ちょっと雑なリッター瓶 | 緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~

ちょっと雑なリッター瓶

昨年はグズグズしている間に売り切れてしまい
結局飲めず仕舞いに終わってしまったシュロス・リーザー醸造所の裾モノ辛口リースリング。
これまた仕入れルートの関係で開けるのが今頃になってしまったのと
いざ現物が届いてみたらなんとリッター瓶だったというオチ付きではあるものの、今年はしっかりと確保。

このグーツヴァインには醸造所の所有する畑、リーザー村のニーダーベルク・ヘルデンとシュロスベルク、
そしてグラーハ村のヒンメルライヒからの葡萄が使用されているとのことだが
残念ながら2013年産は雹害により収穫量がかなり低くなってしまったのだという。
こんな生産量の少ない年にリッター瓶なんて造ってて良いのか?一応買い付け葡萄は使われてないようだが。

ちなみにこのボトルと一緒の便でやって来たニーダーベルク・ヘルデンのグローセス・ゲヴェクス(GG)を
到着13日目に、先だってのワイン会に持って行って開けたのだが、これが思いの外良い出来だった。
収穫量が減ったぶん、エキスが凝縮されて充実したヴィンテージになったという事だろうか。
開ける順序が逆になってしまったが、期待感とともにスクリューキャップを捻ったのであった。


緑がかった明るいレモンイエロー。注ぐとグラス壁に細かい気泡がビッシリと付着。
香りは青リンゴや洋梨、僅かに柑橘、それから砂っぽいようなカーボンっぽいようなニュアンスがある。
ややケミカルな感じ?

口当たりは細身の果実味。酸はそれなりの量感だが、ややシャープさと言うかキレに欠ける。
ミネラル味はサクサクと重心軽めだが、ちょっと肌理が粗く、広がりにも奥行きにも欠ける。
口の中のあちこちにカテキンっぽいザラつき感が残るし、ちょっと雑な造りやなぁ...。仄かな酸の余韻。

名のある造り手は最近、裾モノでもそれなりに完成度の高いモノを出して来るものだが
これにはひと昔前によくあったモーゼルのシャバい安ワインの趣がなんとなく感じられて、妙な郷愁を覚える。
少々早摘みの葡萄が多かったか、或いはセレクションを厳しくしたそうなのでその摘果がこっちに回って来たか。
ショボかった2007年産をふと思い出してしまった。

翌日は果実味が肉付きを増して若干バランスは好転。但し果実味と酸はやや乖離して纏まり感に欠ける。
ミネラル味も重心が下がって飲み口はやや重く変化。それにしても変に期待すると必ず裏切られるなぁ。84/100
(過去のヴィンテージ→2011年産2010年産2009年産2007年産

2013 Riesling Qualitaetswein trocken
Weingut Schloss Lieser-Thomas Haag (Lieser/Mosel)

A P Nr 2 589 314 1 14,Alc 11.5%vol,9.00€,1000ml