306.言えなかった事~말해봐 천천히 다 말해봐 | かおり流 もうひとつの「宮」

かおり流 もうひとつの「宮」

「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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前のお話→305.思いがけない話~あの女がいったい何を言ってお前を傷付けたんだ?
ワッタガッタハゴミアネヨ
303.もっぱらの噂~妃宮様に可愛く夜伽をおねだりされたら…に続くチェギョシン目線です

 


婚前交渉に色仕掛け…か
着飾ってもちっとも皇太子妃に相応しくないと聞こえよがしに言う外命婦のご婦人達を ちっとも気にせずあたしと仲良くしてくれるキム・ミニョンさんも…
実はそんな中傷的な噂を 真に受けてたのね

「ごめんなさい 本当に申し訳なく思っているわ…
誤解しないで?酔っ払いの戯言よ」
「だ 大丈夫よ…」
「うそ大丈夫じゃないんでしょう?オンニ本当になんと言ったらいいか…
少し…このままこの電話をお借りして 説明させて貰えるかしら?」
「説明…?」
「実はね…ミニョンの初恋は…貴女の旦那様イ・シン皇太子殿下なの…
王立学校初等科の頃からよ…
だから ソ・ジュヨンなんかよりもずっと長く 彼を思ってたの
でもね…
あの子の両親は実の親じゃなくて 彼女にとっては叔父で 私の伯父夫婦に当たるの
無欲な伯父は 彼女を皇太子妃候補に挙げなかった
伯母と私の口添えの末にやっと身上書を挙げて貰えたんだけど…
身上書を挙げた二日後には 選考外の通知が来たの
理由の説明は無かったわ
でもおそらく 実の両親が離縁していて 父親が病死しているからかと…
話せば長くなるけれど… でもそれ以上は話す必要も無いと思うわ
だってそうでしょう?皇太子殿下は貴女を選んだのよ
もう皇太子妃は貴女なんですもの しっかりするのシン・チェギョン
誰にも何も言わせないりっぱな皇太子妃になればいいんじゃなくって?
そうでなくても 貴女愛されてるじゃない みんな羨ましいのよ
言いたい奴には言わせておけばいいの
私の従姉なのだから…言わせてあげてって言うべきかもしれないわね…ふふ
でもね 私だって 色々言われてるんですのよ?
私なんて羨まれるの 快感よ!」

ミニョンさんの事情を聞いていたら涙が滲んで来た
申し訳ない気もする
それでも ミルの言う通り 経緯(イキサツ)がどうあれ皇太子妃はもうあたしなんだもん
そうだね
婚前交渉してまでヒョリンさんから奪ったなんて言われてたって 全然平気よ!
申し訳ないけど…
山程居るシンくんに好意を寄せてきた子達よりも 今問題なのは…赤ちゃんの事…

ミルさんもプレッシャー感じてるんだね…
実はあたしも… 周囲からの期待を 目一杯感じてた
生理が来なくて 妊娠したかと思ったとき…シンくんには言えなくて
チェ尚宮お姉さんと…婦人科を受診したの
でも…妊娠では無くて…………

恥ずかしくて誰にも言えない事なのに…”彼女”に知られてしまって すごく屈辱的だった

でもとにかく詳しい検査を受けたけど 異常はないらしいし…
生理も戻って…まずはタイミング指導を…って…それって既に呑気なのかしら?
ユル先輩の方が年上なんだし 先を越されたって…
でも 皇后さまと恵政殿皇太后さまの上下関係が シンくんとユルくんの上下関係とあべこべなのに 孫の上下まで逆になるのは…どうなの?
あああ~~~~解んない!
どうしよう シンくんと相談しようにも…シンくんはまだ赤ちゃんなんて…考えてないみたいだし…
いやいや それがいけないんじゃ?考えようって言うベキ?
いや…それはやっぱ無理ぃ~~~
あたしなんかが皇太子の御子を産みたがって良いもんなのか…???
いや良いんだってば皇太子妃なんだから…言いたい奴には言わせておけってミルも言ったじゃない
でもでも…もうすぐ皇后さまの第三子も生まれる…
あたしのところに時々来る医女の話ではおそらく皇子だと言ってた…これは由々しき問題
それで…チェ尚宮お姉さんに前から気になってた皇位継承権や派閥の事 もっと詳しく聞かせて貰ったの…考えたくなくなる程難しいハナシ
あたしを悩ませるそんなこんなを まさか”彼女”に相談することになるなんて思っても見なかったけど…カウンセリングを繰り返すうちに考えはだいぶ変わった

でも確かに ミニョンさんに言われるまでも無く 今夜中に仲直りしなきゃいけない気がする
色仕掛けか…言葉は悪いけど…それもアリなのかな
事情があるとはいえ この頃シンくんが不審に思うほど…気持ちイイコトを 避けてるもんな…

あたしから一緒にお風呂にと誘うのなんて初めてで すっごく恥ずかしかったんだけど
シンくんが驚いてそわそわしてるのが なんだか可愛くて…嬉しかった////
でも 
「お前は俺に話すことがある だろう?」
シンくんの真剣な瞳に あたしの泣きそうな情けない顔を見つけてしまった
でも…
赤ちゃんが欲しいと思ってたけど ファンくんとシネの赤ちゃんを抱かせて貰って…少し怖気付いちゃったことだけは打ち明けた
それが全てではない…言えなかった事のほうがずっと大きい

