ゴジラ | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:Godzilla
監督:本多猪四郎
キャスト:宝田明/河内桃子/平田昭彦
配給:東宝
公開:1954年11月
時間:97分




突然始まる“夏休みゴジラ大祭”。凝り性が災いして,何気に全作見てしまったのでまとめておこうと,この時期に一挙紹介することにした。今回は1954年の第1作から2004年の第28作までを連夜更新。惹かれる方も退かれる方も,邦画の礎の一角を築いたシリーズとして,ご一読いただけると嬉しい。

まず今夜はゴジラのデビュー作。時は1954年。世界的にヒットした『ローマの休日』が国内でも上映され大ヒットとなった年の冬のこと。終戦から9年後の日本にこの破壊神をもたらしたのは,この公開の22年前に日本公開された『キング・コング』(RKO)の試写で特撮に衝撃を受け,後に“特撮の神様”と呼ばれる円谷英二。原作は香山滋,監督は本多猪四郎。

小笠原諸島近海で次々と消息を絶つ船舶。大戸島の老漁師は,島に古くから伝わる海の怪物“呉爾羅(ゴジラ)”の仕業だと言う。古生物学者の山根博士(志村喬)と娘の恵美子(河内桃子),恵美子の恋人で南海サルベージ所長の尾形(宝田明)ら調査団は,大戸島でその巨大生物と遭遇し驚愕。山根博士は,巨大な足跡から発見されたトリロバイトと残留放射能ストロンチウム90から,海底の洞窟に潜んでいた200万年前のジュラ紀の生物が,たび重なる水爆実験のために安住の地を追われたと発表する。

対策本部は東京湾の海岸線一帯に巨大な有刺鉄条網を張り巡らせて5万ボルトの強力な電流で感電死させる作戦を実施するが,ビクともしないゴジラ。ついに都内に侵入すると,口から吐く放射能を帯びた白熱光で東京を焦土の廃墟としてしまう。若き天才科学者・芹沢(平田昭彦)の発明した“オキシジェン・デストロイヤー”の存在を知る恵美子は尾形と共に,ゴジラを倒すために“オキシジェン・デストロイヤー”を使ってほしいと芹沢に懇願するのだったが…。

ゴジラが東京上陸し,ようやくその全身を見せるのは,始まってから45分辺り。当然モノクロではあるが,67年前に撮られたことを考えると,この合成技術は画期的と言える。当時の諸島部の生活(実際のロケは三重県鳥羽市石鏡町の小さな漁村)や東京の様子も伺え,時代を映し残すという映画の意義の1つと,戦争と核兵器への警鐘というテーマを,融合させている。

細かいキャストの説明がなかったり,シーンを繋いで物語を完成するという手法に,新鮮ささえ覚えてしまう。“防衛隊”というのはシリーズ独自の架空の組織名。自衛隊法が発効されたのはこの公開の年で,制作当時はまだ自衛隊が存在しておらず,前身の保安隊だった。


映画クタ評:★★★★


右矢印『ゴジラ』シリーズ作品まとめ