スプリット | p・rhyth・m~映画を語る~

p・rhyth・m~映画を語る~

メインブログ【くた★むび】



原題:Split
監督:M・ナイト・シャマラン
キャスト:ジェームズ・マカヴォイ/アニャ・テイラー=ジョイ/ベティ・バックリー
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ/東宝東和
公開:2017年5月
時間:117分




シャマラン監督作品2夜目は,先月から公開中の新作。現在のところ,今年の全米ボックスオフィスで3週連続首位を記録してるのが『ワイルド・スピード ICE BREAK』とこの『スプリット』だけだと聞くと,やっぱ押さえとかなきゃでしょ! という気持ちになる(ちなみにシャマラン監督の全米3週連続首位は『シックス・センス』以来)。もう観た人も多いと思うので,多少はネタバレ含みで紹介。

ケイシー(アニャ・テイラー=ジョイ),クレア(ヘイリー・ルー・リチャードソン),マルシア(ジェシカ・スーラ)の女子高生3人は,クレアの誕生パーティの帰りの車で見知らぬ男(ジェームズ・マカヴォイ)に拉致されてしまう。鍵の掛かった薄暗い密室に閉じ込められた3人は,男が部屋から立ち去った後,脱出する方法を必死に考える。すると,ドアの外から男女の会話する声が聞こえてきた。ケイシーたちは助けを求めて声を上げるが,そこに現れたのは,女性の服に身を包み,女性のような口調で話す先ほどの男だった。

男の名はケヴィン。彼は何と23もの人格を持つDID(解離性同一性障害)で,精神医学を専門とする女医フレッチャー(ベティ・バックリー)のセラピーを受けていた。その後も潔癖症の青年や,9歳の無邪気な少年など,現われるたびに格好ばかりか性格まで次々と激しく入れ替わっていく。やがて,“ビースト”と呼ばれるもっとも恐るべき24番目の人格がケヴィンに現れた時,ケイシーたちは絶望の縁に追い込まれるのだった…。

『Split』とは「分裂」の意味。次々と変貌して現れる多重人格を,声色や仕種など細部に凝った演技で魅せてくれたジェームズ・マカヴォイ。『X-MEN/ファースト・ジェネレーション』からの3部作で若きプロフェッサーを熱演した彼の多彩さが発揮された作品でもある。『シックス・センス」のブルース・ウィリスや,昨夜紹介した『アンブレイカブル』のサミュエル・L・ジャクソンなどが,シャマラン作品への出演以降,俳優として深みを増し,演技の幅を広げていったように,マカヴォイの今後の活躍が期待されるところ。

さて,この作品のエンディングに登場したのが『アンブレイカブル』のデイヴィッド(ブルース・ウィリス)。バーでテレビを見ながら「15年前の事件と似ているわね。犯人は何と呼ばれていたかしら?」と言った女性の隣で「ミスター・グラスだ」と答える。シャマラン監督によると「あのシーンはデイヴィッドがミスター・グラスが正しかった。つまり,この世界には超能力を持った者が居ると確信したシーンでもあった」とのこと。両作品のポスターの“ひび割れ”が暗示するように,『スプリット』が『アンブレイカブル』と繋がる。

そしてエンドロール後の告知が続編『Glass』の2019年1月公開予定を告げる。ブルース・ウィリス,サミュエル・L・ジャクソン,ジェームズ・マカヴォイ,アニャ・テイラー=ジョイの続投が発表された次回作。18年越しの3部作構想が,今作の一番の驚きとなった。


映画クタ評:★★★★


右矢印M・ナイト・シャマラン作品まとめ

右矢印ブルース・ウィリス作品まとめ

右矢印ジェームズ・マカヴォイ作品まとめ


◆シリーズ一覧◆

アンブレイカブル』(2001年)

ミスター・ガラス』(2019年)


カチンコもっとカチンコ
『スプリット』
▼お友達ブログ▼