鬼も泣かない去年の話 ーその1- 『第9回 遠峰あこの90分』 | 落語・ミステリー(もしくは落語ミステリー)・映画・プロレス・野球・草バンド活動のよもやま話、やってます。好きな人だけ寄ってって。

落語・ミステリー(もしくは落語ミステリー)・映画・プロレス・野球・草バンド活動のよもやま話、やってます。好きな人だけ寄ってって。

鎌田善和です。売れてない分時間はありますので、遅まきながらブログ始めました。記事は落語やミステリーが中心ですが、映画・野球・プロレス・草バンド活動(野球でいう草野球の事)もリストアップしておきます。気になる、興味がある、と思う人にだけ伝われば。

 な、なんと、2日続けての更新です。昨年の春ごろ、野暮用に追い掛け回されて余裕がなくなって以来の快挙ではないでしょうか。まあ昨日予告しちゃいましたんでね、こう見えて僕は結構律儀なんですよ。
 さて今日書こうと思うのは、昨年12月29日に道楽亭で催された『☆さぁさ手拍子、足拍子☆第9回 遠峰あこの90分』です。
 いきなりですが、かつてモモエちゃんは「山口百恵は菩薩である」と言われました。この伝に倣えば、「遠峰あこはシャーマンである」と言っても言い過ぎにはならないでしょう。実は僕、道楽亭で開催された『遠峰あこの90分』の第1回目に出掛けているんです。もともと遠峰あこさんは、僕にとってとても気になる存在でした。そしてそのステージ、と言っても、道楽亭をご存知の方にはご案内でしょうが、ほぼ客席に毛が生えた(←これ、お分かりとは思いますが、あくまで比喩表現ですからね。本当に毛が生えてたら怖い、でもちょっとうらやましい)程度のものなんですがね、そこに大漁旗を繋ぎ合わせた着物で登場された瞬間から、グッと胸を鷲掴みにされました(←これも比喩表現ですからね。胸ぐらを掴まれたんじゃないですよ、念のため)。アコーディオンの演奏が始まると、それに合わせてリズムを刻む力強い鈴の音がいずこから聴こえ(鈴が片方の足首に、まるでアンクレットのようになっているんですね)、そしてなにより、それらを包み込んで凌駕してしまう、神様からの贈り物としか言いようのないその唄声の、透明で艶っぽくて力強い美しさといったら!!すっかり魅了されてしまったんです。ところが、ところがなんですー。その日から7回に亘る道楽亭でのライヴ(あえてそう言わせて戴きます)はもとより、あこさんのホームグラウンドの野毛あたりでの色々な場所での催し、日本橋あたりのお蕎麦屋さんや居酒屋さんへのご出演の会、どれもこれもスケジュールが合わずに参加できない!!神様のイヂワル~!!!
 こうして、待ち望んでいた(渇望していたと言っても過言ではありません)あこさんのライヴを、やっとこの日、観る(聴く)事が出来たんですよ。しかもこの日も、実は当初は野暮用絡みの納会が入っていて、泣く泣く参加をあきらめていたんです。ところが大逆転で参加できるようになりましたので、喜びは倍増です。神様、ありがとう(もっともこれは神様のお蔭ではなくて、ただ、僕に連絡をして来た担当者が粗忽者なのか、はたまたよほど家に居たくない事情があるのか、自分の会社の終了日を、本当は28日なのに29日と勘違いしていたというのがその理由なのですが)!
 久々に体験するこの日のあこさんのライヴで、まず僕が前回参加できたそれと全く違うのは、お客さんがたくさんついていたこと。実はゆっくりゆったりあこさんの唄を楽しめると思い込んでいたのに、ギュウギュウ詰めだったのにはびっくりしました。次にびっくりさせられたのは、あこさんの演奏がとても堂々としていたこと。前回もそうだったのかもしれないのですが、なんというか、風格とオーラが半端ではなく、余裕みたいなものが感じられました。これも海外の見知らぬ土地で演奏をしてきた財産なのでしょうか。しかもそれが嫌味な方向に行っていなくて、変に”大物ズレ”みたいな雰囲気は一切感じられませんでした。つまり、あこさんはピュアなあこさんのままで二回りぐらい大きくなった(言わずもがなかも知れませんが、実体が巨人化したんじゃありませんよ、念のため)んですよ、可愛らしさ可憐さはそのままで。そして、もう1つ驚かされたのは、MCが格段に巧くなっていたこと。昨年パリでテロが起きた時にちょうどその近くでライヴをなさっていたことなど、実体験があればこそ言える臨場感溢れる話だった所為もあるのかもしれませんが、これも変に肩に力を入れ過ぎていない客観的な語り口だからこそ、むしろ浸みこむように伝わってきました。この日の、途中休憩の無い90分(アンコールまで含めると100分近かったかもしれませんが)が、本当にあっという間に過ぎました。これ、喋りのプロでもなかなか難しいと思いますよ。
 そしてこの日は、珍しく、打ち上げがあったんです。1回目の時は打ち上げが無くて、打ち上げで色々な人とお酒を呑むのが得意ではないと仰っていたように記憶していますが、たくさん残ったお客さんに万遍なく気遣っておられましたし、酒席が不得手だとは思えませんでしたよ。かく言う僕も、色々お話しさせて戴けて、とても心温まるひと時を過ごさせて貰えました。
 といったわけで・・・「あれ、お前、ここで話を終わらせるつもり?肝心の”90分”のライヴについて、ほとんど何も書いていないぞ」と仰る貴方(貴女)、あなたは「筆舌に尽くしがたい」という言葉をご存知でしょうか?「それ、単にお前の筆力の問題じゃないのか?」そうとも言えるかもしれません(←認めちゃうのか?!)。あこさんのパフォーマンスに関しては”百聞は一見、オッとここでは一聴ですね、に如かず”、ぜひCDを聴いて下さい。今僕も”とわのひかり”というCDを聴きながら、あの日のあこさんを思い出しているところです。そうそう、”CDは手売りするもの”というのがあこさんの信条のようですから、CDが欲しい方は、あこさんのライブに足を運んでくださいね。近いところでは1月9日、日本橋の居酒屋ネッコでライヴがありますよ。当然お前も行くんだろうって?そうしたいのはやまやまなんですが、この日は今年初めての六本木伊~菜亭(ご出演:昨年の”さがみはら”と”北とぴあ”という2大登竜門的大会を連覇した春風亭正太郎さん)の開催日なんです。あこさんのライヴは翌週16日にも日本橋藪伊豆総本店で催されますが、六本木伊~菜亭はこの日を逃すと2月13日(ご出演:春風亭ぴっかり☆さん)までありませんよ。これ以上余計な事は言いません。どうぞどちらもご贔屓に。