本との出会いは、師との出会い。

智慧は、先生から指導されて身につけるものではなく、自ら学ぶものです。ですから、先生が本であっても、生徒の意欲が高ければ、学習の成果が期待できます。書店には、素晴らしい先生方が、時代を超えて、いつでも待っています。

此処を訪れる皆さんに元気を貰ったり、あげたり、分かち合いたい

そのためには、私が、描くだけではなく、皆さんの話も聞きたい。

元気は独り占めしたら小さくなる、でも、分かち合ったら大きくなる


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 『四季・秋』を読み終えた後、改めて『すべてがFになる』をパラパラと捲ってみると、Fがかなり緻密に書かれた作品であることが分かります。だからこそ、ここまで物語を膨らませることが出来たのでしょうね(^^♪

 『四季・秋』は、犀川と萌絵を中心に描かれ、そこに保呂草と各務が絡んでくるという、S&MシリーズとVシリーズの外伝のような作品だった。萌絵と紅子が初めて会うシーンに、林が現れるという偶然?も嬉しい。犀川は、四季の残したメッセージに気づき、萌絵とともにイタリアへ旅立つ。そこに同様に、四季のメッセージを解いた保呂草が各務を伴って現れる。登場人物が狙っているものも予想がつく範囲に収まっており、乱発気味の叙述的な描写もなく、落ち着いて読み進めることができる。コアな森先生のファンにとっては、物足らない作品かも(・・?

 読メの皆さんのご感想・レビューを拝見すると、Vシリーズを飛ばしている方が多いですね。私は、一連の作品を読むことは、森先生の作家としての成長譚をトレースすることも楽しみの一つなのだと思うので、時系列に読んでいます。いつも悩むのは、見落とした伏線を拾うために、既に読んだ作品を再読するべきなのか、次に進むべきなのかです。


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 四季シリーズも、夏に入り、俄然、面白くなってきました。近藤史恵さんの作品もそうなのですが、主人公が選ぶ人生が、読者の想像を超える展開で、不快になる寸前の違和感を感じさせ、静的なスリルが味わえます。

 『四季・春』に続いて、『四季・夏』を読み終えました、LP時代のOff courseのように、A面(前半)は、全20巻を読み終えた、信者的ファンの期待に応えるように、S&MシリーズとVシリーズに登場した人物が再登場する感涙の展開ですが、B面(後半)には、良い意味でも悪い意味でも、ファンの期待を裏切るような衝撃の展開が待ち受けています。

 この振幅の幅が広く、変化の速度が速い、計算ずくの波状攻撃が、読者を快感と不快感の間をさまよわせ、コアなファンをより濃い世界に誘っているようです。

 2016年6月25日、関東地方は、梅雨の候…って感じですが、私の中の真賀田四季の夏は、もう明けてしまい、秋に突入しています(^^♪

 ここまで、短編を除いても22巻ものシリーズを読んできたわけですが、振り返ると、決して同じパターンの繰り返しになっていないことに驚きます。同じ背景の中で、読者の想像を超えた展開を描き続ける森先生の作品から逃れられません(・_・;)


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 森博嗣さんの代表作である、S&Mシリーズの第一弾『すべてがFになる』で登場し、第十弾『有限と微小のパン』で去っていった天才プログラマ真賀田四季…5歳から13歳までの生い立ちを僕の視点から綴った物語…
 
 真賀田四季の頭脳がいかに桁外れであることを説明するために記述された前半は、その実態を知りたいという欲求に突き動かされるのか、ぐいぐい引き込まれ、昨日まで読んでいたVシリーズの『赤緑黒白』とは違う作者の作品かのように、読みやすかったのだが、語り手である僕が掴みどころのない(見えない)存在になる後半は、森博嗣さん独特の読みにくさが炸裂する。

 S&Mシリーズ全10巻、Vシリーズ全10巻、人によっては短編集を4巻?読み終えているという数々の篩を通り抜けることができた読者は、もはや、ありふれたストーリーを期待していないと思うが、冒頭に起こる事件は解決しないまま放置され、ミステリィとしての体を成していないあたりは、森先生らしい独特な世界だ。

 すべての登場人物の存在は、彼女の凄さを際立たせるための対照でしかないような気すらしてくる。一応、プロローグで始まって本編があり、エピローグで終わるという構成になっているものの、『四季・春』は、四季シリーズにおいて起の章に過ぎないのだろう。


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 全10巻のVシリーズも、ついに最後の『赤緑黒白』に到達した。S&Mシリーズに勝るとも劣らない結末を期待していたのですが…

