天空の蜂 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:堤幸彦
キャスト:江口洋介/本木雅弘/仲間由紀恵
配給:松竹
公開:2015年9月
時間:138分




構成の都合で今頃の紹介になってしまったけど,先月観てきた作品。『真夏の方程式』以来となる東野圭吾原作の映画化13作目,監督が『TRICK』シリーズ・『20世紀少年』3部作・『SPEC』シリーズの堤幸彦とくれば…もう「コレは観とかなきゃ!」でしょ♪

1995年8月8日。その日,完成した最新鋭超巨大ヘリ“ビッグB”の自衛隊への引き渡しの日を迎え,開発者のヘリコプター設計士・湯原(江口洋介)は妻子とともに式典に参加していた。すると突然,ビッグBが勝手に動き出し,息子の高彦(田口翔大)を乗せたまま福井県にある原子力発電所“新陽”の真上でホバリングを始めた。ビッグBは,“天空の蜂”と名乗るテロリストによって遠隔操作でハイジャックされてしまったのだ。犯人は政府に対し“日本全土の原発破棄”を要求し,従わなければ,大量の爆発物を搭載したビッグBを原子炉に墜落させると宣言する。残された時間はヘリの燃料がなくなるまでのあと8時間。湯原は,同じ会社の同期で新陽を設計した三島(本木雅弘)と協力し,高彦の救出とビッグBの墜落阻止に全力を挙げるが…。

予告編ではSFアクションっぽく感じてて,中盤までは善くも悪くもTVドラマっぽく膨らんで…後半一気に“東野圭吾×堤幸彦”ワールドに引きずり込まれてゆく。湯原,三島それぞれの背景とその描写はもちろん,それに絡んでくる赤嶺(仲間由紀恵),中塚(國村隼),室伏(柄本明)の演技と絶妙の存在感は,この原作×監督のタッグでなければ引き出せなかったと思う。個人的にはもう少し雑賀(綾野剛)の背景に触れてほしかった気がするが,この出演陣の中にあって強烈なインパクトは示していた。

R指定ギリギリのシーンもあるので,心臓弱めの人は覚悟して。右か左かとか,白か黒かってのを映像を追いながら考えないで。2時間で描かれる様々な角度からの社会と正義と家族をえぐるアプローチに,エンドロールの1時間後,1年後に各人の解釈を重ねていくことが狙いだと判った時に初めて,恐ろしいほどに素晴らしい作品に出会えたと気づくはず。


映画クタ評:★★★★★


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