349.タイの宮殿のゲストルーム~そうだけど…シンくんが脱がしちゃ…ダメ… | かおり流 もうひとつの「宮」

かおり流 もうひとつの「宮」

「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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結婚式に参列し 各国の皇太子や首相たちが招かれた披露宴で 化粧室に行くと席を立った チェギョンが なかなか戻ってこない

要人一人につき警護するSPが数名付いては会場がごった返してしまうし そもそも会場が警備の行き届いた宮殿であるため 誰のSPであろうと一様に一組につき一名以下が 入り口で待機だ

 

チェギョンがゴンドラから落ちた時 皇太子妃の身を守れなかったことを理由に辞職を願い出たヤンイギサを チェギョンは絶対に辞めさせないでくれと言った

「守れなかったから責任を取って辞めるなんて言わずに 次は守ると約束して?」

そのチェギョンの言葉通り 粉を掛けられた時も彼女が身を挺して庇い チェギョンにはほとんど粉が付くことは無かった

そんな責任感の強いヤンイギサを 彼女は特に慕っている

フランスにも同行し 今回も同行していた

 

「ごめんね…遅くなっちゃった」

戻ってきたチェギョンの額に汗が滲んでいる

「ん?化粧室に行ったのに 化粧直ししてこなかったのか?」

「したんだけど また汗かいちゃった はは」

作り笑いが見て取れる

「何があった?」

「え?やだな 別に何も無いよ~」

「誤魔化すな」

「ごめんなさい…

あたしが段差に気付かずに転びそうになったのを ヤンイギサお姉さんが助けてくれたの」

会場はホテルではなく歴史ある宮殿だからだろうか…

「それで?怪我は無かったのか?」

「あたしは大丈夫…

でも 私を庇うようにして激しく転んじゃって お姉さん怪我しちゃった…」

チェギョンの黒い瞳がじわりと潤む

「病院に行ってっていうのに 平気だっていうから 押し問答になっちゃって…」

ここで泣いてはいけないと目で訴えると 小さく頷く

 

こういう事は稀にあることだ 交代が居れば病院へ行かせたいところだが…

海外への随行は最小限の人員であるため すぐに交代できる人員は居ないし

務めを果たしたいイギサの忠誠心も無視できない

腕時計を一瞥し 先を読む

「あと数十分でお開きになるだろう」

「ホント?」

少し安堵する表情 怪我が付き物のイギサをそこまで心配するなんて…チェギョンは本当に心優しい子だ それとも そんなに悪いのか?

 

 

迎賓館として使われ 今回俺達が宿泊するアナンタサマーコム宮殿のゲストルームは タイのどのホテルのスイートルームにも劣らない

部屋に戻ると 靴を脱ぎストッキングも脱ぎ捨て 裸足になってベッドやソファにダイブするのがウリ妃宮媽媽の定番だ

だが今日は そうする気にもなれないのか…

靴も脱がずに静々とソファへ腰かけ 肘掛けに凭れるように伏した

「大丈夫か?」

ネクタイをほどきながら チェギョンの前にしゃがんで顔を覗く

「ん…あたしは全然大丈夫だよ?でもお姉さんどうだったかなぁ?

ホントあたしのせいで…申し訳なくて」

しょんぼりと色を無くした声を発する唇を 啄んで励ます

「チェギョン?忘れては居ないだろうが お前は皇太子妃で 彼女はお前を守るのが仕事だ」

「解ってるよ…解ってるんだけど…悔しくて…」

「じゃあ今後はもっと不注意を減らすよう気を付けるんだな」

チェギョンの踵の低い靴を脱がせてやり ストッキングを撫で上げて脱がしに掛かると

「や…ダメ」

小さく抵抗する

「いつも脱ぐだろ?」

「そうだけど…シンくんが脱がしちゃ…ダメ…////」

!?

その台詞と頬を染めて首を横に振るその表情…逆に俺を興奮させるとは 思わなかったのか?

恥ずかしがってるのかと撫で続けてみたが… だんだんと強くなる抵抗に こっちが降参した

ああもう わかったよ…ったく

ソファーの上 チェギョンを胸元に抱きしめて寝転び 煌びやかな天井に視線を泳がす

「ヤンイギサが心配だからそんな気になれないのか?」

「…う…うん…」

「じゃあ ひとまずシャワーを浴びるか?」

「ん」

 

ダイニングルームで軽い夕食と共にワインを飲んで…

寝室のベッドの上で 明日一日観光する場所をガイド本を広げて確認する

イギサの怪我は大したことなかったという先刻の報告も手伝って やっと少し元気になったか?

「チェギョン?いつまで起きてるんだ?ガイド本なんか熱心に見なくても 明日実物が見られる

案内人もちゃんと付いて居るんだ 心配ないだろ?」

両肘をついて本を開いてぶつぶつ言ってるチェギョンの首筋に 触れそうで触れないように唇を這わす

「んん…くすぐったいよぉ~」

「くすぐったいだけなのか?」

「ちがうけど… あの…今日は…ダメなの…」

「ん?月の物か?」

コクコクと頷くが… そうか?早くないか?先月は確か…

パタンと本を閉じ クルリと仰向けになったチェギョンが おやすみっ!と言ってシーツを被った

あ!この態度…やっぱり嘘なんだな?

