カーズ | p・rhyth・m~映画を語る~

p・rhyth・m~映画を語る~

メインブログ【くた★むび】



原題:Cars
監督:ジョン・ラセター/ジョー・ランフト
キャスト:オーウェン・ウィルソン/ラリー・ザ・ケーブル・ガイ/ポール・ニューマン
配給:ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ
公開:2006年7月
時間:116分




久しぶりのアニメ紹介は,今年の夏に公開が予定されている『カーズ3』を前に,前2作を復習しておくことにした。制作はご存知ピクサー。『トイ・ストーリー』でおもちゃの世界を,『モンスターズ・インク』(2002年・ブエナ・ビスタ)でモンスターの世界を,『ファインディング・ニモ』(2003年・ディズニー)でおサカナの世界を描いたピクサーが,この作品の舞台にしたのはタイトル通りクルマの世界。監督は『トイ・ストーリー2』以来6年ぶりとなるジョン・ラセター。

そこは,クルマたちが人間と同じように生活している〈クルマの世界〉。ピストン・カップを争うシーズンの最終レース“ダイナコ400”で初の新人チャンピオンを狙うライトニング・マックィーン(オーウェン・ウィルソン)。しかし自分を含む3台が同着となり,1週間後にカリフォルニアで決着をつけることになる。自己中心的な性格が玉にキズの彼は,カリフォルニアへの移動中にふとしたトラブルからルート66沿いの小さな田舎町“ラジエーター・スプリングス”に迷い込んでしまう。

いまや地図からも消えてしまったその町には,オンボロ・レッカー車のメーター(ラリー・ザ・ケーブル・ガイ/吹替:山口智充)をはじめ,見るからに風変わりな住民たちばかり。思いがけずこの町に足止めをくらってしまい,早くレース会場に戻らねばと焦るマックイーン。しかし,のんびりとした時間が流れるこの町で,奇妙なクルマたちと一緒に過ごすうちに,マックイーンの心にも少しずつ変化が見え始め,本当に大切なものに気付いてゆくのだった…。

レースやアメリカの自動車文化の知識がないと分かりにくい部分もあるかもだが,いつの間にかクルマたちに感情移入できてしまう。ピクサーの技術も飛躍的に進歩していて,特に光の表現が見事。朝,日中,夜間と,時間帯による色彩の違いまでリアルに描き分けられ,まるで空気がそこに存在しているかのよう。背景となるアメリカの雄大な景色も,岩山,森林,路面のアスファルトなど,キャラクターがいなければほとんど実写にしか見えない細かい仕上がり。そのクルマたちも,塗装の新旧やラメ入り,ボロボロにサビた車など,微妙な表面質感の違いまで完璧に描かれている。

主人公のライトニング・マックィーンの声を担当するのは『ナイト ミュージアム』シリーズでアメリカ西部開拓時代のミニチュア人形ジェドを演じたオーウェン・ウィルソン。医者で町の判事でもあるドック・ハドソンの声は名優ポール・ニューマン。他に,元F1ドライバーのマリオ・アンドレッティやミハエル・シューマッハ,州知事スヴェン役はアーノルド・シュワルツェネッガー。また,エンディングの“ラジエーター・スプリングス・ドライブインシアター”で上映された『トイ・カー・ストーリー』『モンスターズ・トラック・インク』『バグズ(ワーゲン)・ライフ』ではオリジナルの声優たちが登場するなど超豪華。


映画クタ評:★★★★


右矢印ジョン・ラセター作品まとめ

右矢印オーウェン・ウィルソン作品まとめ

右矢印トム・ハンクス作品まとめ

右矢印ジョン・グッドマン作品まとめ

右矢印トニー・シャルーブ作品まとめ

右矢印マイケル・キートン作品まとめ

右矢印戸田恵子作品まとめ


◆シリーズ一覧◆

カーズ2』(2011年)

カーズ/クロスロード』(2017年)