【この血祭りに】今更ながらオオカミ狩りが良すぎたのでめっちゃ勧めるだけな記事【まだ乗れる】 | 湿った火薬庫

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基本的に1日1本お勧め映画の保管庫。たまに駄文交じり

 かなりお久しぶりです、もとい今年に関して言えば初投稿です、梶原一郎です。かなりサボりましたね更新……。まぁ僕自身転職したり云々で生活が大変波乱に富んだりしていたので落ち着いて文章書く時間とかもなかったりして……。

 

 とかどうでもよくて! 僕が再びブログ記事書かなきゃってなったのは最高に好みに嵌った映画についての雑感をどうしても熱がある内に残しておきたくて、こうしてしばらく廃墟と化していた自ブログに戻ってきた訳です。で、その映画とは何ぞやと言いますと「オオカミ狩りhttps://klockworx-asia.com/pwh/


なる映画なのです。

 

 

 

 

 まぁ熱がある内、と書きながらも大分公開日から時間が経過してしまい(4月7日っていう……)かつ、そろそろ上映終了してしまう映画館もあり、お前全然熱ある内にじゃないじゃん! と突っ込まれても仕方がないんですが、それでも自分の好きだったポイント、ここ良すぎ、良杉田玄白(?)な点を書いておこうと二週間以上経ったけれど記憶に留めたくて、こうして書いている次第です。

 

 また、その上で小狡いんですがキャンペーンに応募したくてね、重大なネタバレ部分にはどうにか触れない、本当にネタに触れる部分にはふんわりとしつつ、自分なりにオオカミ狩りの魅力についてを書いていこうと思います。そしてこの文章を読んでおっ、じゃあ行こうかな……となった方、まだやっている映画館もリストアップしますんで是非! 是非この血祭りに参加してください! お願いします!!

 

 

.出し惜しみゼロの過剰表現

 

 まずもうこれなんですよ。近年、というかもうかなり古びた言い回しになってしまいますが……韓国映画に纏わるイメージというと皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。多分各々で浮かんでくる作品もジャンルも異なってくると思いますが、恐らくパッと浮かぶ大雑把なイメージとして過剰、というのが浮かぶのではないでしょうか。

 

 確かにそれはある一面として正解で、最近4Kリマスター化されましたかの名作、オールドボーイの過剰にして激烈な暴力描写や登場人物の織り成す復讐の顛末のいくら何でもやり過ぎではないか……? となる作りや、あるいはコクソンや新感染などの向かうベクトルは違えど行きつく所まで行っちゃう感じは(監督自身の作家性もあれど)この特色が色濃く出ている作品と言えます。

 

 そういった、良くも悪くも一度アクセル踏み込みだしたらなんかブレーキ壊れちゃった、みたいな系譜の作品の最先端がこれなんですよ。

 

 もしかしたら文章上だけでもアメブロさんに叱られちゃうかもですが、例えばある人物がドアごと押しつぶされた時にえっ、血液って人体の中にこんなにあるの!? ってなる位に色んな液体が全身から溢れ出したり、ただ腕を横払いしただけで人間の両足が奇麗に切断されたりと、宣伝文句の盛り方がむしろ合っててビックリしちゃう位に残酷表現の出し惜しみの無さが素晴らしいのです。

 

 これは例えば他国の映画になるんですが、サム・ライミの死霊のはらわた(特に2)やピーター・ジャクソンのブレインデッドみたいな、あまりに人間の体のあらゆる箇所が脆かったり形容できないくらいぐちゃぐちゃになってるんだけどなりすぎて笑っちゃう、人体破壊が行き着く先に行き着いた、ある種娯楽大作型スプラッタ映画の系譜として非常に優秀な後継者だなって僕は称賛してしまいました。

 

 思えば残酷表現、という点でも韓国映画には過去優秀な作品もあります。前述のオールドボーイやビーデビル、悪魔を見たやインサイダーズ……等新鮮な残酷・暴力表現を追求してきた作品はあれど、ここまでハイテンションに、かつ本当に暴力表現を気持ちよく、快楽的に描き抜いている韓国映画は初めて見ました。

 

 何というのでしょうか、いや、今まで挙げてきた作品は僕自身凄い大好きなんですけど、このオオカミ狩りなる作品の奇特さはフォーマット自身、痛覚を刺激してくる(アキレス腱切り裂いたり首筋グリグリしたりゆっくり心臓にナイフ刺したり)目に見えて嫌な暴力演出はふんだんにあるんですけど、ノリ自体は陽性なんですよね。凄いスパスパ進む。

 

