真夏の方程式 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:西谷弘
キャスト:福山雅治/吉高由里子/北村一輝
配給:東宝
公開:2013年6月
時間:129分




容疑者Xの献身』から5年後に公開された劇場版第2弾。TVドラマのセカンドシリーズに続く映画化。俳優にとってキャリアを代表する役柄を得ることはプライドとなる半面,そのキャラクターのイメージに捕らわれてしまう怖さもあわせ持つが,福山雅治は当時のインタビューで「メリットしか感じない」と言い切っていたのを記憶している。その正面から真摯に向き合う姿勢が,1993年のドラマ『ひとつ屋根の下』(フジテレビ)の“ちいにいちゃん”こと柏木家の次男・雅也や,2010年のNHK大河ドラマ『龍馬伝』の坂本龍馬など,強く印象に残るキャラクターを生み出してきたのだろう。

風光明媚で普段は静かな海辺の町,玻璃ヶ浦。しかし今は,海底鉱物資源の開発を巡り,賛成派と反対派が激しい対立を繰り広げていた。湯川(福山雅治)はそんな玻璃ヶ浦で開かれる地元説明会にアドバイザーとして招かれ,川畑夫妻とその一人娘・成実(杏)が営む小さな旅館“緑岩荘”に滞在することに。彼はそこで,親の都合で夏休みの間だけ親戚の川畑家に預けられていた少年・恭平(山﨑光)と出会う。子ども嫌いの湯川だったが,恭平とは不器用ながらも心を通わせていく。そんな中,緑岩荘の宿泊客で,16年前に起きた殺人事件の捜査を担当した元警視庁の刑事・塚原(塩見三省)の変死体が海岸で発見される。連絡を受け現地に入った捜査一課の岸谷美砂(吉高由里子)は,運良く居合わせた湯川にダメもとで協力を依頼するが…。

開発計画に揺れる小さな海辺の町を舞台に,「科学技術と環境保護」というテーマを織り交ぜながら,湯川が挑む殺人事件に隠された悲しい秘密と切ない人間模様が感動的に綴られてゆく。キャッチコピーにもある「解いてはいけない,愛が閉じ込めた謎」を解いてしまった湯川の苦悩と,家族愛と少年の成長が,直球で心の奥に響き,涙腺を緩ませる名作。


映画クタ評:★★★★★


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◆シリーズ一覧◆

容疑者Xの献身』(2008年)

沈黙のパレード』(2022年)