117.冬のリゾートホテルⅠ~シャワー使うか? | かおり流 もうひとつの「宮」

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こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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前のお話→116.アンチ皇室~確かにアイツ…俺に向かってそう言ったんだ
このお話は 114.帰宮~お帰りなさいませ チェギョン様  に次ぐ チェギョ目線ですl


芸高祭が終われば例年通り11月半ばには初雪も降ったし 冬休みもクリスマスも近付いてくる
でも今年の冬休みは今までとは違う… お妃教育の予定がみっちりあるらしい…
去年のクリスマスは…ギョンくんとファンくん ガンヒョンとダブルデートのはずが…東宮殿にお招きされて…こんな所にシンくん一人で住んでるなんて驚いたけど…大きなクリスマスツリーを囲んで歌ったりお喋りしたり…楽しく過ごしたのに…ってシンくんとは全く喋れなかったんだけど…
昨日シンくんにそれとなく去年の話をして 今年はクリスマスの予定無いの?とを訊ねたら…あっさりと
「馬鹿だな あれは姉さんが自分のいる間にユルの誕生日を祝いたいっていう大義名分が有ったからなんだぞ…
お前は…儒教の国の皇子に嫁ぐ自覚が有るのか?まったく…
お前も来年からクリスマスなんて関係無くなる 精々今年は最後に家族と祝っておくんだな…」なんて言われた
そんなの解ってるわよ…でも…シンくんだって…
初雪とかクリスマスに全く興味が無い訳じゃ無いでしょう?あたし知ってるもん… 去年初雪の降った日… 車を止めて雪を見てたじゃない それも…クリスマスツリーの点灯式の有る公園の駐車場でさ…
ヒョリンさんと デートしたかったんでしょ?
そういえば… ヒョリンさんとは連絡とって無いのかな…

冬休み前の最後の日曜日 シンくんと夕食を食べながら昨日のやりとりを思い出し そんなこと考えて膨れっ面してたあたしに急にシンくんが言った
「ギョンから誘いを受けたんだが…お前の差し金か?」
「えっ?なんの話?!」
ドキリと飛び上がりそうになるあたしを じぃっと見てるシンくんが
ふぅ~ と 深い溜め息をついた後 あたしを射竦めるような目付きで話す
「JGグループのリゾートホテルに二泊して 雪遊びに興じるらしいが…
ギョンときたら… 俺を誘ってるんだか お前を誘ってるんだか… お前を連れてこいってしつこかったぞ… 本当はお前が行きたくてごねたから ギョンから俺に声が掛かったんだろ?」
いや…確かに
今年の冬休み ガンヒョンはギョンくんちのリゾートホテルにお泊まりして スノボに発挑戦するんだって あたしも誘われたんだけど…
済州島の一件を思い出すと庶民と戯れるなんて とでも言われそうで とても言い出せなくて…
でも ギョンくんはシンくんの友達でもあるし 庶民と言うほどの庶民でもないじゃない?
「え?あたしは何も頼んでなんかいないよ!?」
ホントにあたしは 何も頼んでなんかないけど… 多分ガンヒョンがギョンくんに頼んでくれたんだろうな…
にしても…この不機嫌極まりない顔…
はぁ~ やっぱダメなのか…
テーブルに突っ伏さんばかりに俯いたあたし
「ただ…誘われたけど…あたしの一存では決められないから…って…
断ったつもりだったんだけど…」
「ふん… じゃあ 行かなくてイイのか?」
ガバッと顔をあげると 今にも吹き出しそうに笑いを堪えるシンくんの顔が 目の前に…
「二泊は無理だ」 無表情で抑揚のない声… 何を言ったか理解できない
「え?それってどうゆう…」
「行かないのか?」
不思議そうにあたしを覗き込むシンくんの瞳に 間抜けな顔のあたしが映ってる… ち…近いよ…
「行くっ!行くよモチロンッ!」
慌てて身を引くあたしの様子がそんなに可笑しかったのか
シンくんはくくっと咽を鳴らして 楽しそうに笑った
え?何その顔!反則!(//-//


