万能鑑定士Qの事件簿Ⅵ | 本との出会いは、師との出会い。

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智慧は、先生から指導されて身につけるものではなく、自ら学ぶものです。ですから、先生が本であっても、生徒の意欲が高ければ、学習の成果が期待できます。書店には、素晴らしい先生方が、時代を超えて、いつでも待っています。

万能鑑定士Qの事件簿VI (角川文庫)
/角川書店(角川グループパブリッシング)

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 Ⅰ~Ⅴ弾にかけて、着実に鑑定士としての実績を積み上げ、警察からも頼られる存在に成長した莉子。そんな万能鑑定士Qの前に、万能贋作者として悪のヒロインが立ち塞がる。彼女は莉子の鑑定すら利用して大がかりな詐欺を働こうとするが…

 偽物を売るための仕掛けとしては大掛かりな犯行が企てられ、それが事件の本質かと錯覚させられるが、本当の事件は、その後に控えていた。

 Ⅳまでは、ターゲットを絞り込んだマーケティング・テクニックと周到な調査に基づいた知識でで読ませる作家さんだと思っていたが、Ⅴからは、ご自身の思いを莉子や小笠原に託して露呈させるようになってきたようなきがする。「人の本質は善なのよ」と静かに告げる莉子の言葉に、人生を見直す切欠を与えられるのは、悪のヒロインだけではないだろう。

 平凡な青年で、莉子のマネをして知識を示そうとするたびに失敗して、周囲の信頼を失ってしまう小笠原だが、のび太のように真直ぐ莉子への思いが莉子を助ける。そんな小笠原の活躍も嬉しい。

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