 とにかく登場人物が多い、なんか船に乗せられた囚人&護衛及び監視の刑事&お医者さん等々の一般人枠に……と2時間枠としてやるにはあんまりにも登場人物が多いんだけど中盤辺りには半分以上死ぬという驚異的ハイテンポさで人が無残に死ぬ映画なんですけど、故に展開も早いんで飽きないんですよね。起きている事は陰惨極まるのに、ポンポン人は死ぬしポンポン話も進む、この無慈悲なスピード感。思えば韓国映画の暴力性って勝手な見方なんですけど、ねっとりとしていてヘビーな(そしてこれが魅力でもありますが)、腹にグッと据えてくる持ち味が特色なんですが、オオカミ狩りのサラッとしていて喉越しのいい凄惨さは僕にとって非常に爽快でした。

 

 この点、もしかしたらこの手の作品を見慣れている方したら意外に血糊が足りないな……モツも足りねえな……と若干不満になるかもです。そこは個人差ではありますね……。ただ、自分みたいにとかくパワフルにオラオラ押し切られる血の波にノレる方は多分嵌ります。

 

2.推死……じゃなくて推したくなる人が一人は見つかる登場人物回り

 

 1でこの映画は兎に角登場人物が多いと書きましたが、本当に多いんですよね、この映画。主要回りはまぁお手数ですが公式サイトを見て頂くとして……中心となるのはこの三人。

 

・殺人・強盗・強姦その他罪が数えきれない凶悪犯ジョンドゥ

・タフな刑事長、ソグ

・ソグの部下である優秀な女刑事ダヨン

 

 の三人が中心となっており、ここにやけにクールな謎めいた青年や不遜な別動隊の隊長、酒好きの看護師や足の悪いお爺ちゃんの囚人、船の地下にいる謎の二人組……等々多分パッと誰が誰だか(パッと見すぐにヤバい奴と分かるジョンドゥ以外)頭で追いきれないと思います。僕もそうでした。

 

 ですが、名前などはパッとわからなくても何となく特徴的なセリフや外見から、多分見ている最中「この人だけはなんか生き延びてほしいな」「こいつは早く死にそうだけど頑張ってほしいな」となる人がきっと一人や二人出てくると思うんですよ。これがまた面白くて、そういうキャラが話が進むにつれて増えていくんですね。

 

 だけどこの映画、まぁ予告とかでもう出てるからバレではないと思いますが……一応正体は伏せるんですけど「怪人」なる存在が現れてから怒涛の勢いで、一気に在庫一斉処分的に数多のキャラが殺されていくので全く誰が生き延びそうで死ぬのかが分からなくなります。

 

 だから主要人物っぽいキャラでさえ油断が全くできない。えっ、この人ここで死ぬの?! って言えないけれどそんな瞬間が結構起きるので最後の最後までマジでハラハラします。なのでそういう意味でも楽しめる作品かと。ちなみに僕の推しはゴツい入れ墨入れていて実際厳つくて怖いんだけど、死体には線香代わりに煙草を差したり、姉御と慕う女囚人には頭が上がらないゴンべさんです。

 

 良いキャラしてたんだよなぁ……。こういう脇キャラも少ないシーンでも印象深い見せ場を用意するの、愛を感じる。アイフル。そこに愛はあったんや。結果は兎も角……。という所でそろそろ締めに入ります。

 

3.これがしたいという確固たる意志

 

 さて、ここまで暴力描写というビジュアル面、キャラが善人悪人関係なくボコボコ死ぬから先が読めないというストーリー面の両面について褒めてきましたが、実の所僕がこの映画を好きだと思う、君が好きだと叫びたいなとなった大きなポイントはここなんです。

 

 本当に身も蓋もない、お前キャンペーンに応募する記事でこんな事を書くのかという事を書くと、この映画何か心に残るかと言えば全く残りません。俗に言う、これは人生に影響を与えてくれる……とか、目を見張るような技巧さが……みたいなのもありません。

 

 ただ、そこにあるのは(本当に僕が勝手に思っているだけなんで作ってる方からすれば迷惑極まりないかもですが……)めっちゃ悪い奴らと使命感ある刑事が熾烈な命の駆け引きしてる……のを圧倒的な”暴の力を持つモノ”が嵐みたいに滅茶苦茶にするのが見たい、みたいみたいみた~い、から作ったよ!! っていう欲求の現れです。

 

 それを完璧なまでに映像化してるのが素晴らしい。エクセレント、ありがとうございます……と思わずスクリーンを拝んでしまいましたね。実際この思い切り、潔すぎる構成に慄いてしまったんですよね。ジョンドゥ周りのいかに囚人達が船内を掌握するか、それに刑事達がどう対抗するかのドラマだけでも滅茶苦茶面白いのに、もそれを「怪人」が映画全体を壊しかねない、いや、実際パワーバランスが大逆転する辺り壊れてはいるんだけど、うガラッと何の何の何!? って勢いで暴れまくりの殺しまくりで乱舞するのが面白すぎてね……。

 

