事前に調べていたので、この重々しい扉には驚きませんでしたが、
扉の前に立つと、それなりに威容を感じます。
歴史ですかね。
扉を開けて目の前にすぐ厨房。
オープンキッチンスタイル。
その脇に小さなカウンター席。
座席数は、4席。
後付けな印象のあるカウンターに
座れる優越感はあまり感じられず、
どちらかというと、末席なイメージ。
ただし、揚げ台がカウンターのほうを向いているようで、
カツレツのコロモが油の中で静かにリズミカルに弾ける音や、
職人さんの所作が楽しめるということにおいては、
特等席なのかもしれません。
厨房内は必要最低限の声掛けしかしないので、
そこに、視覚と聴覚を集中してしまうと、
こちらもつい「静かにせねば」という緊張を強いられます。
背筋をピンッと伸ばして待つイメージ。
メニューは、そもそもカツレツ以外のものを
食べようと思っていたので、
ポークソテーをチョイス。
流石に3,675円は高い。
ご飯と赤出汁は別途料金だというから、更に驚き。
10分くらい待ったでしょうか。
職人さんの手元は見えないのでわかりませんが
色、温度、匂いでタイミングを逃さないという
強い意志を感じる真剣な眼差しから、丁寧な仕事ぶりがうかがえます。
運ばれてきて、まずは驚くのが量。そして見た目。
見た目、さつまあげやハムのように、表面と断面の質感が全く異なります。
表面は適度に堅く火が通され、中はひき肉を固めたかのような柔らかさ。
しかも筋を感じる柔らかさではなく、団子のような柔らかさ。
本当に豚肉?って思うほど。
味はほんのりバターを感じながらも、醤油ベースの和風だれ。
この相性も面白い。
終始不思議な食感を楽しんじゃいました。
お店を出る時、私の後ろには4組ほどのお客さんの待ち。
人気なんですね~。
ぽん多 (洋食 / 上野広小路、御徒町、上野御徒町)
★★★★☆ 4.0