞>
何となく似ていませんか?
ひょっとしたら、「違うやんけ」、と思う人もいるとは思いますが、
形容詞も絡むとよくわかります。
試しに見てみましょうか? 主格の男性名詞を例にして書きます。
反転をしておきますので、「違うやんけ」と思った人だけ見てください。
不定冠詞の仲間
ein roter Wagen
ihr schwarzer Rock
kein großer Fluß
定冠詞の仲間
der rote Wagen
dieser schwarze Rock
solcher große Fluß
「違うやん」と思った人も、この例を見れば違いがあるのは分かってもらえたかと思います。
「jeder」も同じように、「jed-」まで一緒で、語尾は定冠詞と似た変化をします。
要は、「冠詞」の仲間には、大きく2種類あって、
・不定冠詞の仲間:
不定冠詞(ein-) 所有代名詞(mein-など) 否定冠詞(kein-)
・定冠詞の仲間:
定冠詞(derなど) 今日ここで話をする「定冠詞類」
となります。
そして、
「冠詞」と「それに伴う形容詞」の形の変化の仕方も、2通りあるんだ、ということです。
あくまで、これは活用に注目した分け方です。*
これが、ドイツ語の冠詞について習う上で一番シンプルな分け方だと思います。
そして、ドイツ語を使えるようになるには、
少なくとも、定冠詞・不定冠詞の仲間で活用が変わることが分かれば十分です。
不定冠詞の仲間については、今まで様々な形で扱ってきました。
これからやるのが、定冠詞の仲間です。
なお、
「定冠詞類」というと、何ぞ?と思うかも知れませんが、
活用が定冠詞に似ている、これらの単語をそう呼んでいると思ってください。
「定冠詞類」の中に入る単語は以下の通りになります。
1:指示代名詞「dieser」「jener」「solcher」
2:「jeder」
3:「welcher」
4:「aller」「mancher」
そのうち、1と2の用法などについて今からお話しします。
1:指示代名詞「dieser」「jener」「solcher」
まず、例文に戻りましょうか。
Mir gefallen diese Gebäude sehr.
「diese Gebäude」の「diese」は、
「Residenz und Rathaus」を指しています。
前の内容を指し示す冠詞が、この「dieser」なんです。
話をしている感覚的を大げさに書くと、
「(さっき言った)これらの建物」という感じです。
ん?それなら定冠詞と何が違うの?と言われるかもしれませんが、
これは感覚的なもので、
「この」と指している度合いが「dieser」の方が強いと思ってください。
同じように指し示す語で、「jener」という単語もあるにはあります。
「あの」といった感じで遠いものを指し示しています。
が、普段の会話では滅多に聞かない単語です。
なんか、おじいちゃん、おばあちゃんが昔話でもしそうな単語ですね。
例えば、こんな文。
In jener Zeit stand die Mauer um Westberlin.
これは、実際に向こうでドイツ語をすると分かりますが、
歴史的な文章だったら、雰囲気が出ていいのですが、非常に古臭い文です。 (笑)
書き言葉ではまだしも、話し言葉では、お目にかかれないと思います。
出てきたときに、「dieser」の仲間だと思い出してもらえれば十分です。
「solcher」は、使う時は結構あります。
例えば、
大学に行くような人が、「Bild」みたいなタブロイドを読んでいたら、
こんなことを言われるでしょうね。
Sie sollten solche Zeitung nicht lesen.
接続法をやっていないので、意味あいは取れないかもしれませんが、
「そんな新聞、あなたが読むもんじゃないですよ。」といった意味合いなんですね。
それとか、
唐突に世界旅行なんかを考えているなんて打ち明けられた時、
Warum willst du solche Reise machen?
「何でそんな旅行をしようと思ったん?」
と言った意味合いになりますね。
「そんな」という意味合いなので、感情的なものを多分に含んだ表現になります。
2:「jeder」(+名詞)
さっきの「jener」とは違います。
「jeder」=「~ごとに」とか訳されていますが、
これは用例を見たらわかりやすいと思います。
Jeder in der WG muss jeden Monat für die Miete 200 Euro bezahlen.
*200=zwei hundert
「jeder」=「各人・各々が」という意味あいですね。
名詞がなく、男性名詞・主格の場合は、人を指しています。
「jeden Monat」=「毎月(=月ごとに)」という意味です。
継続的、あるいは幅のある時間を表す時に、
「時間の対格」と言って、
今回のように時を表す場合には、前置詞なしで対格が出てくることがよくあります。
例えば、「3週間ドイツへ旅行に行ってきます。」と言う時ですが、
Ich will 3 Wochen nach Deutschland reisen.
となります。
「für 3 Wochen」でもいいですが、この方がドイツ語らしい表現ですね。
話をもどすと、先ほどの「時間の対格」のバリエーションとして、
jeden Morgen
jeden Abend
jeden Tag
jedes Wochenende
jede Woche
jedes Jahr
jedes Mal
といった形は、よく会話でも文章でも出てきます。
なお、「jeder」は、単数の名詞にしかつきません。
3:「welcher」
4:「aller」「mancher」については、もうちょっと、後でやります。
今回は、これにて。
以前出した、練習問題の答えは、コチラです。
【練習問題】 時刻を読んでみませう 【die Uhrzeit】
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11569635580.html
Tschüs!
<おまけ>
それぞれに対して、
1「指示代名詞」2「不定代名詞」3「疑問代名詞」4「不定数詞」
という文法用語は存在しています。
ただし、活用に注目して場合分けすると、
2・3については、このような活用をしない単語も含んでいます。
あくまで、活用形に注目して分けています。
当てはまらないものが出てくるので、
1以外については、これらの文法用語を使っておりません。
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