「来たかった割にはえらくヘッタクソなんだな?」
あたしのこと見下ろして 抜けるような青空を背景にしょったシンくんが あたしのこと小馬鹿にしたように言った
もうっ!そんなことはいいから手を貸してくれたらいいじゃないっ!
「ほら… 恥ずかしいからいつまでも転がってないで立つんだ」
シンくんっていっつも一言余計だよね!手を貸してくれるんだったら けんちゃな?(大丈夫か?)くらい言って優しく抱き起こしてくれたらいいのにっ!とひと睨みしてから伸ばされた手をとった
あたしがやっと立ち上がって雪をはたいてるうちに
「お前はもう 怪我する前に止めておけ」
と あたしのニット帽で覆われてるコメカミを 拳でコツンと小突いてボードを奪い さっさとレストハウスに預けに行く
いっぱい転んですっかり疲れちゃったのは確かだけどさ…
だいたい!シンくんがあんまりスイスイカッコ良く滑るから ついつい見とれちゃうんだよ!
あ~あ~
仕方なくベンチに腰かけて 仲良く手を繋いでリフトに乗りに行くガンヒョンとギョンくんに手を降って見送る
行っちゃった… いいなぁガンヒョンとギョンくんは釣り合ってて…
シンくんの身体能力が高過ぎてあたしはまるでお荷物なんだもん…はぁ…
俯いて溜め息をつくあたしの前に誰かが立ち止まった
「ようチェギョン嬢 シンはどうした?」
今まであまり話したことの無いシンくんのお友達…シンくんの恋を奪っちゃった人…
あたしにとっては…この人が居たからシンくんとこうして居られるんだもん…感謝するべき相手だよね…カン・インくん…
インくんに視点が定まらないまま ぼんやりそんな事を考えていたら
「えらく元気無いんだな?楽しくないのか?」
訝しげに顔を覗き込まれた 近っ!
あたしのニット帽を被ったオデコをコツンと小突く
ん?なんかインくんって…話し方とか行動が…シンくんとちょっと似てる?
「どうした?シンは 婚約者をほったらかして…」
「あ いや 違うの あたしがあんまりトロいから…ボード取り上げられちゃった」
あたしのボードを預けに行った方向を 両方の人差し指を傾けて指差す
丁度こちらに向き直って歩いてくるシンくんが見える
「はは シンが上手すぎるんだよ アイツあれでスノボ初めてらしいから…
何やってもそつなくこなすだろう?
あ でもね あいつにも苦手な事有るんだぜ?」
なんかニンマリ意味ありげなインくん…
「え?それってなあに?」
「チェギョン嬢には解らないだろうな…れん…」
あれ?インくんの口は動いてるのに聞こえなかった
え?なんで?
…解った…耳を塞がれてたからだ
振り返りながら見上げると シンくんがあたしの首に掛かってたイヤーマフをグイグイ押さえ付けてあたしの耳を塞ぎながら インくんに向かってなにか言ってる
でも… インくん…“恋愛”って言わなかった?気のせい?
「殿下?なあに?」
シンくんを見上げようとするのに あたしを無理矢理ギューっと押さえつけ 俯かせて インくんと話を続けてる
きっと聞かせたくない話でもしてるんだ… この二人だもん…ヒョリンさんの…コト?
「い 痛いよぅ なにすんのさぁ」
痛たたた…ひいぃ~ん…ちょっとぉ…シンくんのバカァ~m(。≧Д≦。)m

話が終わったのか イヤーマフを下ろされて 「行くぞ」と強引に立たせられて 腕を掴まれたままフロントで鍵を受けとり 更にズンズン歩いてくシンくんに
「え?えっ?ちょっとぉ~」
と言いながら… エレベーターの中でも無言のまま 手を放してくれないシンくんに ぐいぐい引っ張られてって シンくんの入った部屋に一緒に入った
イギサさんがひとり 隣のエレベーターから降りてきて 私達のすぐ後ろを歩いてきて ドアの向こうに立ってはいるけど… 二人きりになっちゃった…
そこは… シンくんと インくんの部屋
え!?あたしは勿論シンくんと同じ部屋じゃなくて ちゃんと女子三人の女子部屋だよ?
なんでここに連れて来たの?シンくん…
シンくんに腕を掴まれて引っ張られるままにシンくん達の部屋に来ちゃったけど…
今までこんな完全二人きりになったことなんて無かったかも…と思ったら無性に緊張するし
話すこともすることもなくて… どうしよう…えっと何か話さなきゃ…
そうだ さっきインくんと何話してたの? いや 耳を塞ぐ位だもん聞かせちゃくれないよね…

「シャワー使うか?」
ええぇっ!い イキナリ何言うの!…ってナニ勘違いしてんのあたしっ! スノボで 汗かいたからだよ!
「え?いや…いいよ…着替えが部屋にしか無いし」
「…だよな…」
「殿下こそ…シャワー使ったら?」
「ああ…そうしようかな…」
シンくんが寝室に隣り合うバスルームに入ると あたしはリビングの奥にあるカウンターキッチンを物色する
うん!珈琲でも淹れよう 電気ポットにお水を入れてプラグを挿す
珈琲豆をドリッパーにセットして… コーヒーカップは…と

「…んんっ!…」
え?何?
「…や…んっ!」
何?この声…何処から…

 

 


雪だるま今日もお読み頂き ありがとうございます
スノボもお上手な殿下とヘッタクソなチェギョン
ギョンとガンヒョン そしてイン
あれ?女子三人…あとは誰?チラ
次話のシン目線で明かします雪だるま

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