映画 ホタルノヒカリ(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

映画 ホタルノヒカリ(ネタバレ)

映画 ホタルノヒカリ※シネマハスラーへのリンクなどを追加しました(11/11)

三角絞めでつかまえて-映画 ホタルノヒカリ

2012/日本 上映時間110分
監督:吉野洋
製作指揮:宮崎洋、桜田和之
製作:菅沼直樹、堀義貴、市川南、吉岡富夫、阿佐美弘恭、平井文宏、長坂信人、弘中謙
エグゼクティブプロデューサー:奥田誠治、今村司
企画:櫨山裕子
原作:ひうらさとる
脚本:水橋文美江
音楽:菅野祐悟
撮影:長嶋秀文
照明:角田信稔
美術:高野雅裕
録音:湯脇房雄
編集:松竹利郎
出演:綾瀬はるか、藤木直人、手越祐也、板谷由夏、安田顕、松雪泰子、ジョンテ★モーニング
(あらすじ)
舞台はドラマ版第2弾「ホタルノヒカリ2」から2年後。主人公の“干物女”雨宮蛍(綾瀬はるか)が、高野部長(藤木直人)とのハネムーンでイタリアへ、初めての海外旅行にでかける。ローマで同じく干物女の冴木莉央(松雪泰子)と出会った蛍は、莉央とその弟・優(手越祐也)が巻き起こす騒動に巻き込まれ、消息を絶ってしまった高野部長を追いかけてローマの街を奔走する。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




10点


※今回の記事は、「映画 ホタルノヒカリ」ドラマ版が好きな人は高確率で不快になる心の狭い醜い文章が書かれているので、絶対読まない方が良いと思われます。
※今回の記事は、長くて読みづらい上に、サラリとゲスな文章が書かれていたりするので、読まない方が良いと思いますよ。


僕は「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」というラジオ番組をこよなく愛しており、その中のシネマハスラーというコーナーがまた大好きでして。「課題映画を観た方がより楽しめる」ということで、課題になった作品はほとんど観に行ってたりするんですよ。←ここまでテンプレ

で、今週、選ばれたのが、「映画 ホタルノヒカリ」。劇場で予告編の「その通りでガース!(゚∀゚し」とか「レッツ、ゴロゴロ! (゚∀゚し」といったシーンを観るだけで心が折れそうになりましたけど、実はウチの奥さんはドラマ版が大好きであり、僕も何度か付き合って観てまして。その時はそんなに酷いイメージはなかった…というか、むしろ好印象だったので、「実際に観れば、思ったよりキツくはないのでは?」と思って、TOHOシネマズ渋谷に行って来たんですが…。ごめんなさい、スゲー苦痛でした ('A`)


まぁ、予告編のこのシーンを観た時から、不吉な予感はしてたんですが…。
三角絞めでつかまえて-がーす


この映画って「2012年女性が観たい邦画ランキング第1位!!」なんですよね? もし、そのランキングがこの集計によるものだったら、「5択の中での1位!? Σ(゚д゚;)」ってことで凄まじく“何とも言えない心境”にならないでもないんですが、正直なところ、女性ウケが良さそうなこの映画を貶めたくないんですよ。こんな趣味のブログで適当に書いた文章で無闇に女性を敵に回したくないというか、むしろ「ああん、このブログ主って、女子の気持ちが分かるぅ~ 川 ´∀`) セックスシヨ」って感じでチヤホヤされたいぐらいなワケで、僕的には褒めたかったんです…。がしかし! ごめんなさい、僕にはどうしても合わなかったし、やっぱりその気持ちを書き残しておきたいワケで、ここから先はこの映画が大好きな人には理解出来ないだろう醜い文章が延々と続くので、精神衛生上、本当に読まない方が良いと思いますよ。


かなりデカデカと表示されてましたな。
三角絞めでつかまえて-第1位


さて、感想なんですけど、全然無理でした。ドラマ版を観ていた時は嫌いじゃなかったハズなんですが…。やっぱりわざわざ映画館に足を運んで、お金を払って観ていると、人間、心のハードルが上がるモノなんでしょうか。映画冒頭、コタツから顔を出した蛍の額に鏡餅が載っているという“不自然にも程があるユニーク演出”を観た時点で、「ああ… ('A`)」とゲンナリして、それ以降、僕の心は最後まで置いてけぼりでしたよ。

