モテキ(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

モテキ(ネタバレ)

モテキ※シネマハスラーへのリンクを追加しました(12/16)

三角絞めでつかまえて-映画モテキ

2011/日本 上映時間118分
監督・脚本:大根仁
原作:久保ミツロウ
音楽:岩崎太整
出演:森山未來、長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、真木よう子、新井浩文、金子ノブアキ、リリー・フランキー、ピエール瀧
(あらすじ)
派遣社員を卒業し、ニュースサイトのライターとして正社員になった幸世(森山未來)に、ある日突然「第2のモテキ」が到来。新たに目の前に現れた女性たちと過去の女性たちとの間で揺れ動く幸世は……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




21点


※今回の記事は、映画版「モテキ」原作ドラマ版が好きな人は、不快になると思うので、読まない方が良いです。
※今回の記事は、かなり醜い文章が書かれているので、そういうのが苦手な人は読まない方が良いです。


僕はいわゆる“サブカル的なモノ”は嫌いじゃないんですけど、「クイック・ジャパン」はちょっと苦手というか。気になる特集とか吉田豪さんの記事目当てに買ったりするし、読めば面白いんですけど、なんて言うんだろう、どうしてもあのオサレ感に馴染めない…。いや、僕だって“あちら側”に行きたいんですけど、無理というか。偏見&偏狭な文章ですが、「文化系トークラジオ Life」も同じ印象だったりして、憧れを抱きつつも、たまにCMを聴いたりするとそれだけでイラッとしたりして、そんなことでイラッとする自分にまたガッカリするという…。

で、これもまた偏見なんですけど、今回の劇場版「モテキ」に関しても勝手に同じようなイメージを抱いてたから、僕的には「セカンドバージン」級に観る気がなくて。「面白い映画かもしれないけど、僕の人生とは交わらないだろう」という気持ち。大体、僕自身の体験を振り返ったり、“彼女いない歴=自分の年齢”の友人たちの血を吐くような話を聞いたりしてるとさ、“モテ期”なんて、ないじゃないですか。世の中のボンクラボーイズ&ガールズたちに希望を与える意味では良いのかもしれませんが、僕的には「モテ期は人生で3回ある!ヘ(゚∀゚*)ノ」なんてリア充野郎の欺瞞と感じることもあり、ちょっと不快になったりしつつも、ふと「僕にもモテ期が来ないかしら…」と思わなくもなかったり…って、面倒くさい文章ですな (´・ω・`)

要は、全然興味がなかったのに、シネマハスラーの課題映画になってしまったということで。歴代課題映画の中でもトップクラスにイヤだったんですが、「シネマハスラーを楽しく聴くためだ」と新宿ピカデリーに行ってきました。感想は「大好き、大好き、大好き、大嫌い!ヽ(`Д´)ノ」って感じ。

かなり舐めてたんですけど、実際に観てみたら、終盤までは予想外に楽しかったんですよ。冒頭、偉人たちの名言があちこちに表示される演出、そして主人公のモノローグの残念な内容に心をグッと掴まれて、すっかり虜になっちゃって。そりゃ“ガチの非モテ”と比べれば“漂白された非モテ”でしかないんだけど(というか、あの程度なら普通に彼女ができそう)、まぁ、許せる範囲。もうね、とにかく森山未來さんが素晴らしい! 演技はもちろんのこと、片手で側転する身体能力の高さとか、ダンスの上手さとか最高すぎ! 「その街のこども 劇場版」も本当に良かったけど、また違う面を見て、あらためて好感を持ちましたね。そんな彼が演じる幸世の“自意識の痛さ”はマジで他人事とは思えなくて、愉快だけど恐ろしくキツイというか、「ボーイズ・オン・ザ・ラン」を観た時のように身悶えまくりでした。

本物のPerfumeが出てくるミュージカルシーンも良かったです。モロに「(500)日のサマー」ではありましたが(監督本人も自覚してる)、あそこはまた観たいなぁと。唯一の不満はカット割りが多いことで、僕としてはあの“幸世がバッグを投げておばちゃんが驚くくだり”も含めてある程度ワンカットで流してくれたら、もっと胸を掴まれたと思うけど…まぁ、仕方ないんでしょうな。映画全体の音楽の使い方も分かりやすくて好きな感じでして、ちょっとサントラがほしくなったり。


ミュージカルシーンは、ドラマでもあったみたいですな↓




この映画の目玉である4人のヒロインたちも素敵でしたよ。エロい長澤まさみさんは超可愛かったし、仲里依紗さんのシングルマザー振りには「僕が結婚したい!ヽ(`Д´)ノ」と思ったし…(奥さんが読んだらキレる文章)。麻生久美子さんの“重い演技”も大泣きしたんですが、彼女の何が素晴らしかったって、あの「LOVER SOUL」が流れるシーン! 彼女が演じる留未子に凄まじく感情移入してしまって、ボロボロ泣いちゃいましたね…。


