オズランド/笑顔の魔法おしえます。 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:波多野貴文
キャスト:波瑠/西島秀俊/岡山天音
配給:HIGH BROW CINEMA/ファントム・フィルム
公開:2018年10月
時間:106分




漫画『海猿』の原案も手掛けた福岡市在住の作家・小森陽一が,かつて熊本県の遊園地“グリーンランド”に勤務していた知人が酒席で語った,地方遊園地の舞台裏エピソードから着想。主人公の波平久瑠美は女優の波瑠をイメージして執筆したため,ヒロインの名前に「波」と「瑠」の2文字を使ったという小説『オズの世界』を原作に,その波瑠をヒロインとして映画化された作品が,今夜紹介するお仕事エンタテインメント映画『オズランド/笑顔の魔法おしえます。』。監督は『SP THE MOTION PICTURE』シリーズの波多野貴文。

念願かなって恋人の小西(中村倫也)と同じ超一流ホテルチェーンに就職できた22歳の新入社員・波平久瑠美(波瑠)。しかし喜びいっぱいの彼女を待っていたのは,系列会社が運営する地方の遊園地“グリーンランド”への配属辞令だった。すっかりふて腐れる久瑠美は,数々の企画を成功させ“魔法使い”の異名を持つ一風変わったカリスマ上司・小塚慶彦(西島秀俊)からゴミ拾いなどの雑用ばかりを命じられ,不満を募らせる。目覚ましい成果をあげたMVP社員は好きな部署に異動できると知り躍起になるが,やることなすこと裏目に出てしまい,力不足を痛感する。

それでも小塚をはじめ,園長の宮川(柄本明)や,南原(濱田マリ),玉地(橋本愛)など,個性的すぎる従業員たちに囲まれる日々を過ごしていくうちに,いつしか自らの未熟さを認め,失敗や成功を重ねながら,次第に働くことの楽しさ・やりがいに気づいていく久瑠美。小塚に対して,憧れとも恋ともわからない感情を抱しだしたある日,そんな小塚の秘密を知ってしまうのだった…。

ちなみに,ヒロインの苗字は「波平」と書いて「なみひら」。しかし皆から「なみへい」と呼ばれるようになる。タイトルの『オズランド』が『オズの魔法使い』と,カリスマ上司・小塚(おづか)の名前を懸けたものであることは,容易に察しがつくだろう。

遊園地の裏側ってこんな風になっているのかという, 非日常を演出する人たちの日常を垣間見る面白さと同時に,彼氏と一緒に居るために就職した,まるで主体性のなかった久瑠美が,仕事を通して自分を見つめ,意志を持って動き出し,カッコいい女性になっていく変化が,ベタではあるがキッチリと響いてくる。


映画クタ評:★★★★


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