バスカヴィル家の犬/シャーロック劇場版 | p・rhyth・m~映画を語る~

p・rhyth・m~映画を語る~

メインブログ【くた★むび】



監督:西谷弘
キャスト:ディーン・フジオカ/岩田剛典/新木優子
配給:東宝
公開:2022年6月
時間:119分




2019年秋に放送されたフジテレビの月9ドラマ『シャーロック』。ディーン&岩ちゃんの共演だけでなく,タイトルからも判るように,アーサー・コナン・ドイルの世界的名作『シャーロック・ホームズ・シリーズ』を原案に,舞台を現代の東京に置き換えたストーリーが話題を呼んた。

そしてドラマから3年越しの劇場版。ホームズ・シリーズの人気作『バスカヴィル家の犬』をモチーフに,しかしタイトルは原作のまま持ってきた。監督は『真夏の方程式』『マチネの終わりに』や,ドラマ版『シャーロック』の演出も手掛けた西谷弘。

瀬戸内海の離島“霞島”。そこに大きな屋敷を構える日本有数の資産家・蓮壁千鶴男(西村まさ彦)が,莫大な遺産を遺して謎の変死を遂げる。千鶴男は死の直前,美しい娘・紅(新木優子)の誘拐事件の真相究明を,リモートで私立探偵・誉獅子雄(ディーン・フジオカ)と助手の若宮潤一(岩田剛典)に依頼していたのだった。警視庁の江藤(佐々木蔵之介)から,千鶴男の死因が日本には絶滅した“狂犬病”であることを知り,江藤から背中を押され,2人は霞島に足を踏み入れる。

千鶴男の息子・千里(村上虹郎)から,山奥の古びた洋風邸宅に住む蓮壁家に招待された2人は,そこで千鶴男の妻・依羅(稲森いずみ),使用人の馬場(椎名桔平),地震学者の捨井(小泉孝太郎),リフォーム業者の冨楽朗子(広末涼子),そして誘拐被害者の紅と飼い犬であるヴィルに出会う。それぞれに闇を抱えた一族と怪しい関係者たち。そして島に伝わる不気味な呪いが,獅子雄と若宮を待ち受けていたのだったが…。

“蓮壁”家の“ヴィル”ってセンスにクスっとさせられながら,そういえば誉獅子雄のイニシャルはシャーロック・ホームズと同じ“S.H.”だし,若宮潤一のイニシャルはジョン・ワトソンと同じ“J.W.”だったなと,ドラマ版に惹き込まれた3年前の記憶が蘇る。飄々としマイペースな獅子雄と,信頼を築いた若宮とのバディ感が最高だ。

わずか10人だが共演者も豪華で個性的。この“和製ホームズ”の世界を美味な混沌へと誘う。「謎解きを後悔する」切なさと家族愛を込めたクライマックスとエンディングが西谷監督っぽくて沁みる。ドラマ版でお決まりだった獅子雄のバイオリンシーンがなかったのはちょっと残念かな。

公開延期となっている『シャーロック・ホームズ』シリーズ第3弾も待ち遠しい。


映画クタ評:★★★★


右矢印西谷弘作品まとめ

右矢印佐々木蔵之介作品まとめ

右矢印西村まさ彦作品まとめ

右矢印小泉孝太郎作品まとめ

右矢印渋川清彦作品まとめ

右矢印椎名桔平作品まとめ

右矢印広末涼子作品まとめ

右矢印村上虹郎作品まとめ