2009年らしからぬ見事な酸
めっきり日が短くなったせいか、最近やけに1日が早く終わってしまう。特に休日たるやその最たるもので
昼食を済ませてからちょっと油断してのんびり寛いでいると、早くも日が傾きかけているのに気付いて驚く。
慌てて身支度を整えてから飛び出し、夕暮れに急かされるようにいつものコースを散歩に出掛けるのである。
途中に最寄りの神社にお参りするのを常としているが、昨日は七五三で賑わっていた境内にも既に人影は無く
道端の木々も所々朱に染まり始め、吹く風もどことなくひんやりとしているから妙にうら寂しい。んー、秋だなぁ。
程好く汗ばんで来た頃に、ちょうど薄暗くなって帰宅。もうあとは飲むだけである。こんな中年に誰がした?
さて今夜は軽い辛口が欲しくなったので、中部モーゼルのシュロス・リーザー醸造所 の2009年産QbA辛口を。
最近開けるリーザーはどうもパッとしない事が多いので(2008年シュペートレーゼ 、2007年シュペートレーゼ 、
2007年QbA )、これまた期待せずに開けてみた。
スクリューキャップ。淡黄緑色。まだ酵母の香りが支配的で、若干鉱物的、少しミルキーで果実香には乏しい。
存在感のある酸はなかなか攻撃的で伸びも良い。果実味もそれには負けていないが、若干酸の方が優勢か。
カチッとしたミネラル感もなかなか良い。大雑把ながらメリハリの効いた味わいで、果実の乗りも肉付きも良いので
バランスは悪くない。それにしても比較的酸が穏やかなモノが多い2009年産の中にあって、このジャジャ馬的な
酸の元気さは見上げたものである。
翌日。グラスに細かい気泡が付着、初日はそうでもなかったが。香りはやっぱりどことなくミルキーで酵母臭い。
相変わらず爆発的な酸のパワーと、焦げた感じのミネラル感。初日よりもモーゼル・リースリングらしさ全開。
それなりにアラは見えるが、酸っぱくて鉱物的なシーファー土壌の典型のようなリースリングである。85/100
あまり期待しない方が美味いのに当たることが多い。図らずも今回またそれを裏付ける事となってしまった。
ただもうひとつ気付いた事がある。あまり酸が強いと杯が進まないのだということ。胃が疲れるって感じ?
2009 Riesling Qualitaetswein trocken
Weingut Schloss Lieser-Thomas Haag (Lieser/Mosel)
A P Nr 2 589 314 1 10,Alc 11.5%vol,7.20€