キングコング対ゴジラ | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:King Kong vs. Godzilla
監督:本多猪四郎(本編)/円谷英二(特撮)
キャスト:高島忠夫/浜美枝/佐原健二
配給:東宝/ユニバーサル・インターナショナル
公開:1962年8月
時間:97分




時は昭和37年。日本でもこの作品の10年以上前からチラホラと作られるようになったカラー映画が,ようやくゴジラに運用された。東宝創立30周年記念作品として,何と対戦相手に,アメリカが生んだ怪獣キャラクターの元祖“キングコング”を迎えた超娯楽作。ゴジラがカラー作品として登場したのも初めてなら,シリーズとしてタイトルに“対”をつけたのも初めてという,まさに記念碑的な1本だ。

前作『ゴジラの逆襲』から7年ぶりとなるこの作品。『ゴジラ』よりも21年先輩となるキングコングの権利を所有していたアメリカのRKO社は,東宝とのライセンス契約の際に,キングコングの名称使用料5年間分として8000万円を要求した。この金額は当時の映画3本分の製作費だったが,東宝はこの莫大な支払いの見返りを充分に受け,配給収入3億5010万円という大ヒットを生んでいる。監督は本多猪四郎&円谷英二。

パシフィック製薬の多湖宣伝部長(有島一郎)は,自社提供のテレビ番組『世界驚異シリーズ』の不評に悩んでいる矢先,南方野生薬草の調査旅行から帰った牧岡博士(松村達雄)から,南太平洋メラネシアに位置するソロモン諸島のファロ島に大異変が起りつつあるという噂を聞くと,さっそくTV局の桜井カメラマン(高島忠夫)と古江(藤木悠)を海外取材班として急行させる。強力な麻酔作用のある木の実と原住民の協力を得て,“巨大なる魔神”ことキングコングの捕獲に成功する桜井たち。しかし,海上輸送の途中で目覚めたコングは単身で日本に上陸するのだった。

一方,海水の温度上昇の調査のため国連派遣の科学者を乗せ北極海を航行中の原子潜水艦シーホーク号は,突如大爆発を起した氷山から怪獣ゴジラが飛び出すのを発見。実はこの氷山こそが,大阪でアンギラスと闘い,神子島で氷漬けにされたまま行方不明となっていたゴジラが眠る氷塊だった。ゴジラは咆吼と共に放射能を吐きつつ北方軍事基地を粉砕し,ベーリング海峡を一気に南下。ついに松島湾に上陸すると本土を南下し始める。こうして,那須高原を舞台にキングコング対ゴジラの対決が幕を開けるのだったが…。

本家『キングコング』へのオマージュ的シーンが過剰に多いし,今見るとゴジラもコングも顔の造形が雑で笑える。有島一郎や,当時32歳の高島忠夫のハイテンションも含め,このドタバタ感が成長期の昭和の“味”なのかもしれない。

共演は他に,佐原健二,浜美枝,平田昭彦 など。


映画クタ評:★★★★


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