カラオケでJUDY AND MARYを歌われると、切なくて死にそうになります。



麻生久美子さんのカラオケはこれも良かった~。聴くと「陣内さんはやっぱり犯人じゃなかったんだ!∑(゚Д゚)」って、今もつい思っちゃう。


竹内まりや ♡♪☆ カムフラージュ  LIVE 投稿者 dm_51ef93a22d459


そして、何よりもたまらなかったのが、真木よう子さん。飛び蹴りも良かったけど、物語後半で幸世に厳しく説教するシーンはね、もう最高!ヽ(`Д´)ノ 「トゥルー・グリット」のマティに続いて、僕の「罵ってほしい女性ランキング」の上位に見事ランクインしましたね(なんだこれ)。何はともあれ、本当にね、悶えながらも超楽しみながら観てたんですよ~。

ただ、あのラストの展開だけは「ふざけんな」と激怒。幸世がさ、フラレた美由紀(長澤まさみ)にフェスで偶然再会しまして。意を決して近づこうとすると、美由紀はダッシュで逃げるワケですよ。で、幸世は「L.A.ノワール」のXボタン連打的なタックルを決めて彼女を倒して、泥まみれの中、無理矢理抱き締めてキス→最初は嫌がってたものの、次第にそれに応じる美由紀→終了…って、ごめんなさい、1ミリも納得できないんですが(幸世が追いかける時、真木よう子さん演じる素子が応援するような発言をしたのも「ハァ? (゚Д゚)」って感じ)。これと比べたら、まだ「けんか空手 極真拳」での「千葉真一さんが誤解から多岐川裕美さんをレイプ→『スマン!』と謝罪→結婚という超展開」の方が理解できなくもないというか。

だってさ、申し訳ないけど、幸世の美由紀に対する態度はクソまみれじゃないですか。彼氏が帰ってきたと勘違いして右往左往したあたりはまだ微笑ましかったけどさ、「ルミ子とヤッた発言」とか(観ていて激怒)、勝手に家にやってきてグダグダしたりとかさ…。あんな男を美由紀が好きなままでいられる理屈が見当も付かないんですよ。だから、最後の無理矢理なハッピーエンドは「草食系男子が勇気を出して肉食系になった」ってことなのかもしれませんけど、僕からすると未練がましいクソ野郎のレイプ行為にしか見えなくて。吐き気がするほど不快でした。

なんて言うんだろう、オセロでほとんど白が占めてたのに、黒を一枚置かれたら逆転されて黒だらけになったような心境というか。それまではずーっと好きだったのに、最後の展開で一気に不愉快になって、それまでのシーンも「よく考えたらおかしいよな」的な感情がモリモリ湧いてきちゃって。恋仇(金子ノブアキ)の記事をちゃんと書いたシーンとかさ、ちょっと良い話風になってたけど、仕事として考えれば至極当然のことだし、あの程度で人間的に成長した&株が上がったムードなのはレベルが低すぎでしょ。そもそも上司(リリー・フランキー)や素子も不倫の事実を知ってたなら、さっさと教えてやれよと。人として普通に酷いと思うんですけど。「人間的成長をさせたかった」とかなのかもしれないけどさ、仕事の現場でそんなこと試すなよって(仕事先に失礼)。

よくよく考えれば、留未子のエピソードでの重い女描写&幸世の罵り振りとか唐突だったし、その後の処理も気にくわないし(なに牛丼って)、ガールズバーの愛(仲里依紗)のエピソードの短さ&映画全体からの浮きっぷりも納得行かないし、素子とのエピソードに恋愛が絡まないのも残念だったし…。まぁ、エンドロールは非常に凝ってて、僕的には心のオセロに白が何枚か置かれたけど、もう形勢は覆らなかったって感じかなぁ…。


S女だけど、ツンデレ感はなかったり。彼女からどうやってモテるのか、気になってたのに…。
三角絞めでつかまえて-まきようこ


ううむ、ダラダラとまとまりのない醜い文章を書いてしまって、すみません…。僕的に大根仁監督の演出自体は好きというか、劇場版を観たことでドラマ版にスゲー興味が湧いた&絶対観るつもりなんですけど、この映画自体に関してはオチが心底納得いかないので嫌いです。

宇多丸師匠の批評がまた実に容赦なく分かりやすいので、ぜひ聴いてみて!




ドラマ版。かなり興味あります。



原作コミック。嫌いじゃないけど、胸が痛くて読めない…。



サントラ。劇中で使われてた音楽は結構好きだったので、ほしいけどお金が…。



MIXCD。申し訳ナイタズが絡んでるので、かなりほしいけどお金が…。



いろいろと胸が痛くなる映画。僕の感想はこんな感じ