太宰治「満願」 | 世界文学登攀行

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世界文学の最高峰を登攀したいという気概でこんなブログのタイトルにしましたが、最近、本当の壁ものぼるようになりました。


「満願」


超短篇。


性欲というものを、人間が本然的に備えている自然で美しいものとしてとらえていて、すがすがしく、清楚にすら感じられた。


清潔な姿の奥さん、8月のおわり、くるくるまわる白いパラソル。
「私は美しいものを見た」という一言は、太宰が実際に体験したことなのか、創作なのかはわからないが、僕自身の体験を通さずに本の中の映像として共感できるというのは、文章が鋭くてうまいからなのだろう。



満願/作者不明
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