104.ふかふかのベッド~まだベッドの上だなんて驚きだ | かおり流 もうひとつの「宮」

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「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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前のお話→103.パーティーⅢ~それって既に君が僕を誘ってるじゃないか
このお話は102.パーティーⅡ~さあ急ぐんだお開きにする前にお前を皆に紹介する に続くチェギョン目線のお話です


翌朝あたしはふかふかのベッドで目覚めて身を起こし ぼんやりと部屋を見回す…
「おはようございます チェギョン様 お加減はいかがですか?」
そう言いながらカーテンを開けるのはチェ尚宮お姉さん…
まだハッキリ目覚めないけど… いかがもなにも… 具合なんか悪くないよ~
ただ踵の靴擦れがちょっと度を越してるっていうくらいで…まさか…

「よく眠れたか?」
「はい…それはもう…」
ふかふかのベッドはあたしの家のベッドの倍くらいの広さで とっても気持ちよかった
でも…でも…まさか…たったこれくらいの怪我で 皇太子妃の部屋にお泊りなんてして良かったのかしら…
「あの…あたし…もう帰ります…」
「何を言ってる お前の家は…ほら…大変な騒ぎだぞ」
そう言った殿下は リモコンのスイッチを押しTVをONにした
「こちらが 皇太子殿下の許嫁で 昨夜正式に皇太子妃として迎えられると殿下自らの発表となりました シン・チェギョン嬢のお住まいです」
画面に映るマスコミの人だかりに 近所の顔見知りも混じっている
「えぇっ!?」
「驚くこともないだろう?想定内だ」
あ…そか…そうだよね…だから今 アッパもオンマもチェジュンも スジさん家に行ってるんだっけ…?
「やはり帰るのは無理そうだ 夏休みは此処で過ごせ 要る物は言えばなんでも揃う
どうしても愛用の物がよければ…遣いを出そう」
ええぇぇぇっ!!!やっと解放されると思ったのにぃっ!?
「なんだその顔は?!」
「むぅぅぅ…だぁってぇ…」
あたしは口を尖らす
「こら! まさかこれで終わりだと思っていたのか? これからはもっとハードになるんだぞ?!」
ひえぇぇぇ… 今度は眉をひそめてへの字口に…
「ぷっ…」
あ…笑ったな?…でもその顔…自然な笑顔だ… ね?

「まあ良い…今日はひとまず一日のんびり休みだ 寝るなり 散策するなり 好きにしろ」
「え?!好きにしろって…案内してくれないの?」
「俺がか?!」
「だって…他にだれが?」
「いっぱいいるだろう?尚宮も女官も…」
「えぇぇぇ…」
「はぁ… だったら さっさと着替えて来い! まずは朝食だ!
言っておくが 俺はもう上殿への朝の挨拶と視膳を済ませてきたんだからな?!ここに住むようになれば毎朝五時起きだぞ!
まさか まだベッドの上だなんて驚きだ…」
ひえぇぇぇ~ そんなの聞いてないよぉ~!
呆れ顔で首を振りながら 両手を開く皇子の後ろ姿…
はっ!あたし!寝起きのまんまだった~~~
ナンテヒドイカッコウ…オットッケ…(恥


