189.Blog~気がついたら ノートパソコンの上に 涙が一粒零れ落ちた | かおり流 もうひとつの「宮」

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このお話は184.静かな秋の土曜の午後~ふん…やっぱりお前馬鹿だなに続くシン目線のお話です


ほどなく ユルがブログを開設した

夕食後 部屋で本を読んでいた俺に ユルからメールが届いた

お待たせ 絵が完成して ブログにUPしたよ(^o^)/~~~
きっと気に入って貰える自信あるんだ♪

しつこくせがまれて許したけど… 絵文字まで使って…えらくご機嫌だな
いったいどんな絵を描いたんだ?
なにか企んでいるようだったから気になっていた俺は すぐにノートパソコンを開いた


ユルの描いた絵は 俺にとって衝撃だった
文字を読んでいるうちに…頭がぼうっとしてきて…
気がついたら ノートパソコンの上に 涙が一粒零れ落ちた
どういう意味の涙なのか…零した俺自身よく解らなかった
くにゃん…(ただ…)
ユルの 嘘偽りの無い素直な気持ちが 真っ直ぐに俺の心の真ん中に すっと降りて来た
そうだ
俺はいったいユルの何を見ていたんだろう…
ユルを解っていたつもりでいたけれど…
ユルは俺の思っている何倍も 大きくて深い人だった

是を読んでも
俺とユルをよく知りもしない者達がまだ何か言ったとしても
俺はもう ユルを信じようと決めた いや 疑いようが無かった 
いつの間にか 面と向かって語り合えない程拗れてしまった俺達だけど 互いに否なんか無く… 全ては他者によって意図的に 乱されたり 仕組まれた誤解や衝突でしかない


ユルがブログにUPしたのは 未発表の絵で
白い大きな翼の前に 俺とチェギョン 二人の笑顔が並んでいた

記事のタイトルは 『イ・ユルです ブログを始めました』

僕は芸術高校時代に引き続き 王立大学で美術を学んでいます
いろんな絵を描きますが 僕は人物を描くのが一番好きです

この絵のタイトルは『僕の天使たち』
みなさんご存じの通り 僕の従弟イ・シンとその妻シン・チェギョンです

僕らは噂に惑わされ互いを信じられなくなりたく有りません
だから皆さんに真実をお話します

幼い頃 僕は確かに皇太孫でしたが 今は彼が皇太子です
みなさんの言う通り
従弟に位(イ)を奪われたという気持ちが ただの一度も湧かなかったと言えば嘘になります
だけど彼は知れば知るほど 皇太子位がこれほど良く似合う人は居ない
그런사나이(クロンサナイ/そんな男の中の男)です
そして僕にとって この二人は
幼いあの頃の仲良しの天使のまま… とても特別な二人なのです

二人は幼い頃からとても仲良しでした それは僕が一番知っています
僕が従弟の奥さんに横恋慕してるなんて馬鹿げた噂は 噂でしかなく真実ではありません
僕には他に好きな人が居ます

二人を許嫁としたのは 彼女のお祖父さんと 僕とシンの祖父である先々帝ですが
二人が幼いながらに まるで恋人みたいだったことも ちゃんと知っていましたから
おそらく 許嫁は初めから僕ではなくシンだったはず
それは 調べればすぐに証明できる事です
でも それをする必要がありますか?
シンとチェギョンは 既にみなさんに祝福されて結婚した夫婦で
韓国の未来を創っていく とても尊い二人です
その二人が みなさんの心無い言葉に傷つき 胸を痛めています
僕は
未来の皇帝と皇后の支えになることが自分にできるならこんなに光栄なことは他に無い
そう信じています
みなさん 僕と一緒に 僕の大切な天使たちを 支えて行ってはくださいませんか?


「トント~ン…殿下… お邪魔しても いいですか?」
チェギョンが遠慮がちに硝子戸を開けて顔を覗かせる
「ん?ああ…」
俺は急いで涙を拭い ノートパソコンを閉じようとしたが…
「あ…殿下も…見た?」
近づいて来たチェギョンがノートパソコンを覗き込む その手には開いたままの携帯電話…
「ん?ああ…」
「ユル先輩のブログ… メールを貰って…見たんだけど…
すごく素敵な絵と 心の籠った言葉に うるっときちゃった…」
彼女は メールに添付されたURLからそのまま見たんだろう… そしてそのまま此処に…
「ああ…」
俺はなんて答えていいか解らずに ただ相槌をうつと チェギョンが不意にくすっと笑った
「殿下 さっきから ああ… しか言ってないよ?」
「ああ…」
「ほら!また!」
また指をさす!
「笑うなよ」
俺がチェギョンの指を握ると チェギョンは益々笑った
ふたりでひとしきり声を殺して笑い合った後…チェギョンがポツリと言った
「なんか…読んでたら あたしが ユル先輩から聞いた事… 殿下に話したくなって…」
うん?俺は顔を覗き込む仕草だけで応える
「ユル先輩 殿下の事 あたしが弟を想うのなんかよりずっと 大切に想ってる
いつもあたしに 殿下の事 沢山話して聞かせてくれるの
殿下はそつなくこなしてるけど 皇太子ってすごく大変なんだ だから チェギョンが支えてあげてねって…」
いったいいつそんな話を…
「なんだよ…そんなこと…別に…」
俺が皇太子の仮面を被る様にチェギョンまで妃の仮面を被る事なんかないのに!
「勿論! あたしに出来る事なんか何にもないよ ナイナイ!
だけど 殿下を笑わせる事が出来たらいいなって…思ってる」
そっか…ユルは 東宮殿(ココ)で俺を癒してやれと…言ってくれたんだな…
「ふっ ああ… それで充分だ」
「じゃ おやすみなさい」
「ああ… おやすみ」


勿論 馬鹿みたいにまだ これはユル本人が書いたものでは無いだとか
本心ではなく取り繕っているだとか くだらない事を言う輩も居た
それでも 世論が少しずつユルと俺 俺とチェギョンに温かい目を向け始めた
この日を境に
ユル派だった人々も ユルの目を通して俺の事を見るように変わってきたのは確かだった


コン内官の報告によれば 同じ王立大学のソ・ジュヨン ソ・ジテ その弟ジヌとは相変わらず交流していたし キム・ミルとの交流も以前より増えていた
心配は尽きないが…
あれは 俺に対する気持ち 自分の今後の方向性を 母親である皇太后や 俺 皇族王族を含む内と 外(世間)に明かし 悪意ある他者を寄せ付けない策であった事は 明確だ
そんなユルの想いを この俺自身が信じる事が出来ただけで 今は充分だった



韓国感謝いつも ありがとうございますありがとう日本

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