143.国婚式Ⅱ ~あんなヤツのいったいどこがそんなに好きなんだろうか… | かおり流 もうひとつの「宮」

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「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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前のお話→142.国婚式Ⅰ ~と…チョルスが言いました…と…さ…
このお話は140.十八歳の誕生日Ⅰ ~イゲ…ムォ? シムニカ…?に続くチェギョ目線ですl


いよいよこの日が来た
本来なら韓国の古風な結婚式と言えばウチから嫁ぐんだけど なんせ国婚式…
冊嬪に受冊嬪 親迎の礼と儀式盛りだくさんでTV中継もいっぱいくるからね 雲峴宮(ウニョングン)を実家に見立てて…っていうかふた月ほど雲峴宮(ウニョングン)に入宮して 一人で住まなきゃいけなかったんだって いくら女官のお姉さん達が一緒でも気が狂いそうだわ…良かった

あたしは 入宮した夜に 引き出しの奥に仕舞い込んで 見ないようにしてきたアルフを取り出し ぎゅっと抱いた チャリンと揺れる鍵…ウチの鍵…
この鍵を使って家に帰りたい そう思うことの無いように仕舞ったのに 泣かない決意はいつもグラグラ揺れて いっぱい泣いてしまった
東宮殿にはすっかり慣れたことは確かだけど 家に帰らない事には慣れることなんかできない物なんだなぁ… 仕方ないか 十八歳になったからって急に大人には成れないよね


入宮した日の午後 あたしのお部屋のリビングでお茶したとき…
協力してよねって言ったあたしに 
「協力?俺がか?…ふん…俺は誰かの世話をやくとか 相手の身になって考えるとか…そういう方面にうといんだ… 完璧な俺にも欠点くらい有る
頼られても期待には応えられない…
でもまあ…お前が俺の船に新たに乗り込んだからには 共倒れで沈没でもしてはお話にならないしな…」
なんて御託を並べて…ちっ 王子病め… 結局はあたしと結婚するからって 夫らしくする気なんてないんだわ
でもまあ
「ふん…そうツンケンするな 仲良く行こうじゃないか」
って差し出された手をとって握手を交わした
ちっちゃいことゴチャゴチャ言わずに最初からそうすりゃぁいいのよ…
ちっ ホンット憎らしい!あのままその手に噛みついてやりゃあ良かった


そんなことを考えているうちに 目の前に 九章服(クジャンボク/王世子の大礼服)を身に纏い 頭には玉すだれみたいなのがぶらさっがった帽子なんだっけ…ああそうそう“ミョルリュグァン”を被った イ・シン皇太子殿下が…
おもおも ぼんやりしちゃイケナイ!
あたしは今朝 ココ雲峴宮(ウニョングン)で 正式に皇太子妃に冊嬪され それを受けた
一方景福宮(キョンボックン)では皇帝陛下が皇太子に酒と訓示を与え… 皇太子殿下が 皇太子妃となったあたしを迎えに… 来た それが親迎の礼
今はその 親迎の礼の真っ最中だった
今日は TVクルーも沢山来てて 雲峴宮を実家に見立ててここから景福宮へ嫁ぐことになる
西の階段を登ってくださいだとか もう少し右へだとか 読み上げる戒めの言葉もたどたどしいアッパの様子に くすっと笑っちゃったのは ほんの束の間…
オンマとアッパがうるうるするから…また泣けてきちゃった…
親孝行もできずに 近くて遠いあの場所へ嫁ぐ事を…許してね…

別々の馬車に乗って 景福宮までしばしの別れ といっても前を行く馬車に乗るその背中がずっと見えると言うのに それすらもあたしは不安なのに…
彼は澄ました顔して 目が合うとまたニヤリと笑う…
「早くしろ後が押すだろう?」
もう…ホンット意地悪なんだから…
彼にはこんなに厳かな国婚式も 他の公務と変わらない やり過ごすべき行事の一つでしかないのね…

パレードの間中 プリンススマイルを湛えて右に左に手を振り続ける彼の後ろ姿は完璧な皇太子殿下で 本当に凄い人だなって 改めて感心したと言うのに…
重い婚礼用のカチェ(カツラ)を忘れ 総理につられて下げたあたしの頭が総理を直撃したっていうのに なんで助けてくんないの!って思ったら向こう向いて失笑してるんだもん なんでよ~!助けなさいよね!!
きぃ~っ!やっぱりムカツクッ!!