ごめんなさい、本当によく覚えてないんですが、蛍ってあそこまで狂ってましたっけ? 確かにドラマ版でも愉快な行動はしてた気がするけど、あそこまで場所をわきまえずに奇行を繰り返すような人でしたっけ? 仕事シーンが少ししかなかったからなのかなぁ…。まだアレが“10歳の少女が魔法のコンパクトで変身した姿”だったりするなら納得できなくもないんですけど、この映画を観る限り、本当に申し訳ないんですけど、彼女のエキセントリックな行動の数々は日常生活に支障をきたす級のバカにしか見えなかったです。


この映画の蛍からは、「北斗の拳」でリンがカイオウの電波発言を聞いた時のような恐怖を感じましたよ…。
三角絞めでつかまえて-く、狂ってる!


というか、脚本が子ども騙しにも程があるんですよね。例えば「部長が誘拐された!」と誤解されるくだり。取引先相手(ジョンテ★モーニング)の“ユニークな誘拐動機”といい(別れた妻とよりを戻すべく、妻に似ている部長の力を借りてダンスを完成させたかった…って、書いてるだけで頭がグラグラします)、それをちゃんと説明しない部長の不自然さといい(まず、一緒にいる相手が誰かを伝えるだろ)、莉央が蛍にウソをついたことを打ち明ける時の会話の不自然さとか(どう考えても地名の前にウソってことを最初に伝えるだろ)、マジでバカバカしすぎる。

挙げ句の果てにウェディングドレス姿で目的地のチヴィタがどこにあるのかも分からないままダッシュって、蛍ってあそこまでバカでしたっけ? いや、気持ちが先走って走り出しちゃった的な描写なのは分かるけどさ、「ウェディングドレス姿」「土地勘のない異国」「言葉も通じない」「移動手段は徒歩」って、その行動をチョイスするにはあまりにもハードルが高い状況だと思うんですよ。しかも、莉央も車借りて「乗りな!」じゃないだろって(普通に誘拐がウソだと伝えて、携帯に連絡させてやればいいだけじゃないの?)。その車がたかだかあの程度の坂道で故障するのだって(「こんな坂道、無理~」って、そうですかね?)、その後にロードムービーっぽい展開をやりたかっただけなのがミエミエで萎えまくり。

まぁ、結局、蛍は誘拐がウソだってことには気付いてて、でも、「ローマで結婚式を挙げようと思って、密かにウェディングドレスを用意してくれていた」部長に会いたかったそうで。チヴィタにやってきたら、そこは取引先関連のパーティが行われてて。蛍が、泥だらけのウェディングドレス姿の自分が場違いだと気付いてションボリすると、部長が「私の愛する妻です」的な台詞を吐いて抱き締めて良い話っぽくなってましたけど(あの字幕が出なくなる演出、予想がつきすぎて全然乗れなかった)、「一度、医者に看てもらった方が良いですよ? (・ε・)」としか言いようがないというね…。

その後の「覚醒剤と誤解してたのが白玉粉だった」という失笑するしかない展開は置いとくとしても(商品パッケージないのね)、激怒したのが蛍の偉そうな説教ですよ。「アタシなんか、何の意味もなくただ生きているだけ… 川´・ω・`)」ってションボリする孤独な莉央に「ただ生きているだけでもいいじゃないですか。食べて、ゴロゴロして… (゚∀゚し」みたいなことを言うんですね。この時点では、僕も「あ、良いこと言うじゃん」って。「モテキ」の感想文では麻生久美子さんが牛丼を食べるシーンを批判しちゃいましたけど、落ち込んだ時、炭水化物を腹一杯食べただけでも、意外と「生きてて良かった」と思えることってありますもんね。って、そういう人間の生理に基づく“生”の素晴らしさ的なことを語るのかと思いきや、「私は部長と縁側で一緒にビールを飲むと~ (゚∀゚し」って、“パートナーありき”の話をしたら絶対ダメだろ!ヽ(`Д´)ノ 


