ダークナイト ライジング | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:The Dark Knight Rises
監督:クリストファー・ノーラン
キャスト:クリスチャン・ベール/マイケル・ケイン/ゲイリー・オールドマン
配給:ワーナー・ブラザーズ
公開:2012年7月
時間:165分




ダークナイト』の4年後に公開された3部作の完結編。舞台は『ダークナイト』の8年後となっている。今見返すと,前2作とのキャラクターの心理やストーリーの関係性に,最初から3作構成であったような繋がりと抑揚があって,ノーラン監督の才能を再評価せずにはいられない。

人々の尊敬を集めた地方検事ハービー・デントの罪を一身に被り,ゴッサム・シティから姿を消したバットマン。それから8年,ゴードン市警本部長(ゲイリー・オールドマン)は真実を心におさめ,街の平和のために尽力していた。そんな束の間の平和を享受していたゴッサム・シティだったが,鋼のような肉体をまとった巨漢のテロリスト“ベイン(トム・ハーディ)”の登場で一変してしまう。街は次々と破壊され,無法地帯と化していく。人々の心が恐怖と絶望に支配される中,ついにブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)は自らの封印を解き,再びケープとマスクを身にまとうのだったが…。

バットマン ビギンズ』で植えつけられた〈トラウマ〉と『ダークナイト』で見る者に問われた〈人間の二面性〉が,この作品では,最大の力と裏切りに倒れる中で〈生きる〉ことを意識するヒーローの姿を通して昇華されてゆく。その結末の示すのが明確な解答でなく,後のストーリーを様々に夢想させるというのもまたノーラン監督らしい味わい。

出番は少ないがお馴染みのアルフレッド(マイケル・ケイン)と,今回のヒロインとなるセリーナ/キャットウーマン(アン・ハサウェイ)の2人がキーパーソンとなるシリーズの結末を,ぜひ見届けてみてほしい。

尚,この作品の北米公開日(2012年7月20日)にコロラド州オーロラで行われたプレミア上映会で,ジョーカーを名乗る犯人によるアメリカ犯罪史上最も凶悪な銃乱射事件が発生し,死傷者70人が出たことを,負の記憶として留めておきたいと思う。


映画クタ評:★★★★★


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◆シリーズ一覧◆

バットマン ビギンズ』(2005年)

ダークナイト』(2008年)