120.行方不明～一体誰が…

初めての方は是非　はじめまして　から順にお読みください　リンクを貼ってます
前のお話→119.冬のリゾートホテルⅢ～そんなにスゴいの…？アレって…
このお話は　118.冬のリゾートホテルⅡ～は？俺に同意を求めるなよ！　に続くシン目線です


俺はもうひと滑り　チェギョンはもうひと転びして…
怪我でもする前にリゾート気分も午前中で切り上げ　昼食を済ませて東宮殿に帰れば　待ち兼ねた様子のコン内官に早速執務室へと急かされる
いつも饒舌なチェギョンもすっかり疲れたのか車の中でも眠っていた…
いや…あるいは寝たフリなのか…
とにかく明日からみっちり妃教育だ　昼寝でもしてろと告げ　荷物は随行したチェ尚宮に任せ　執務室へ脚を向け掛けた
そこへ　座席にカメラを忘れていたとイギサが俺に手渡した
パビリオンに女官も尚宮も居なかったので　チェギョンに机の上に置いといてくれと託したが…
アイツ俺の部屋を物色したりしないだろうな…
暗室だけが真のプライベートルームだ　見られて不味いような物は日頃からそこいらには置かないが…


夕方執務を終えて東宮殿に戻ってみれば
女官と尚宮が大騒ぎしていた
「なんの騒ぎなんだ？」
「それが…チェギョン様のお姿が見えないのです…」
何っ？！なんでっ？！どうしてだよ！！
何処を探しても見つからないと蒼い顔して右往左往すりる女官にイギサ…

俺も　一緒に歩いた庭をぐるりと一回りしたが何処にも見当たらず…携帯は部屋に置いたままだ…
俺が執務室へ向かったあと　姿が見えなくなって二時間ちょっと…
一体誰が…と沸き上がる懐疑心を抑えて
兎に角　一旦落ち着こう　ひとまずラフな服に着替えて…と自室へ入る

寝室の机の上には　チェギョンに託したカメラがちゃんと乗っていた
ベッドの奥にあるクローゼットへ脚を向けた俺は　机の上に有る筈の物が無いことに気付いて振り返る
「アルフレッドが居なくなってる…」
振り返って呟いた拍子に視界に入ったベッドにも…違和感を感じた

居た…

そこにチェギョンが居た…
なんだよ…なんで俺のベッドにお前が寝ている？
しかし
その腕にアルフレッドが抱かれているのを目にして　俺は息が止まりそうになった！
ウソダロ…アルフレッドを抱いて寝たりなんかしたら…！！
俺はアルフレッドに見せられた様々な夢を思い出し 募る焦りと恐怖に胸が震えた
眉根を寄せて唇を噛むようなチェギョンの寝顔に　耐えきれず　眠っているチェギョンを揺り起こした

「おい！お前！此処で何をしているんだ！」
うっすらと開けた瞳を数回瞬かせるが　此処が何処だか理解できない様子で　長い眠りから覚めた眠り姫のようにぼんやりとして…
それでも俺の顔を認識したのが感じられた
するといきなりその顔に…例えようもない…ふわりと柔らかな笑みを湛えた

か…可愛い…////
いや…可愛いさ…でも今はそれどころじゃない！
「此処で眠ってたのか？何故だ？何故アルフレッドを抱いて眠っていた？！夢を見なかったか？見たな？見たんだろうっ？！
それは俺じゃないからな！お前の勝手な妄想だ！」
「え…？
あの…そんな…全力で否定しなくても…夢はあたしの妄想ってことくらい…解って…」
「ナガ！ナガランマリヤ！！（出て行け！いいから出て行けといっている！！）
お前が居なくなったと大騒ぎだ！行って謝ってこい！人騒がせな！」

完全に冷静さを失っていた…
チェギョンの腕からアルフレッドを奪い取り　寝室からリビングへ追い出して…
自分自身はアルフレッドを手にしたままクローゼットへ飛び込んだ

「アイツに何を見せた？！アルフレッド？！
どうしてだよ…どうしてアルフレッドを抱いて寝たりなんかしたんだチェギョン…」
どんな夢を見たか確認したわけでは無かったが　苦しげな寝顔を確かに見た…
絶望感が完全に俺を支配していた
落ち着け落ち着くんだ…目覚めたとき…アイツは俺を見て笑った…怯えなかったじゃないか…
大丈夫…大丈夫だ…
だが一度沸き起こった動悸はなかなか鎮まらなかった
激しい吐き気をもよおし　その夜はチェギョンと食事を共にすることもできなかったほどに

翌朝チェギョンが必死に俺に謝る姿も直視できずに
「しつこい…もういいからさっさと講義を受けに行け　俺も仕事が有る」と顔を背けた

　今日もお読み頂き　ありがとうございます

ううぅ…殿下にとってアルフレッドの見せた夢は
そんなにも恐怖だったんですね…
まさかチェギョンもアレを見たのか！？と思うと　耐え難いご様子ですが…

にほんブログ村　←or↑ポチ　ちゃるぷったっかむにだ
くりご　↓ペタ　ちゃるぷったっけ

次のお話は3/10→121.謎～怒りんぼうなのは解ってるけど…尋常じゃ無かった