116.アンチ皇室~確かにアイツ…俺に向かってそう言ったんだ | かおり流 もうひとつの「宮」

かおり流 もうひとつの「宮」

「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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韓国初めての方は是非 はじめまして から順に読み進めて下さい
前のお話→115.保健室~好きだからこそ感じる胸騒ぎ程度のささやかな異変
このお話はお初の オリジナルキャラ イ・ミンホ目線です*星*
妄想の際のお顔は勿論このお名前の俳優さんでどうぞ ちなみにヘアスタイルは小年っぽく短髪で(笑


俺は同じ教室で受験した髪の長い二人の女子を記憶していた
入学式の日にその二人と初めて会話した
同じ美術科で しかも同じクラスで 更に美術部に入部したシン・チェギョンとイ・ガンヒョンとはすぐに仲良くなった
シン・チェギョンを好きなんだと自覚したのも 割りと早かった
事有る毎にチェギョンの隣をキープして来たし チェギョンに言ったこと無くても 俺の気持ちに気付いてるかもなって 思いあがってた
廻りには結構気付かれてるっていう自覚は有るんだ…
だけどチェギョンには直球で行くべきだった あんまり勘のイイ方ではないとは思ってたけど…


俺はそもそも別にアンチ皇室ってわけでも無かったんだ…
芸高に入学してから 朝に夕に騒がれてるアイツを見てるうちにナニがそんなに偉いんだ?と思うようになった
最初はただそれだけだった
だけど… アイドルの追っかけみたいな皇室マニア達とは違う目でアイツを見るチェギョンの瞳に気付いて 無性に妬けた…
勿論皇太子がチェギョンなんか相手にするわけねーって思ってたさ それでも妬けたのに
なのに…

二年の夏休みを前に突然皇太子が記者会見
翌朝の月曜日に学校のちょっと手前でチェギョンの自転車に追い付いた
俺が声掛けて 振り返ったチェギョンとの会話は 一瞬の沈黙の後
「見た?よね?」苦笑いで始まった
「お前絶対折れるなよ?あんなのと結婚なんかしたらゼッテー苦労させられるぞ」
「誰かに相談したのか?」って聞けば
リュ・ファンには話したとか…
チェギョンと一時期噂されてた皇太子の友達リュ・ファン… ヤツと噂されてるときもまあ妬けたけど… 友達以上恋人未満って感じでチェギョンの傍に居た
噂が元で学校から距離を置くように言われる程 仲がいいのはわかる 傍からみると勘違いもするが…やっぱりチェギョンはリュ・ファンに恋心は抱いてない
恋しているとすれば相手はあの 鼻に着く皇太子…
それにしたって
一番近くに居たつもりだったのに…俺には許嫁の話なんてしなかった…
お前にとって俺は…皇太子どころか リュ・ファンよりも下なんだな…
なんて考えていたら…
「お ほら ヤツのお出ましだぞ… ったく 皇室だかなんだか知んね~けど 周りが騒ぎ過ぎだから あんなお高く留まってんだよ」って言った俺に
チェギョンは「そんなこと!ナイ…よ?」って言った
今庇った…よな? やっぱりお前…そうなんだな…
そうこうしているうちに ヤツが車から降りてきて俺らの方へ ツカツカやって来た
「おはよう 車の窓から 君が見えたから」
「彼女の自転車 頼んでも良いですか?」
俺にチェギョンの自転車を託して さっさとチェギョンを連れて行ってしまった
あまりの出来事に唖然としているうちに…イ・シンとチェギョンは昇降口へ消えてしまった

それ以来 チェギョンは自転車通学を辞めた 正しくはヤツが朝夕迎えを寄越し 俺の出る幕は無くなった… 俺をチェギョンから遠ざける為なのか? はっ まさかな…

だけど 夏休みには 妃選びのパーティーなんて派手な事して…
チェギョンが選ばれたと聞いたときは もう 本当に諦めるしかないのかって思った
けど
済州島の皇室リゾートに誘われて ついつい気になって行ってしまったんだ…
あれはやっぱり間違いだった
行きたくも無かったけど ユル先輩から誘われたし チェギョンがホントにアイツを好きで ホントに婚約する気なのか 確認したかった
そしてなにより アイツ…皇太子の気持ちはどうなんだ? そこが知りたかったんだ

みんな一緒にプールで遊んでんのに アイツは寄り付きもせずプールサイドで読書ばかり…
こっちの様子なんか全く気にも留めない感じだ…
アイツ チェギョンに興味もねーんじゃ?

