太陽は動かない | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:羽住英一郎
キャスト:藤原竜也/竹内涼真/ハン・ヒョジュ
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開:2021年3月
時間:110分




1997年のデビュー以来,次々とヒット作を発表している小説家・吉田修一。2002年には『パーク・ライフ』で第127回芥川賞を受賞。純文学と大衆小説のどちらも描ける実力と人気を兼ね備えた作家の1人。このコーナーで紹介した『怒り』や,一昨年公開された『楽園』(KADOKAWA)も彼の原作によるものだ。

そんな吉田修一のベストセラーを,藤原竜也&竹内涼真の主演で映画化したスパイ・アクション・エンタテインメントが今夜紹介する『太陽は動かない』。原作の“AN通信エージェント・鷹野一彦シリーズ”から『太陽は動かない』『森は知っている』を基に,『空飛ぶタイヤ』『』を手掛けた林民夫が脚本を執筆。監督は『海猿/ウミザル』シリーズや『映画 暗殺教室』シリーズの羽住英一郎。

“AN通信”は表向きは小さなニュース配信会社だが,その実態は,違法に入手した機密情報を売買する産業スパイ組織。鷹野一彦(藤原竜也)と相棒の田岡亮一(竹内涼真)は,そんなAN通信で働く敏腕エージェント・コンビ。組織への裏切り防止のため,エージェントの心臓には爆弾が埋め込まれており,24時間ごとの定期連絡を怠ると爆死するようになっている。

ブルガリアの首都ソフィア。中国の巨大エネルギー企業“CNOX”会長のアンディ・ウォンを探る任務中に捕まり,監禁されているエージェントの山下竜二(市原隼人)。残り5分となった所に救出に来る鷹野と田岡。しかし,次々と現れる追手に阻まれ,山下は爆死してしまう。山下が手掛けていたのは,全人類の未来を決める次世代エネルギーの極秘情報。世界各国のエージェントたちと命がけの争奪戦が始まるのだったが…。

この作品,昨年の5月から6月にかけて,映画版の前日譚となる6回のドラマ『太陽は動かない -THE ECLIPSE-』が,WOWOWの“連続ドラマW”枠で放送された。このドラマがとにかく良くできていて映画にも期待していたのだ。

ところが,ドラマでいい味を出していたエージェント・山下の爆死に始まり,高校時代のエピソードと現在の交差がやや忙しかったり,ブルガリアでの贅沢なロケもアクションが雑に感じたりと,ちょっと“詰め込み過ぎ”な部分が目立ってしまったのが残念。

ただ,
「1日,1日を生きろ!
明日のことなんか考えなくていい。
今を生きるんだ!」

シンプルだが,ドラマから繰り返されるこの台詞がミョーに響いたのは,生きづらい今の世の中故だろうか。


映画クタ評:★★★★


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