ゴジラの逆襲 | p・rhyth・m~映画を語る~

p・rhyth・m~映画を語る~

メインブログ【くた★むび】



英題:Godzilla Raids Again
監督:小田基義
キャスト:小泉博/若山セツ子/笠間雪雄
配給:東宝/ワーナー・ブラザース
公開:1955年4月
時間:82分




前作『ゴジラ』が空前の大ヒットを記録し,直ちに続編の企画が起こされた。引き続き香山滋が原作を担当したが,前作で殺してしまったゴジラをまた登場させるという話作りに苦労したという。前作の最後に,山根博士が沈痛な表情で呟いた「あのゴジラが最後の一匹とは思えない。もし水爆実験が続けて行われるとしたら,あのゴジラの同類がまた世界のどこかへ現れてくるかもしれない」の台詞が,ここに活きてきたことになる。監督は小田基義。

海洋漁業の魚群探査機パイロット・月岡(小泉博)は,岩戸島に不時着した同僚の小林(千秋実)の救助に向かう。そこで2人は,激しく闘うゴジラと新たな巨大怪獣を目撃。大阪に戻った2人の証言で,新たな怪獣は,ゴジラと同時代に生息した凶暴な肉食恐竜のアンキロサウルス,通称“アンギラス”であると判明する。どちらも,水爆実験の影響で現代に蘇ったのだ。大阪に呼ばれていた山根博士(志村喬)は,ゴジラを防ぐ方法も,葬り去る手段の“オキシジェン・デストロイヤー”もないと告げる。

ゴジラの本土上陸を阻止しようと徹底した灯火管制が敷かれる大阪市。しかし,移送中に脱走しタンクローリーで逃走中の囚人たちが石油タンクに突っ込み大爆発。その光によりゴジラとアンギラスを誘導してしまう。2体の闘いで大阪の街は廃虚と化すのだったが…。

この作品まではモノクロ作品。前作の“戦争と核兵器への警鐘”というテーマは弱められ,巨大怪獣の暴れ回るシーンを前面に押し出した演出となっている。“大衆向け”といえば,前作の登場人物はみんな真面目で誠実だったのに,おフザケキャラの小林や,脱走囚人まで現れる。過剰なリアル感だが,公開当時は大ヒットした。

大坂城が崩れさるなどのスペクタクルシーンは,後のシリーズでも観客の耳目を惹く部分。何より,“怪獣同士の対決”という日本の怪獣映画の流れを決定づけ,ゴジラが別の怪獣と戦う最初の作品となった。


映画クタ評:★★★☆☆


右矢印『ゴジラ』シリーズ作品まとめ