TIME/タイム(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

TIME/タイム(ネタバレ)

TIME/タイム

三角絞めでつかまえて-TIME/タイム

原題:In Time
2011/アメリカ 上映時間109分
監督・脚本:アンドリュー・ニコル
製作:エリック・ニューマン、マーク・エイブラハム
製作総指揮:アーノン・ミルチャン、アンドリュー・Z・デイビス、クリステル・ライビン、エイミー・イズラエル
撮影:ロジャー・ディーキンス
美術:アレックス・マクダウェル
編集:ザック・ステーンバーグ
衣装:コリーン・アトウッド
音楽:クレイグ・アームストロング
出演:ジャスティン・ティンバーレイク、アマンダ・セイフライド、キリアン・マーフィ、ビンセント・カーシーザー、オリビア・ワイルド、アレックス・ペティファー、ジョニー・ガレッキ、マット・ボーマー
(あらすじ)
科学技術の進歩によりすべての人間の成長が25歳で止まり、そこから先は左腕に埋め込まれた体内時計「ボディ・クロック」が示す余命時間だけ生きることができる近未来。貧困層には余命時間が23時間しかない一方で、富裕層は永遠にも近い時間を手にする格差社会が生まれていた。ある日、ひとりの男から100年の時間を譲り受けた貧困層の青年ウィル(ジャスティン・ティンバーレイク)は、その時間を使って富裕層が暮らす地域に潜入。大富豪の娘シルビア(アマンダ・セイフライド)と出会い、時間監視局員(タイムキーパー)の追跡を受けながらも、時間に支配された世界の謎に迫っていく。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




20点


本来なら日曜日は更新しない予定なんですが、金曜日に上げる予定だった「ヒューゴの不思議な発明」の感想が土曜日にズレてしまって非常に悔しかったので、急遽、この記事をアップすることにしました。アンドリュー・ニコル監督の「ガタカ」が好きなのと、予告編を観て興味が湧いたので、新宿ピカデリーに行ってきたんですが、全然乗れなかったです。

いや、結局、通貨を時間に置き換えることで、「現代社会の富裕層が搾取する構造を分かりやすく描いた!ヽ(`Д´)ノ」といったつもりなのかもしれませんが、描き方が雑すぎて世界観に説得力を1ミリも感じないから、すみません、心底バカバカしくて… (´∀`) ツイテイケナイワ 例えば、一方的に給料を安くされたりとか、物の値段が上がったりといった理不尽な状況も“現実の縮図”なんでしょうけど、「たかが“1日”単位の時間を稼ぐことすら大変→稼げなかったら死亡!」という切羽詰まった社会でそんなことが起きたら、さすがに即暴動じゃないですか(しかも、この映画の警察組織は超役立たずな上に、武器も簡単に手に入りそうなムード)。


腕に表示されている寿命が通貨代わり。この設定自体はユニークなんですが…。
$三角絞めでつかまえて-このデザインは好き


まぁ、そこで暴動を起こさない大人しいスラムの住人たちも、もしかしたら「政府に逆らわずに従順な一般市民」の暗喩という可能性もありますけど、もうね、「メタファーって言えば何でも許されると思うなよ ( ゚д゚)、ペッ」というか。僕にはご都合的な世界にしか見えなくて、かなりイライライライラしちゃいましたよ。

一番ゲンナリしたのがクライマックス。「追っ手の刑事が時間を補充してなくて死亡 ('A`) →主人公カップルたちもすっかり補充し忘れてて死にそう Σ(゚д゚;) →何とか補充できた! (´∀`;) ヒヤヒヤシタワ-」という、「お前ら、ちゃんと補充しとけ!ヽ(`Д´)ノ」としか言いようがない展開なんですよね…(補充できるタイミングなんて腐るほどあったのに!)。ヒロインの状況と、序盤で主人公の母親が死ぬ時のシーンを対比させてたみたいですけどね、まったくどうでも良かったです。一応、オチを書いておくと、主人公カップルはボニー&クライド風に時間金融業者を襲う活動を継続し、世界各地で革命が起きそうなムードになって終わってました。


こんな大々的に指名手配されている割には、追っ手が3人程度だったのも微妙でしたな。
三角絞めでつかまえて-指名手配された2人


設定自体はなかなか面白いんだから、もう少し細部にこだわってほしかったです。「主人公はスラムに戻る時、検問をどうやって突破したのか?」とか「眠ってる時に勝手に時間を奪えるんだったら殺人事件が起こりまくるだろ」とか「タイム・バトルの『ギリギリになると相手に油断が生まれる』って必勝法、誰でも思いつきそうなんですが…」とか、ツッコミどころが無限大すぎて、スゲー面倒くさい感じ。


これは寝てる時に時間を“もらってる”シーンですが、こんなシステム危なすぎて使えませんよね。
三角絞めでつかまえて-寝てる時もOK!


物語的に考えてもさ、あの世界観だったら富裕層の自殺問題なんて普通に出てくるだろうし(警察が「不死者が自殺するワケがない」なんて言い切るのは変)、体内時計を取り出そうとしたりとか、あのシステムの解明に動いたりとか、いろいろ出来たと思うんだけどなぁ。そういう意味では、なんとなく「スカイ・クロラ」を思い出しました。まぁ、世界観に矛盾があっても良いけどさ、だったら「リベリオン」クラスのアクションが堪能できるとか、何らかの売りが欲しかった…ってのは贅沢ですかね。


素敵すぎる映画「リベリオン」のアクションシーンを貼っておきますね↓




好きなところもあるんですよ。あの緑色に輝く体内時計はカッコ良いギミックだと思ったし、ギャングのボス(アレックス・ペティファー)を相手にした「時間を奪い合う→隙を突いて部下を撃ち殺す→ボスは時間を奪って殺す」というシーンも結構好きだったし(無理はあるけど)。映画全体のビジュアルや雰囲気はそんなに嫌いじゃなかったしね。


ちなみに僕は一切詳しくないんですが、豪華な車がたくさん出てるっぽいので、車好きの人は少し楽しいかも。
三角絞めでつかまえて-車は豪華っぽい


ただ、それ以外の部分にはまったく乗れないというか、過去に観てグッときた「ガタカ」ですら「本当に良い映画だったかなぁ… (・ω・;) ウーム」と思い直してしまうほどガッカリしちゃいましたよ。たぶんテレビ東京とかで流れてるのを適当に眺める分には良いかもしれないけど、わざわざ映画館で観るくらいなら他のことをした方が時間を無駄にしないと思いますよ(上手いことを言ったつもりのドヤ顔で)。




アンドリュー・ニコル監督作。大好きな映画だったんですけど、見返すのが怖くなってきました…。
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なんとなく思い出した押井守監督作。僕の感想はこんな感じ
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奥さんとの初デートで観た映画。次のバットマンでガン=カタを披露してくれないかなぁ…。
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