- 万能鑑定士Ｑの事件簿V (角川文庫)
- /角川書店(角川グループパブリッシング)
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大人買い？してしまった『万能鑑定士Ｑの事件簿』も、折り返し地点間近のⅤを読了しました。
相変わらず、誰が犯人なのか、犯行を犯した動機、犯行の手段と謎が豪華３点セットですが、Ⅰ～Ⅱの一度広げた風呂敷が大きすぎて閉じられない感じや、Ⅲ、Ⅳの犯行の手段が綱渡りすぎて一歩間違えば実現できない現実性が乏しい感じから一転して、ライトノベルというよりも、本格的な推理小説と言っても良い完成度の高い仕上がりで、今の所このⅤが一番良いと思いました。
特に、後だし感はあるものの動機に説得力が感じられ、受け渡しの盲点を突いた犯行の手段にも確実性がありましたし、読者に向けた思想的な問いかけや、社会的な課題の提言も見え隠れしていました。犯行を隠蔽するために起こした事件も、読者を撹乱する効果があり、更に続編に繋げるための伏線も仕込まれていて、松岡圭祐さんが、シリーズ全体を設計した上で、それぞれの作品を作っている感じが窺えました。
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