シンくんはただ…泣くほどの事じゃないだろって…それだけ…
やっぱり 赤ちゃん要らないのかなぁ…


7月17日シンくんに 弟が生まれた
「いや~ ファンのとこの女の子も可愛かったけど 皇子の弟はやっぱ特別可愛いいね~~~❤」
「そんなこと言ったらファンに怒られるんじゃない?」
シネは…双子の妹を亡くして王族の地位を継承する一人娘だから王立病院で出産したけれど 王立病院の産婦人科新生児室は誰でも入れるわけじゃない
勿論あたしとシンくんが一緒だからみんな入れるんだけど 今日の警備は通常の何倍だろう?
スン姉妹とガンヒョン ギョンくんとインくんも お祝いを持って赤ちゃんに会いに来てくれた
産まれて間もない義弟を抱かせて貰ったあたしは その時 その場に居た他の誰とも違う事を考えて居たと思う

どんな言葉も出て来なかった
小さいのに シンくんに似ている 凛々しい顔立ち…
こんな神々しい赤ちゃんを見たのは初めてだった
名前はイ・ソン 現時点ではシンくんユル先輩に次いで皇位継承権第三位の皇子となった
これでもう 考えたくないなんて言ってられなくなった …色々と考えなきゃ


先日の外命婦の詩詠みの会でも あるご婦人が言ってるのを耳にした
皇太子妃候補から退いて置きながら自分の子をその息子に嫁がせて 孫を未来の皇帝になんて大胆な…とかって… そんなのオンマの本意じゃない
勿論あたしだって そんな大それた野心を抱いたつもりなんて無い
だけど合房が済んだ事も知れ渡り 端から見れば 事実あたしは自分の子を帝位に就かせようとしてるに外ならず…どう思われても仕方がない
もう…畏れ慄いている場合では無い
だって あたしが産むのは…イ・シン皇太子殿下の子
男の子だったら そう 将来的にこの国の皇帝になる可能性は極めて高い
ソンが…8歳になるまでに あたしが男の子を産むと…皇位継承第三位はソンからその子へ移るらしい
シンくんが皇帝に成ればあたしは皇后 その子はユル先輩に次ぐ皇位継承権第二位の皇孫
8歳までには皇位継承権第一位の皇太子に即位する
それが解ってて…ホントにあたし それでもシンくんの子が欲しいの?
王族の中でも名家の出身でいらっしゃる皇后さまの第三子イ・ソンを差し置いて あたしの産む子が上位に就くなんて…そんなこと…許されていいの?
8歳になるのを待つべきなんじゃ…
でも女の子だったら許される?
いやいや 産み分けなんて試験管ベビーじゃなきゃ出来ないって…それは流石に嫌…
これは あたしひとりではもう 答えは出せっこなかった


赤ちゃんって避妊しなかったら簡単に出来るものなのかと思ってたのに…違って
本当に欲しいのなら 妊娠が期待できない日は避けるべきだとまで言われている
あたしは…本当に欲しいのだろうか…最近は それさえもう良く解らなくなってる
シンくんに迫られると…
何も考えずに応じてしまいたくなる気持ちと 拒まなきゃって気持ちのどっちが勝つか…
強い視線と 熱い掌に撫でられ…今日はもう 負けてしまいそうな気がしてた
なのに…
「懐妊が期待されている事をプレッシャーに感じているんだろう?
心配するな いつも言ってるじゃないか 俺は今じゃ無くてもいい でも…」
またそれを言う…
何度も聞いたこの言葉も…今聞くと もう堪えきれずに込み上げてくる涙を…
彼に見付けられてしまった
困ったような 戸惑いの色をした瞳
「チェギョン 俺とちゃんと話そう まだ何かを隠しているだろう?」
零れそうな涙をなんとか下瞼に留めてシンくんを見上げると 殆ど睨みつけるような目つきになっちゃう
「解んないの!…もう 全然解んないの!」
ああ…涙 零れちゃった
頬を伝う涙を親指で拭ってくれたシンくんが 困惑を制圧して優しく言った
「말해봐 천천히 다 말해봐
/マレバ チョンチョニ ターマレバ/言ってみ?ゆっくり全部話してみろ」
あたしはその声に絆されてコクッと頷いた

「チェ尚宮お姉さんから聞いたんでしょう?あたしが王立病院の婦人科を受診したこと…」
今度はシンくんが頷く
「実はシンくんの誕生日の頃…
生理が来なくて 微熱が続いたの 食欲も無くて 食べた物も吐いちゃって…それで婦人科に」
そこで彼は目を見開く
「出来たのか?」
「違ったの…想像妊娠だって…恥ずかしくて言えなかったの…ごめんなさい」
胸がチクリとした
シンくんがホッとするのがハッキリ解った… 悔しい!
「でもホッとしたの…シンくんは…赤ちゃん欲しくないみたいだから…
だからお姉さんにも 黙っててって言ったの」
何か…言いかけたシンくんが 言葉を飲み込んで 視線で続きを促す
「こんなこと望んで良いのか…解らない
でもやっぱりあたし…」
言うわ もう迷わない 今日こそ全部!
あんなに迷ってたのに…するすると言葉が零れて来る
沢山の中傷がこの胸の奥に澱(オリ)のように貯まっている
ごめんね あたし…もうシンくんの望む可愛い妃宮ではいられないの

 

 

 

 

 

 

今日もありがとうございましたカムサハムニダ
 
 
 

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