カーズ2 | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Cars 2
監督:ジョン・ラセター/ブラッド・ルイス
キャスト:ラリー・ザ・ケーブル・ガイ/オーウェン・ウィルソン/マイケル・ケイン
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開:2011年7月
時間:113分




ピクサー創立25周年記念作品と銘打たれた『カーズ』の続編。25周年とは言っても,前作の公開の頃にディズニーの完全子会社となったピクサー。経営と資金の心配が要らなくなり製作に集中できる環境は,その後も次々と名作を世に出している。劇場公開時の同時上映は『トイ・ストーリー3』のその後を描いた短編アニメ『ハワイアン・バケーション』だった。

ピストン・カップで大活躍したライトニング・マックィーン(オーウェン・ウィルソン)はラジエーター・スプリングスでつかの間の休息を過ごしていた。そんな時“ワールド・グランプリ”への参加を招待される。最初は躊躇していたマックィーンだったが,イタリア代表のF1・フランチェスコ(ジョン・タトゥーロ)の挑戦や,友人のおんぼろレッカー車・メーター(ラリー・ザ・ケーブル・ガイ/吹替:山口智充)やガールフレンドのサリー(ボニー・ハント/吹替:戸田恵子)に促され,参加を決意する。メーターもピット・クルーのメンバーとして同行することになるが,これが後に彼を重大な役割へと巻き込むことになる。

“ワールド・グランプリ”はバイオ燃料“アリノール”の有用性を伝えるイベントとして,開発したアリノール社のCEOマイルズ・アクセルロッド卿(エディ・イザード)が企画したものだったが,真の目的は他にあった。レース中,アリノールを使う車が次々と原因不明の事故を起こし,このことに以前から疑念を抱いていたイギリスのスパイ,フィン・マックミサイル(マイケル・ケイン)が危険を冒しながらも秘密裏に調査を進める中,ワールドグランプリは日本を皮切りに,イタリア,イギリスと転戦してゆく。トップレーサーたちがしのぎを削る過酷なレースの世界に,田舎町からやって来たメーターは戸惑いを感じるばかりで,マックィーンの足を引っ張ってしまう。傷心のメーターはチームを離脱するが,ミステリアスなイギリスのスパイ・コンビにアメリカのスパイと誤解され,クルマたちの未来がかかった危険なスパイ戦の渦中に巻き込まれてしまうのだった…。

パリのノートルダム寺院に“カー・ゴイルズ”,ロンドンのビッグベンに“ビッグ・ベントレー”を登場させるなど,まさに“ピクサー哲学”と言える見事に擬人化された145種ものユニークなカーキャラクターたちが随所に笑いを振りまく。007映画のようなアクション・シーンに,往年のスパイ映画の元ネタを発見できるのも楽しい。例えば,イギリスのスパイ,フィン・マックミサイルは往年のボンドカー,アストンマーチンだったりする。

ストーリーに,環境至上主義って鵜呑みにしちゃって良いの?…っていう皮肉が効いてるのも,個人的に好み。F1・フランチェスコの声に『トランスフォーマー』シリーズでシモンズを演じたジョン・タトゥーロ,イギリスのスパイ,フィン・マックミサイルの声は名優マイケル・ケインが担当。F1ドライバーのルイス・ハミルトンや,ジョン・ラセター監督も登場する。

さて,今夏に公開予定の『カーズ3』。監督は,前2作でストーリーボード・アーティストを務めたブライアン・フィー。ルーキーの登場により時代に取り残されたマックィーンの前に,若手女性レースカーのクルス・ラミレス(クリステラ・アロンゾ)が現れ,トレーナーとして,マックィーンに新しい技を教えるようになるとか。声の出演としてアーミー・ハマーの参加が発表されている。


映画クタ評:★★★★


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◆シリーズ一覧◆

カーズ』(2006年)

カーズ/クロスロード』(2017年)