昨日のパーティーの締めくくりから思い返す…
殿下があたしの肩を抱き その口から 「正式にこの者を妃に迎える」と紹介された
皇帝陛下からは 秋に婚約を 来年の春から初夏には 国婚式を執り行うと発表され
そのあと 東宮殿のパビリオンに移動して 宮殿の女医さんに 傷が残らないようにと丁寧に治療して貰った
「靴も履けない状態ですし ご無理なさらない方が早く綺麗に治ります故
今日はこのまま景福宮で休まれては」
という女医さんの言葉を聞いたコン内官が東宮殿の客間の準備をと言うと
シンくんが
「どうせいづれお前の部屋になるんだ別に此処を使えばいい」
と皇太子妃の部屋を薦めてくれた
そして今…
朝食の席に持ってこられたいくつかの新聞には どれも
中学の卒業式の写真なんかじゃなく 着飾ったあたしの肩を抱く皇太子殿下や あたしの腰を抱いて踊る姿が 一面を飾ってた
「ふん…上出来だ マイナス20ポイントで済むとはな…見直したぞシン・チェギョン」
「えぇっ!?あたし…何を20ポイントも引かれたの?…ですか?」
新聞から顔を上げたシンくんからキッ!と睨まれた
「おまえは!忘れたのか!
俺の元にすぐに来いと言ったのになかなか来ないせいで 他の候補に言い寄られて迷惑した-2
ダンスの一曲目躓きかけて俺に助けられただろう!-2
マメが潰れるまで我慢して皆に迷惑を掛けただろう それも-5だ
一番大きなマイナスポイントは-10 テラスで他の妃候補の前で俺に恥を掻かせただろう!」
「はい…すみません… でも…あの…殿下…?
それだと19ポイントだから…あと1ポイントは何だったのでしょう…」
「それは…おまえは知らなくていい!」
「え?ど…どうしてですか?」
「いいと言ったらいい」
「だったらマイナス19ポイントってことですよね?」
「いいやマイナス20だ」
えぇ~!?なんなのよこの皇子~!もう!頑固者!イ~だっ!
「おまえ!なんだその顔は!」
「逃げろ~!きゃ~パン女官お姉さん助けて~殿下が意地悪するんです~!」
逃げ回るあたしを 殿下は決して走らずに追いかけてくる
え?足怪我してるから手加減ですって?違うのよ!そんな優しくなんかないの!
しきたりで走っちゃダメだからなんだって!

体育祭の障害物競争ではミノに負けまいとスゴ~く真剣に走ってたみたいだったけどな~
矛盾してるよね?
あたしは逃げ回りながら 体育祭の日を思い出してた
貧血気味で気分悪かったんだけどどうしてもシンくんが走るの見たくて「ミノが走るの応援してから保健室行く」って言い訳したのよね…
そうよ あの時はまさかこうやって東宮殿で殿下と追っかけっこするなんて これっぽっちも思ってなかったな~


庭園を散歩しながら建物の名前とその住人 何に使うか それ以外の事はなんにも話さない殿下は 終始ムスッとしてて…
「ねぇ殿下?あたしホントにここにお嫁に来るんですか?」と聞いてみた
「は?」
あ゛…なんか マズった…?
「だってぇ…いいの?ホントにあたしなんかで…」
「…だから言っただろう?厳しい妃教育が待っていると 心配無用だ」
「ううん そうじゃなくて…なんていうか…もっと本質的に…あたしでいいのかなぁって」
「誰だって同じだ…ちゃんと教育されるんだから…」
あたしは なんかまだ あたしのいわんとする事と違う返事に 不満を示すと
「なんだ 今更無かったことにするとか言うんじゃ無いだろうな?お前は俺に何をしたか覚えて居ないのか?」
ええぇぇっ!?ここでそれを持ち出す? むしろ叩いたからこそ こんなあたしでいいのかなぁって思って聞いてるのに…
もう!意味わかんない! 皇室の人達ってやっぱちょっとズレてるみたい…

「もっと早く歩けないのか?」
ああ…いつの間にか50メートルくらい先を歩いてた殿下に駆け寄る
やっと追い付いてその背中に触れてみると 殿下が驚いたように振り返る
あ…馴れ馴れしかった?
「えへへ」と笑って誤魔化す
ふん…と鼻を鳴らして先を行く偉そうな皇子の後をトコトコついて歩くのも なんかいいかも…



今日もお読み頂き ありがとうございます
ちょっぴりほんわか
残りのマイナス1ポイントについて 思い出せない方は
パーティーⅠのシンくん編を読み返してみてね

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