サイレント・トーキョー | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:Silent Tokyo
監督:波多野貴文
キャスト:佐藤浩市/石田ゆり子/西島秀俊
配給:東映
公開:2020年12月
時間:99分




アンフェア』シリーズの原作をはじめ,多くのTVドラマ脚本家としても知られる秦建日子(はたたけひこ)が,ジョン・レノン&オノ・ヨーコの楽曲『Happy Xmas (War Is Over)』にインスパイアされて執筆した小説『And so this is Xmas』を映画化したクライムサスペンス『サイレント・トーキョー』を今夜は紹介。

監督は『SP』シリーズや『オズランド/笑顔の魔法おしえます。』の波多野貴文。“秦✕波多野コンビ”に何かとてつもない予感がしたものの,劇場公開時には見ることの叶わなかった作品だ。

12月24日。クリスマス・イブの幸せな気分に包まれ人々が色めき立つ中,東京・恵比寿に爆弾を仕掛けたという電話がテレビ局にかかってくる。半信半疑で中継に向かったテレビ局契約社員・来栖公太(井之脇海)は,そこでベンチに座ったまま動けずにいる主婦・山口アイコ(石田ゆり子)と出会う。騒ぎのさなか,犯人の巧みな罠によって爆破事件の実行犯へと仕立てられていく2人。その様子を謎の男・朝比奈仁(佐藤浩市)が見つめていた。

やがて,新たな犯行予告が動画サイトにアップされる。次の標的は渋谷・ハチ公前付近。犯人の要求は「テレビ生放送での首相との対談」,それが受け入れられない場合は18時に爆弾が爆発するというのだ。渋谷署刑事課の世田志乃夫(西島秀俊)は,新人刑事・泉大輝(勝地涼)と共に犯人を追う。刻一刻と爆破予告のタイムリミットは迫るが,クリスマスに沸き立つ群衆は事件の物珍しさもあり,続々と渋谷スクランブル交差点に押し寄せてくるのだったが…。

国民性か,“コンプライアンス”って言葉への過剰反応が,とかく映画をマイルド描写にまとめたがる雰囲気があるが,TVと違いレイティングもあって観る者が選択できる映画での表現は,可能な限り萎縮してほしくない。

そんな願望や欲求に,久しぶりに正面から応えてくれる作品に出会えた気分。特に,渋谷スクランブル交差点のシーンは,想像を超えるリアリティで魅せてくれる。もちろん,そこに至るまで,そしてラスオチまでのサスペンス色も,登場人物の繊細な心理描写も素晴らしい。

共演は他に,中村倫也,広瀬アリス,鶴見辰吾 など。コロナ禍でも浮かれるこの国の人々に,ひとつの警鐘としても響く1本だ。


映画クタ評:★★★★★


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