原題:Lara Croft Tomb Raider: The Cradle of Life
監督:ヤン・デ・ボン
キャスト:アンジェリーナ・ジョリー/ジェラルド・バトラー/クリス・バリー
配給:パラマウント映画/東宝東和
公開:2003年9月
時間:117分
前作から2年後に公開された続編。前作で,アクション・ヒロインとしての華麗なデビューを飾ったアンジーを,この続編では,より美しく,よりパワフルに描き,さりげなく新世紀の理想の女性に高めていく。
ある日,ギリシャのサントリーニ島で発生した大規模な地震の影響で,地中海海底に埋没していた“月の神殿”が2300年ぶりに姿を現わした。トレジャー・ハンターのララ・クロフト(アンジェリーナ・ジョリー)もこの情報を聞きつけて現場に急行。神殿に入った彼女は,アレクサンダー大王像の胸に埋め込まれたメダリオンと鉄の檻に収められた黄金の珠を発見する。だが彼女がそれらを取り出そうとした時,突然現われた一味に襲われてメダリオンと珠を奪取されてしまう。
盗まれた珠には,人類に壊滅的な災厄をもたらすギリシャ神話伝説の遺物〈パンドラの箱〉の所在が示されていて,襲った一味は生物兵器の専門家ジョナサン・ライス博士(キーラン・ハインズ)が差し向けたものだった。ララは,元恋人の傭兵テリー(ジェラルド・バトラー)とともに世界中を飛び回り,組織の陰謀を阻止し,箱を封印すしようとするが…。
事件に巻き込まれて戦いを強いられた前作と違い,今度のララは自分の意志で突っ走る。元カレに協力を求め,関係が再燃しそうになっても,一時の恋を楽しんだりはしない。また,どこの国に行っても友人がいて,現地の言葉で流暢に話す。真摯さと,芯の強さと,豊かな国際感覚に富む理想的な女性として描かれている。
ただ,女性の理想像をリアルに描くのに,香港の300mの高層ビルからウイング・スーツで急降下したり,45mの滝からのジャンプなど,数々のアクションを,あえてCGなしの実写で撮る必要はあっただろうか。個人的にはむしろアンジーの格闘シーンや,〈パンドラの箱〉の神秘性や謎解きのシーンや,原題にある「The Cradle of Life(生命のゆりかご)」の説明に時間を割いて見せてほしかった気がする。
ちなみに,テリー役のジェラルド・バトラーは『エンド・オブ・ホワイトハウス』の主人公マイク・バニング。また,ライス博士役のキーラン・ハインズは『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』でダンブルドア校長の弟アバーフォースを演じている。
クタ評:★★★★☆
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◆シリーズ一覧◆
『トゥームレイダー』(2001年)
『トゥームレイダー/ファースト・ミッション』(2018年)