 この表現が伝わるかは分からないんですけど、ちいかわ、あるじゃないですか。アレに出てくるオデって物凄い強烈なキャラがいたんですが怪人のベクトルはそれです。本当これ。もうこいつには囚人も観客もワァ、ワァッ…!ですよ。

 

 

 

(マジでこのノリ)

 

 非常に個人的な話になるんですが、僕は映画を見る際、その映画自体が面白いか、完成度が高いか、って評価軸の前に監督がこれをどうしてもやりたいんだ、これをしたいんだってのが滲む作品があっ、これはもう好きとなってしまう悪癖があるんですが、これはそれに当てはまる所があり過ぎました。

 

 まぁ結果的に良くない方向でそれが出ちゃっているという点もあるはありますし、冗長だな……とあるキャラの死以降思わない事もないです……が、がですよ。

 

 圧倒的な腕力を持つ怪人のほぼ素手での殺戮劇! とか密室空間での拳銃対改造ライフルの壮絶な銃撃戦! とかあるキャラとあるキャラが交わす一撃必殺を狙うナイフファイトみたいな、全体通して大味でも要所要所でギラギラ光る俺はこれがやりたいんだよと黒光りする主張の強さ、そしてそれを全力で多分資金や技術力を投じてやり抜くガッツ、サービス精神にクラッと来てしまったので僕の負けです。本当に、良い物を見せてくれてありがとうございます……でした。

 

 という所で結局ほぼ褒めている感想になってしまいましたね……。でも好きな映画は好きだから仕方がないね、思いの丈を吐き出したら痺れたぜ、一服したい気分だ。まあ非喫煙者なんでココアシガレットで我慢しますが……。

 

 好きポイントを書き連ねたら凄い読みづらい文章になってしまいましたね、申し訳ない……。ですがこう、オタクの早口的な感じで受け取っていただけたなら幸いです。最終的に僕がオオカミ狩りを勧めたい、こんな人に見てほしいってのを纏めると

 

・景気とパワーに富む、映画だからこそ見れる凄惨な物が見たい

・誰が生き延びて誰が死ぬか先の読めないサバイバルアクションが見たい

・倫理も常識も通用しない怖い人たちが見たい

・ちいかわのキャラでオデ好き

 

 などが一つでも心当たりがあるのでしたら、是非に……! と思います。後まぁ、こんな事わざわざ言及する必要もない気がしますがこれ、R15区分だし予告編で散々血肉吹きすさぶ様な映画ですよと告知はしてるんでそういうジャンルが苦手なら向かないと思います。けれど少しでも苦手ではあるけど興味あるかも……って方はこの規制緩めたバージョンの予告で

 

 

 

まず耐性チェックしてからの方が良いかもしれません。本編はこれの100倍は激しいシーンばかりなんで自身の精神とご相談でお願いします。

 

 最後の最後になりましたが、全国でまだ上映中orこれから上映してくださる映画館をざっとリストアップしました、最寄りの映画館でやるかお確かめください!

 

・北海道地区

サツゲキ劇場 上映中

 

・関東地区

埼玉 MOVIX三郷 5月4日まで

東京 新宿バルト9 上映中

    MOVIX昭島 5月4日まで

神奈川 あつぎのえいがかんkiki 5月12日から5月25日まで

 

・中部地区

長野 長野松竹相生座 5月19日から6月1日まで

静岡 静岡東宝会館 5月5日から5月18日まで

    CINEMAe_ra 5月26日から6月8日まで

    シネマサンシャイン沼津 5月26日から6月8日まで

愛知 ミッドランドスクエア シネマ 5月4日まで

    MOVIX三好 5月4日まで

 

・近畿地区

京都 TJOY京都 上映中

大阪 TJOY梅田 上映中

    シネマート心斎橋 上映中

    MOVIX堺 5月4日まで

兵庫 kino sinema神戸国際 5月11日まで

    MOVIXあまがさき 5月4日まで

    塚口サンサン劇場 5月19日から5月25日まで

和歌山 ジストシネマ和歌山 6月2日から6月15日まで

 

・中国四国地区

愛媛 シネマサンシャイン重信 5月5日から5月18日まで

 

・九州沖縄地区

福岡 TJOY博多 上映中

熊本 熊本ピカデリー 5月4日まで

宮崎 宮崎キネマ館 4月28日から5月11日まで

 

 

 以上、公式サイトさんからざっと抜粋しましたがこれから上映が始まる劇場もあり、特に中部や近畿にお住まいの方は割かし公開館が多いのでもしも自分のブログでご興味が湧いた方がいましたらちょっとこう、涼みに……真っ赤な花火でも見に行くつもりで行かれると楽しいのではないかなと、思います。

 

 という所で、長々とダラダラとした文章で本当すみませんでした、ここまでお付き合い誠に感謝です、梶原一郎でした。まぁ4,000字費やしましたが……オオカミ狩り最高!って気持ちだけは伝えたかった。それだけは真実。次回の更新は全くの未定です。