なんだよ?

どうしたんだ?シン・チェギョ~ン?

 

 

翌朝 ダイニングルームでタイ式の朝食メニューにがっつくチェギョンを 呆気にとられて眺めていた

「シンくん ソレ食べないの?美味しかったよ?」

何かの肉にフルーツソースが掛かっているようで…口に合いそうにない

顔をしかめる俺の様子を目視すると チェギョンも別の意味で顔をしかめる

「え~いまた食わず嫌いなの?食べないんだったら貰っちゃうよ?」

そう言い終わる頃には口の中に入っているんだから 笑うしかないダロ

ったく お前の食欲ときたら 落ち込んでたって変わらないんだな

まあ…あの頃のお前からは考えられないが…コレこそが俺の惚れたシン・チェギョンだ

(161.プリンススマイル~これはもう病気だな 彼女の言う王子病のうちのひとつだろう…

180.追二兎不得一兎~ユルが掌を返し… チェギョンも また…俺を置いて行くのか?

シンくんのいうあの頃とは…このあたりでしょうか)

「も~う 笑って眺めてないで 早く!シンくんも沢山食べてよ!

あちこち行くんだから!途中でおなか減っちゃうよ?」

「お前こそ どうせ途中でアレコレ買い食いするんだろ?少しは腹を開けとけよ」

「へへ~ん そういうのはベツバラに入るように出来てんの!」

ったく 牛か!

結局大量のフルーツまでほとんど平らげてしまった

 

「あ~ヤバイ~ お腹がぽっこり出ちゃってるぅ~」

「ああ… 言い忘れてたが 例のミスティーンタイランドと今から対談するぞ」

「はい?」

「観光の前にあの三流紙を含む新聞や雑誌数社を呼んでる でっち上げたことを 白状させてやるつもりだ」

「いや!そんなのいいから!

絶対ヤダ~!なんで早く言ってくれないのよぉ!

昨日といい今日といい こんなに食べちゃって どうすんのよぉ!

完全あたし ミスなんとかのお姉さんの引き立て役じゃんか!」

「同い年だぞ?」

「そんなぁ~ますますヤバイよ~トホホ どおすんのこの幼児体型」

手足は細いものの お腹がぽっこりしてるのは否めないな…くくくっ

首をひねりながらぽっこりお腹をさするチェギョンを見てると… ギョンが女を妊娠させたかもと大騒ぎして 結局ギョンの子じゃなくて ホッとするべきところなのに なぜだか少しがっかりもしたっていう面白ろエピソードを思い出す

「“Love” make a detour」

「ご懐妊ですかって尋ねられるかもな?」

ぎゅっと唇を結ぶチェギョン くっくっくっ 

「ぐ…笑い事じゃないってば~!シンくんの意地悪っ!」

そうだ月の物のはずがないじゃないか 少し前に…違って残念に思ったばかりだ

そうか だから思い出したように排卵日にこだわってるんだな?

「もう気にするなよ」

「気にしてないも~んっ」

 

ミスティーンタイランドの女は… 俺はそんなつもりじゃなかったんだが…俺からあの時惚気られたなんて言って… うまいもんだった

「皇太子殿下にお聞きした以上に魅力的な奥様にお会いできて 本当に光栄です

あの日の事忘れもしません

皇太子殿下はご一緒させて頂いたほんの一時間かその間 ずっと奥様の話をされていらっしゃいました

韓国に置いて来なければならない事情が有った事 ご自身が傍に居なくて別の場にお勤めされる事… きっとやり遂げるとは思うが… と随分ご心配なされていらっしゃいました」

番外編37.タイ御訪問時の記憶~この際 大罪でも良いのではないでしょうか…妃宮様

彼女は 首尾よくチェギョンを褒めて上げ…そんな余計な事まで言った

あの時はキム・ミニョンのせいで 緊迫してたんだ…

 

例の三流紙の記者も 謝罪記事を書かずに済むようにとばかり

「こんなに魅力的なお妃さまがいつもお傍にいらっしゃれば 非常に残念ではありますが 我が国随一の美女も霞んでしまいますね」

なんてぬけぬけと言った

 

ふん ザマーミロ

 

「みんなおべんちゃらが上手だよね~

シンくんのとなりにあんなに綺麗に映ってた美女は やっぱ美女だったわ~

あたしなんて完全お子ちゃまだったね」

「何を言う お前にはお前の良さが有るんだから 比べること自体がおかしいだろ」

「あ~はいはい 大丈夫!個性的でしょ?って開き直ってればいいんだよね~」

「ば~か お前が一番綺麗な瞬間は 俺だけが知ってればいいんだ」

俺は 朝陽の射すベッドで感嘆し震えるチェギョンを思い描く

「あれは 誰にも見せられはしない」

耳に唇を触れさせて 甘く囁く

「なっ!…////」

ほらな このくらいで とたんに赤くなるところがいい

ホントお前の夫って立場は癖になる

이런 건イロンゴン/こういうの… 到底やめられそうにないよ くくくっ

 

 

今日もありがとうございますカムサハムニダ

 
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