ローン・レンジャー | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:The Lone Ranger
監督:ゴア・ヴァービンスキー
キャスト:アーミー・ハマー/ジョニー・デップ/ヘレナ・ボナム=カーター
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開:2013年8月
時間:149分




週末から公開の始まる『ブラック・スキャンダル』(ワーナー)を前に,今夜はジョニデ作品から『ローン・レンジャー』を紹介。1930年代にラジオドラマ,1950年代にはTVシリーズや映画も製作されて人気を博した往年の西部劇ヒーローを,新たに『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』『デッドマンズ・チェスト』『ワールド・エンド』のゴア・ヴァービンスキー監督が映画化したもの。トントを演じたジョニー・デップが印象的。

西部開拓時代のアメリカ。正義感あふれる郡検事のジョン・リード(アーミー・ハマー)は,勇敢なテキサス・レンジャーの兄ダン(ジェームズ・バッジ・デール)を無法者一味に殺され,自らも凶弾に倒れて生死をさまよう。そんな彼の前に現われたコマンチ族(ネイティブ・アメリカン)のトント(ジョニー・デップ)は,少年時代の忌まわしい事件のために復讐に燃える悪霊ハンターだった。トントは,その聖なる力でジョンを甦らせると,それぞれが求める復讐と正義のため手を組むことに。そしてジョンは敵を欺くべく兄の形見をマスクにして,素顔を隠したヒーロー“ローン・レンジャー”となる。こうして共通の敵=極悪非道な無法者ブッチ・キャヴェンディッシュ(ウィリアム・フィクナー)を追って旅に出た2人だったが…。

1933年のサンフランシスコの見世物小屋を訪れたのは,ラジオドラマのヒーロー“ローン・レンジャー”の格好をした少年。老トントは少年に,1869年のテキサス州・コルビーでの“ローン・レンジャー”誕生秘話を語ってゆく。時折挟まれるこの,老トントと少年の掛け合いがアクセントになっていて,2時間半の長尺も飽きさせない。

トントが口にする「キモサベ(Ke-mo sah-bee)」とは「頼りになる相棒」の意味。由来はよく判らないが,オリジナルのラジオドラマ当時から使われている呼び名らしい。興業的には外した作品だが,単に西部劇ヒーローを描くに留まらず,キモサベ(=ローン・レンジャー)を懐かしみむ老トントの表情や,哀愁漂わせるエンドロールを見る度に,ジョニー・デップあってこそ映像化できた作品だと改めて思える。個人的には好きな1本だ。


映画クタ評:★★★★


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