ゴジラvsデストロイア | p・rhyth・m~映画を語る~

p・rhyth・m~映画を語る~

メインブログ【くた★むび】



英題:Godzilla vs. Destoroyah
監督:大河原孝夫(本編)/川北紘一(特撮)
キャスト:辰巳琢郎/石野陽子/林泰文
配給:東宝
公開:1995年12月
時間:103分




延期となっていたR・エメリッヒ版『GODZILLA』の公開見通しが立ったことで,“平成ゴジラシリーズ”最終作として製作されたシリーズ第22弾。1954年のシリーズ第1弾『ゴジラ』から製作に携わってきた田中友幸,音楽担当の伊福部昭,特技監督の川北紘一,平成シリーズでゴジラのスーツアクターを務めた薩摩剣八郎などにとって,シリーズ最後の参加となった。また,『ゴジラvsビオランテ』からの6作連続で三枝未希を演じた小高恵美にとっても最後の映画。ゴジラシリーズの長い歴史の中でも,同一俳優が同一の役柄で6作出演というのは彼女だけだ。

脚本は大森一樹,監督に大河原孝夫&川北紘一という“平成ゴジラシリーズ”を作り上げてきた3者が,キッチリと“終わり”を描いて見せてくれる。

スペースゴジラとの戦いから1年後,バース島が消滅し,ゴジラとリトルゴジラが姿を消した。その1ヶ月後,香港に出現したゴジラは,全身を燃えるように発光させ,赤い熱線を吐きながら街を破壊していった。バース島の消滅は,その地下の高純度天然ウランが熱水に反応し爆発したもので,その影響を受け体内炉心の核エネルギー反応が不安定になったゴジラは,いつ核爆発を起こしてもおかしくない状態だったのだ。国連G対策センター長官の国友(篠田三郎)は,大学生の山根健吉(林泰文)に協力を求める。

やがて,四国沖に現れたゴジラに“スーパーXIII”を向かわせ,冷却し活動を停止させ中性子制御剤のカドミウム弾を打ち込む。これにより核爆発の危機は回避されたが,体内炉心の温度上昇には歯止めが掛からず,メルトダウン寸前の状態となっていた。そのころ酸素の研究の果てにミクロオキシジェンを発見した伊集院研作(辰巳琢郎)は,40年前にオキシジェンデストロイヤーの発動された東京湾の海底から泥を採取。研究所に持ち帰ってオキシジェンデストロイヤーの痕跡を探る。だがその泥の中では,地球太古の異生物“デストロイア”の幼生が永い眠りから覚めようとしていたのだった…。

第1弾『ゴジラ』へのオマージュに溢れた設定が,ファンを色々な意味で涙させる。ニュースキャスターの山根ゆかり(石野陽子)と山根健吉の姉弟は,第1弾『ゴジラ』の大戸島で孤児となり,山根家の養子となった新吉の子供たち。2人の叔母の恵美子は41年前と同じ河内桃子が演じている。

ようやくいい仕事をした“スーパーXIII”に指揮官として搭乗したのは,『ゴジラvsビオランテ』以来6年ぶりにゴジラ攻撃の指揮を執ることになった黒木翔。前作では高嶋政伸だったが,スケジュールの都合がつかず実兄の髙嶋政宏が演じた。

思わせぶりなラストの1カットが気になりつつも,エンドロールの背景として,まるでゴジラの走馬灯のように映し出される第1弾『ゴジラ』と“平成ゴジラシリーズ”の名シーン。何度見直しても目頭が熱くなる。


映画クタ評:★★★★


右矢印平泉成作品まとめ

右矢印中尾彬作品まとめ

右矢印髙嶋政宏作品まとめ

右矢印『ゴジラ』シリーズ作品まとめ