お箸も握らせて貰えないなんて 食事した気に成れないわ!そう思ったのはあたしだけ?
シンくんはもう結構と断って 襖に凭れてさっさと眠っちゃった

あたしは…突っ立ったまま
彼の凭れてる襖と 隣のもう一枚の襖を眺めた
その二枚の襖の間は 大きく開かれてて… 隣に並んで座ってみても 肩どころかどこも触れ合わない距離…
さっき… 同牢の礼の準備を待ってる間に 彼があたしに言った言葉が鮮明に甦る…

「それでもお前が 皇室になじめずにメソメソするんだったら…
俺がお前に約束できることは 離婚だけだ」
息が止まりそうなほど驚いたあたしを気にも留めず 事もなげにさらりと続けた
「まあ… 俺たちはまだ子供だ 先の話さ
先帝の約束を守るために結婚に承諾したが お前がこんなにも馴染めないとはな…
俺が成人して 少しは自分の事を自分で決める自由を得られた時… お前がまだ皇室になじむこともできずそんな風にメソメソするんだったら… いつまでもなきべそかいてる妃の面倒をみるのなんかお断りだ ってことさ」
「期待するな? まだずっと先の話さ…
しかも俺は皇太子なんだ お前が離婚してくれなきゃもう死んじまうとでも言わなきゃ 実現しない
成人したら… 合房か… 離婚か… どっちになるか 見ものだな…」
ひどいよね…なんて言い草なの…シンくん…
馴染めてないのは認めるけど いつまでも馴染めなかったらいつか追い出してやるなんて…
この人は あたしの幼馴染の 意地悪するけど優しいシンくんでは無い…
同じ人だったとしても…すっかり 変わってしまったんだ…

いつのまにか眠りに落ちていた
ところが 目が覚めたら皇子の顔が目の前に!
あたしはとんでもない意味不明の寝言を言いながら シンくんの襟首を掴んで揺すってるじゃないのっ!! は!おっとっけよぉ~
「と…チョルスが言いました…と…さ…」
「狸寝入りするなっ!ふざけやがって!こら起きろ!スンデ!」
ひいぃ~っ助けて~

そんなわけで
無事国婚式を終えたわけだけど…
あ~あ~ あたしは今日好きな人と 国内一有名な夫婦になったというのに…
“幸せになろう”でも“幸せにしてやる”でも無く“いつか離婚してやるからがまんしろ”なんて言われた
そんなのはあたしくらいだよね… 正直信じられなかった
「나쁜 자식!(ナップンジャシ/酷いヤツ!)」

それなのに… 東宮殿に戻って 妃宮の部屋のベッドに入るともう…
今は愛されてないけど 嫌いな人とは結婚しないよね?
メソメソしないで頑張って 少しは皇太子妃らしくすれば もしやいつかは あたしに好意を持ってくれるかも… なんて都合のいい淡い期待が湧いてくる
ああ…こんな自分が嫌になっちゃう…
あんなヤツのいったいどこがそんなに好きなんだろうか… 我ながら情けなくなってくるね…

 

 

 

 

 

 

 

キラキラいつも ありがとうございますキラキラ
どこが好きなんだかさっぱりわからなくったって 抗えないほど心惹かれる
それが戀なんですもの…
みあねよちぇぎょな… ふぁいてぃん…

余談ですが…お話を書くときそこまでDVDを見返したりしていないのですが
国婚の儀式に関しては観なきゃね~と観返してたら
同じ船に乗った…は偶然にも チェギョンが言ってました(ノ゚ο゚)ノオドロキ
くりご… おも!同牢の礼でお酒を酌み交わすシーン
男性の飲み方は手の上に盃をのせるから見えないんだけど
チェギョンの番になって 女性の飲み方だと盃の裏が見えるの
裏に値札が!Σ(=°ω°=;ノ)ノぎゃ~~~(~∀~||;) 知ってました?
メディカルのハン先生とソ先生の飲んでたカップもだったのよ
お友達に教えて貰ったの( ´艸`)ウププ

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