蛍の発言には“神心会のデンジャラス・ライオン”加藤清澄さんも呆れ顔。
三角絞めでつかまえて-何言ってんだアノヤロウ


もうね、このくだりは多角的に酷くて。「実は離婚して孤独になったのではなく、旦那と娘を事故で亡くしてた→それを蛍はチヴィタを目指している時に本人から聞いてて、部長は知らなかった」ってことが明らかになるんですが、まず、旦那と娘を失って落ち込んでいる人に対して“パートナーありき”の説教をする無神経な蛍にイラッとするし(それを言われた莉央もハッとしてないで怒れよ)、「映画序盤、4人で飲んで莉央が酔いつぶれた時、弟の優が普通に伝えておくレベルの事実じゃないの?(あんな迷惑をかけた状況なんだから、旦那と子どもが死んで落ち込んでいることぐらい伝えると思う)」って疑問が浮かぶし。

その後、“池に落とした旦那と子どもの写真”を蛍と部長が拾いに行く感動の場面もさ、そもそも最初に風が吹いて池に落とした写真を莉央が「拾わなくていい!」とか言ったから2人は放置したワケですけど、まず、その時点で莉央がいらなくてもゴミになるんだからちゃんと拾えって話だし、さらに遡れば「それほど大事な写真を部屋の変なところに放置しとくんじゃねーよ」って思うし、ホテルの従業員にも「勝手にゴミだって判断して捨てんな」って思うし。松雪泰子さんの素晴らしい演技と亡くなった娘さんの写真のリアルな感じにグッときて、彼女が泣くシーンは恥ずかしながら僕も条件反射的に号泣しちゃいましたけど、なんで莉央の心が救われたのか、僕には全然理解できませんでしたよ。

一応、オチを書いておくと、魅力的に見えない観光シーンを繰り広げてから、教会で2人だけの結婚式を挙げて(「人前でチュー? ごっつぁんでーす♪ (゚∀゚し」という台詞に悶絶)、蛍と部長は日本に帰国。蛍のお腹には赤ちゃんがいるってことが分かってエンドクレジット。ドラマの場面写真が映る中、蛍と部長のユーモラスな掛け合いが流れて、ポップなローマのイラストが出て終わってました。

その他、「序盤の莉央の恋人偽装作戦のバカバカしさ」とか「そもそも“恋愛を面倒くさがっている”的な意味合いが強かったんだから、結婚後の蛍は“干物女”って言わないんじゃないの?(単に“ズボラな女”では?)」とか「あんなやり取りしといて名前知らなかったの!?」とか「男が『きょわい』とか言うのを聞くと虫酸が走る」とか、思うところはありますが、マジでどうでもいいでガース!(゚∀゚)(実は使ってみたかった表現) とりあえずあんな羞恥プレイを演じきった綾瀬はるかさんと藤木直人さんはプロフェッショナルだと尊敬しますけど、もうこの映画を二度と観ることはないです。

ただ、僕が観た時、斜め前に座っていた女性がスゲー泣いてて、その姿は微笑ましかったというか、もしかしたらファンムービーとしては良い出来なのかも知れませぬ。だから、この映画が好きな人は、こんな「エクスペンダブルズ」に100点を付けるようなブログの文章なんぞ気にしないで、「ズキュンバキュン!」とか言って楽しめば良いと思いますよ。

宇多丸師匠の愉快な批評がアップされてるので、聴いてみるでガース!(゚∀゚し




ドラマ版。そこそこ面白かったような…?
三角絞めでつかまえて-ドラマ版ホタルノヒカリ
ホタルノヒカリ Blu-ray BOX


続編。こっちもそんなに悪くなかったような…?
三角絞めでつかまえて-ドラマ版ホタルノヒカリ2
ホタルノヒカリ2 Blu-ray BOX


漫画原作。面白そうではありますな。
三角絞めでつかまえて-文庫版ホタルノヒカリ

ホタルノヒカリ(1) (講談社漫画文庫)


小説版なんてのもあるんですね。
三角絞めでつかまえて-小説ホタルノヒカリ
小説 ホタルノヒカリ ~ある干物女が恋愛の大海へと泳ぎ出すまでの序章~ (KCノベルス)


サントラ。一応、貼っておきますね。
三角絞めでつかまえて-サントラ
映画「ホタルノヒカリ」 オリジナル・サウンドトラック