いつの間にか居なくなった皇太子を気にするチェギョンを見てれば やっぱりチェギョンの片思いにしか見えなかった
スパに移動中 チェギョンがふらふらして転びそうになったから 腕を掴んで手を引いて歩いてたら… 向かい側からアイツ… なんだよ ホント自分勝手なんだな…
そう思いながらすれ違おうとした時 イキナリアイツに腕を捩じり上げられた
「っつ!」
突然だったから思わず声を上げた俺を 皆が振り返って目を丸くする

「俺はコイツとハナシがある 皆は先に行ってくれないか?」
「だ!ダメだよ!殿下なんだか喧嘩腰だよ?どうしちゃったの?!」
慌てるチェギョンに 事もなげに行けと促す皇太子…
「俺は冷静だ いいからとにかくお前も皆と先に行け」
「行こうかチェギョン 大丈夫だよ ね?シン ね?ミノ?」
ユル先輩に頷いて見せると アイツも頷いてる 皇太子が騒ぎを起こすわけにも行かねーダロ…

「シン・チェギョンはもうすぐ俺の妃になるんだ 気安く話し掛けたりしないでくれないか?
ボディタッチなんてもっての他だ」
噂通り 表情コレッぽっちも変わらないんだな… 心が全く見えない…
コイツはいったいどういう意図でチェギョンを自分のモンにしようとしてるんだ?
「あんた チェギョンの事どう思ってるんだ?」
イ・シンの鋭い瞳に睨まれたって 俺は怯んだりしない 当然睨み返した
「お前には関係の無いことだ」
そう言い捨てて俺に背を向けた
「俺はチェギョンが好きだ!
あんたが チェギョンを なんかワケありで 形だけ嫁にしようとしてるんだったら 俺は最後まで諦めないから!」
ヤツの背中に向かってそう言った俺を ほんのわずかに振り返り
「そんなことは本人に言え
俺とアイツは結婚すると合意済みだ アイツがお前になびくとは思えないがな」
本当にさらりと言うんだな… 用は済んだとばかり 遥か向こうを行く 迷いも乱れも微塵も感じさせない 嫌味なほど真っ直ぐな背中…
相当な自信家だ…まあ欲しい物が手に入らなかったコトなんか無いんだろうな…
チェギョンの抱いてるお前への気持ちも 当然知ってるってか? はっ
お前に言われなくたって チェギョンが俺に友達以上の感情を持たない事くらい知ってるさ

そんなことが有ってから 夏休みチェギョンは美術部に殆ど顔を出さなくなった
「景福宮で お妃教育を受けてるの 色々難しくて大変!」
電話で話す声は元気そうだったけど 久々にサークル活動に出てきたときは
やつれていて心配になった
「大丈夫なのか?無理してるんだろう?アイツ相変わらずエラそうなのか?」
「もう!エラそうだなんて… ま確かにしばらく殿下ご機嫌斜めだったから あんまり話せなくて ちょっと寂しかったんだけど 和解したっていうか… とりあえず普通に話せるようになったし
もう平気だよっ 心配しないで」
なんて笑ってた 済州島でもあの後なんか気まずそうだった…どうやらあれが結構後引いてたらしい…ガンヒョンにも詳しく話さないらしいが…元気なかったらしい…

夏休みが明けて 芸高祭の準備のさなかに アイツとチェギョンは正式に婚約した
解ってる チェギョンは前よりずっとアイツの事が好きになった…
だから無理もするんだ… 婚約するのも当然止められなかった
何度も考え直せって言ったのに チェギョンは弱く笑って誤魔化してた

芸高祭の3日目 ダンスパーティーの最初に アイツとチェギョンは踊った
そのあとみんなが躍っている中 俺は アイツとチェギョンの去って行った出口から目が離せなかった
「ザマーミロ」 確かにアイツの口がそう動いたのを見た…
その目がしっかりと俺を見据えていたことも… 俺に向かって言ったんだ
ワルツを踊ってた二人を 誰もが羨望の眼差しで見ていて 俺はもう妬けるとかそんな気持ち…蓋をしなきゃなんねーんだなって思いながら見てた
躓きそうになったチェギョンを アイツが抱きとめて 抱きしめて そのまま唇にキスをした…
大騒ぎですごいざわめきだったはずなのに 俺はアイツと目が合った瞬間 音が聞こえなくなったような錯覚に陥った ニヤりと笑ったアイツが…俺と目を合わせたまま確かに言った
「ザマーミロ」
そうなのか?お前俺が嫌いなのか?俺がチェギョンを好きだと知ってて わざとチェギョンを独占して… 俺に宛てつけてるのか?
「アイツ…ゼッテー許せねー!」
いや違う…違うよな…落ち着けよ…
イ・シンはなんでも持ってる…次の皇帝に成ろうってぇ人間が 何も持たない庶民から何か奪って喜ぶなんて…そんなわけねーじゃんか…はは
俺 被害妄想激しーな
「どうかした?」ガンヒョンに声を掛けられた
「アイツ俺に… なんでもねー」
言いかけてやめた 馬鹿馬鹿しい…


今日もお読み頂き ありがとうございます好
おわかり頂けました?ええもう…ミノくんほぼ当たりです
皇子の「ザマーミロ」は大嫌いなミノへの一言だったのです
だけど
バカみたいにチェギョンを愛しすぎて虜になってる自分自身への「ザマーミロ」でもあり
お前はもう完全俺のものだからな 的な
チェギョンに向けた「ザマーミロ」でもあるから声に出したのかも…
いずれにせよ キスは…別に
あなたが嫌いで宛て付けてる訳ではなく…ただ純粋に好きだからなんだけど…
だけど皇子ぃ…チェギョンが勘違いして傷付いてるんですってば…顔文字どうすんの

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おほしさま次のお話は明日3/3は→117.冬のリゾートホテルⅠ~シャワー使うか?
はい?なんですと?
世の中はひな祭りなのに…大胆な台詞…////