パッセンジャー | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Passengers
監督:モルテン・ティルドゥム
キャスト:ジェニファー・ローレンス/クリス・プラット/マイケル・シーン
配給:コロンビア映画/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公開:2017年3月
時間:116分




乗客5000人,目的地まで120年,90年も早く,2人だけが目覚めた,理由は1つ──。
この限りなく興味をそそるキャッチと予告編に宇宙モノ大好きな鼓動が鳴り止まず,ようやく折り合った上映時間とスケジュールで,やっぱり観に行っちゃいましたな1本。監督は『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(2015年・スタジオカナル)のモルテン・ティルドゥム。ちなみに原題は同じだが邦題『パッセンジャーズ』(2009年・トライスター)はアン・ハサウェイ主演のサスペンススリラーで,全くの別作品。

近未来。豪華宇宙船アヴァロン号は5000人の乗客を乗せて地球を旅立ち,遠く離れた移住先の惑星に向かって航行していた。乗客は目的地に到着するまでの120年間を冬眠装置の中で安全に眠り続けるはずだった。ところが,航行中のアクシデントが原因で1つのポッドが不具合を起こし,エンジニアのジム(クリス・プラット)だけが目覚めてしまう。ほどなく自分以外に誰も起きていないことに気づくジム。それもそのはず,地球を旅立ってからまだ30年しか経っていなかったのだ。つまり,ほかの乗客が目覚めるのは90年も先で,それはこの宇宙船の中でたった1人きりで残りの一生を過ごさなければならないことを意味していた。

それから1年が過ぎ,ジムはこじ開けたスイートルームを独占し,船内の娯楽システムで時間を潰す自堕落な生活を続けていた。孤独に押し潰されそうになりながら,唯一の話し相手のバーテンダーアンドロイドのアーサー(マイケル・シーン)と日々会話を続ける。宇宙船では作業ロボットなどの故障が度々発生し,誰も入れないコントロールルームではエラーメッセージが次々と増えてゆく。そんなある日,ジムは冬眠ポッドで作家のオーロラ(ジェニファー・ローレンス)に一目惚れし,彼女の事を調べていくうちにますます惹かれていくようになるのだったが…。

〈宇宙での孤独ムービー〉の近年の流れとして思い浮かぶ『ゼロ・グラビティ』(2013年・ワーナー)や『オデッセイ』がひたすらに“一人きりであることの苦悩”を描いていたのと較べ,そこから一歩世界を進めた“一人きりでないことの苦悩”が,巨大な宇宙船の中で広がる。良心や階層にも触れつつ,現代のおとぎ話を匂わせるのは,ヒロインの名が『マレフィセント』にも登場する“オーロラ”であるからだけではなく,VFXで作り上げられた“眠れる森”の船外を埋め尽くす美しく過酷で遥かな宇宙空間があるからだろう。

オーロラ・レーン役のジェニファー・ローレンスは『X-MEN/ファースト・ジェネレーション』からの〈トリロジー第2章〉のミスティーク。ジム・プレストンは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のピーター。2人のこれからの活躍にも注目してゆきたい。

評価は,個人的な好みで,宇宙から取ってきたを1個追加しちゃってるので了承を♪


映画クタ評:★★★★★


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