 登場人物のアイデンティティが、より犀利な方向で明確になってゆくS&Mシリーズに比べると、読み進めるほどにカオスに戻って行くようなVシリーズに、常に居心地の悪さを感じ続けてきたのですが、ようやく紫子の突っ込みに慣れ、何とか最終巻を閉じることができました。

 物語は終盤に差し掛かっても、特段の盛り上がりもなく、静かな夜明けの様でした^^; 最後にちょっとだけアクションシーンを折り込み、ありふれたスリルが味わえましたけど、基本的にはとても静かで、旅先の空港に到着したような安心感を思わせる着地は、新たな旅の始まりを予感させてくれました。

 この本の中で最も素晴らしかったのは、プロローグでも、本編でも、エピローグでもなく、「読者の力不足を、そうと感じさせないように優しく補う菅聡子さんの解説」と言ったら言い過ぎですか(・・? しかし、この解説のおかげで、読者の脳裏には、全10巻のストーリーが走馬灯のように駆け巡るのではないでしょうか。


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 診察を待つ間に読もうと携帯した『朽ちる散る落ちる』。病院の待合室で頁を開いた時、土井超音波研究所の見取り図が見えたので、誤って『六人の超音波科学者』を持って来てしまったかと驚いた^^;

 Vシリーズもいよいよ9巻目に入り、最初は違和感を感じた登場人物のキャラクターも何とかつかめたのか、最初の頃よりもリラックスして読めるようになりました。あまり大きなうねりを感じませんが、結末に向かって盛り上がりを見せてくれるのでしょうか(^^♪

 密室を作るために人里離れた場所に建設されたかのようにすら感じる「土井超音波研究所」。その研究所の地下に封印された秘密とは何か(・・? 周防教授が独り言か寝言だったことにして欲しいと前置きして語った話に隠された真実は何か? 

 仕掛けが明かされるトリックと、明かされぬまま放置される謎、森先生の作品に立ち向かう時「誰が、何のために、どのようにして」という普通のミステリーに挑む時の心構えは、全く用を成しません。読者は、答えの記述されていない謎を発見した時、自らのミステリィが開幕したことを知るのです。

 それにしても、Vシリーズの警察は、リアリティがないですね(・_・;)


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 Vシリーズ中最も薄い262頁?文字も大きくて老眼の中年に嬉しい第8弾は、ロケーションに萌絵と国枝先生が登場し、保呂草と対決するという構図が楽しめる。犀川先生も電話で中継に参加するというサービスぶりだ!

 萌絵との再会がとても嬉しいが、(犀川先生は相変わらずつれないにもかかわらず、何が彼女を支えているのか)S&Mシリーズよりも高慢に描かれており、アンチ萌絵派は顔をしかめるかもしれない。最新型?のフェラーリ?に乗っているというのも悪趣味?で嫌味だ。

 一方、舞台として登場する建造物は、メビウスの輪からヒントを得たもので、森先生ご自身が造りたいのではないかと思われる贅沢なものだ。国枝先生が指摘するように、捩れを180度から90度に修正することに加え、各々の部屋を隔てる壁を取り払うと、より魅力的なものになりそうだ。

 トリックは、相変わらず反則スレスレアウトで、本格推理を期待する読者は、ベランダを渡り損ねて植木鉢に躓き、萌絵に発見されてしまうことだろう。

 私だったら、国枝先生のアイデアを取り入れて、捩れを90度にし、シームレスに繋がる壁、床、天井をマンセルの色環のように変化する滑らかなグラデーションで塗りたい。

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 3章までの冒頭に挿入される大笛梨枝と羽村怜人の物語は、小手鞠るいさんの作品のようで、最後まで引っ張って欲しいと思ったら、途中で何時ものVシリーズに戻り、前作『魔剣天翔』の後編と言っても良い内容になる。

 (頁数で)1/4あたりまで読み進めたところで、大笛梨枝と羽村怜人の物語に、紅子が干渉してきて、「ああ、この話は、単なるラブストーリーではなかったんだなぁ~」と、当たり前のことに気付かされます。森先生に文章は、とても素っ気ないように見えて、実に巧みで、冒頭で保呂草に代弁させる言い訳のような台詞すら、実は、一旦、読者を持ち上げておいて安心させ、ミスリードに誘い込むための伏線のような気がしてきました。またやられた…と

 途中から、『魔剣天翔』に登場した各務が加わるのですが、保呂草との関係は、まるでルパンと峰不二子にヒントを得ているような感じで、紅子よりも彼女の方が相性が良いかも♪

 そこからはスレスレアウトの連続技で、最後に、そうきたか!と思わず微笑んでしまう結末に至る。『今はもうない』『有限と微小のパン』にも似た読後感は、好みの分かれるところかもしれないが、10巻にも渡る壮大なサーガを、大波小波を程よく混ぜながら盛り上げる手腕は流石だと思う。

