さてと、今度はグーテンベルク博物館 からもほど近い
マインツ大聖堂を探訪してみることにしたのでありまして。
こちらもまたヴォルムスの大聖堂
同様にラインラント・ロマネスク様式で
例によって塔がぼこぼこ立っておりますね。
建物としての価値はヴォルムスやその少し南に位置するシュパイアーの大聖堂に
いささか遅れをとるようでありますけれど、なかなかどうして立派なもの。
それに、マインツには大司教座が置かれ、マインツ大司教ともなりますと
神聖ローマ皇帝の選挙に際しての選帝侯のひとりであったわけですから、
大層な権力者であったわけですね(もっぱら世俗的権力と思うと、いいのかどうか…)。
とまれ、この古代ローマ以来、ゲルマニアと呼ばれた辺境の地で
キリスト教の布教に力を尽くしたのが聖ボニファティウスという人でして、
745年にはマインツの司教となっていわゆるドイツ領域内の信仰を束ねたという。
まあ、そういう人ですから、マインツ大聖堂の前に像があっても不思議はないですね。
というところで、中に入ってみることにいたします。
先にも触れましたように一度は戦災で瓦礫と化したところを再建したわけですが、
内部の造作、装飾、彫刻などなどもよくまあ残されたものがありましたですねえ。
そこここの祭壇も見事なものであるなぁと。
そして、こちらはあのアルブレヒト・フォン・ブランデンブルクの紋章。
マルクト広場 にある「マルクト・ブルンネン」を建てさせた人でありますね。
1534年のものと言いますから、かなりの年代物です。
と、今度は中庭側に抜けて回廊を巡っていきます。
先には博物館があるというものですから。
なるほど確かに博物館(Dommuseum)はあったんですが、
ことのほか小さなものでありましたですよ。
階段で地下に下るといかにも地下倉庫然としたところに出まして、そこが唯一の展示室です。
(マインツカード 持ってますので、入場無料ですからいいですが…)
ここで一番印象的だったのは、中央にある聖母像でしょうか。
妙にイキイキと現代風(?)の表情をしていたものですから。
幼児イエスのヘアスタイルが「螺髪?」と突っ込みそうにもなったり…。
そんなふうに茶化してたりすると罰が当たりそうですね。
なにしろ1250年頃の作と、760年余りもマインツを見守っておられるようですので。
もっとも大聖堂自体の礎は975年に始まるとされていますから、
そのくらいのものがあっても不思議ではないのでしょうけれど。
そんな長い長い歴史を刻んでいるマインツ大聖堂、
今のマインツから考えると「歴史は遠い歴史になった…」てな感じでもありましょうか。