 読み終えたところで、皆さんのご感想・レビューを拝見すると、改めて、作品の面白さを様々な角度から眺めることがでる。森先生の作品は、まるでオーケストラのように、主旋律以外を奏でる楽器にも気の利いたフレーズが与えられている。


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 保呂草潤平は、各務亜樹良と名乗る女性から「フランスから帰国した画家が持つという短剣を盗め」と依頼される。その画家の娘でエアロバティックス・チームのパイロットである関根杏奈は、小鳥遊練無にとって高校先輩だった。フライト・シューのチケットを手に入れた一行は会場のサーキットに到着したのだが…

 Vシリーズもついに5巻目にあたる『魔剣天翔』に突入しましたよ!今回、回想をする登場人物は、香久山紫子こと、しこちゃんかな?ようやくスピード感が出てきました。徐々に本性を現す登場人物たちにも活き活きと動き出しそうな気配がする.このタイトルから推察すると、魔剣は、搭載されている?

 本作には、保呂草の暗躍を追うというスリルを味わうことができる本編の陰で、杏奈に寄せる練無の思いが切ない物語が描かれ、躍動と静止、大人の事情と若さの清らかさを対比するように振幅させながら飛行する。一つひとつ発見される謎は互いに矛盾し、紅子が登場する舞台を整えるのであった。


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 練無の行動に、彼の優しさが現れている。また、『月は幽咽のデバイス』の記述された七夏の回想に続き、練無の回想が描かれ、徐々に登場人物の内面を明かし深みを増して行くシリーズであることが窺える。

 今回も、ミスリードを誘発させる言葉のトリック満載です('◇')ゞ

 練無の行動に、彼の優しさが現れており好感を持った。また、『月は幽咽のデバイス』に記述された祖父江七夏の回想に続いて、練無の細波が描かれた回想から、このシリーズが、徐々に登場人物の内面を明かしてゆくことで深みを増してゆく趣向であることが窺える。

 今なお主要な登場人物の性質が鮮明ではないが、次回作以降で再会したくなるようなキャラクターも現れ、物語が盛り上がってゆく兆候も感じられる。これまでは、読メの励ましに支えられて次の本を手に取って来たが、この作品は、自らの意思で次回作を手に取りたくなるような余韻を味わえた。

 順風満帆の人生を歩んでいるかのように見える人でも、子供時代に起こった出来事を回想することによって、自分が何かを抑圧していたことに気が付くことがあるのではないでしょうか。この物語の根底を流れるテーマは、もしかしたら各々の登場人物が心に刻まれた傷跡を癒してゆく過程を描くことで表現されているのかも…

 これで全10巻のうち4巻を読み終えたわけですが、まだ暖気運転中で、アクセルは踏み込まれていない感じがします('◇')ゞ


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「保呂草が瀬在丸紅子に対して持ったイメージは、実にカオスだった。」このシリーズを読んでいる時に感じる違和感は、この保呂草が持っているイメージに原因がある。

 誰だってカオスな?イメージを持つ人と友達になりたくないだろう。なぜならば、人は相手の価値観などを推察しながら話を合わせているわけであるから、たとえば人格がコロコロ変わる人とは、安心して話ができないでしょう?それと同じ意味で、ヒロインがカオスな?イメージを持つ人だったらどうだろう。読者は、何の手がかりもなく、物語の行方を推察しなければならなくなるわけであるが、そのような読書は楽しいのだろうか(・・?

 私は、森先生が、ミステリー作家としては、「Who、Why、Howの全てを謎とする無謀な小説家」だとばっかり思っていたのですが、この理解は、全く的外れであったことが、『月は幽咽のデバイス』を読むことによって、ようやく理解することができました。
 森先生は「そもそもミステリーには、Who、Why、Howなど存在しなくても良いのだ」と考えていらっしゃるわけです。エピローグに保呂草潤平の回想として「人はすべての現象に意図を見出そうとする」と記述されているように、私たちは、現象に意図を見出すことによって、再発を察知し、防止したり適切に対処できるような気になって安心しようとするのですが、それをミステリーの世界に持ち込むことが、既成概念にまみれていることを、この作品で示しているのです。

 仕掛けとしては、S&Mシリーズの3作目に当たる『笑わない数学者』との近似性が認められますが、そこにオカルト的な謎を加えたところが新しさなのかな?しかし、森先生が超常現象を信じていないのは、明確なので、オチがそれでないことも明確なのが惜しいです。掃除機まで導入して証拠を押収しようとする鑑識が、仕掛けを発見できなかったということが一番の謎かも^^;


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