31.第二外国語/噂と白鳥 ~自分で思ってたより好きだったのかも | かおり流 もうひとつの「宮」

かおり流 もうひとつの「宮」

「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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王冠1 かならず はじめまして を お読みください 指輪
前のお話→30.乗馬クラブ~止めたら ホントの事教えてくれる?
このお話は 28.芸高祭Ⅲ~みんなの騒ぐ声が なんだかずいぶん遠くに…  に続くチェギョ目線のお話です


「えぇ~っ!?そんなのやだ~っ!!」
年間の最大行事である芸高祭を終えて幾分ゆったりしたあたし達は 心地好い中庭の陽射しと風のなかで風景の写生中だった
「そこ!授業中よ!大きな声出さない!!」
さっきのヒスンの声を そう咎める担任の声の方ががよっぽど大きく中庭に響きわたるwww
ガンヒョンが鉛筆を振り上げて顔をしかめる
「「だって~」」ヒスンとスニョンが首を竦めて声を合わせる
ふふふ
「何がやなの~?」あたしは手でメガホンを作り少し控えめの声で二人に問いかけた

「皇太子殿下が舞踏科のミン・ヒョリンと付き合い始めたらしいって…」

!? …ウソ… 言葉も出なかった…
ってゆうか… そんなことってアリなの…?
あたしはぼうっとする頭でスニョンの話を聞いていた
「何でもね 芸高祭の舞踏科全体のバレエ公演で主役を演じた子で…」

どうやら 二日目美術部の展示を観に来たあのあと 午後から シンくんは取り巻き三銃士と共に ミン・ ヒョリンが主役を務めた『白鳥の湖』の最終公演を見に行ったらしく
カーテンコールでステージに立つミン・ヒョリンに イ・シン皇太子殿下のその手から花束が渡されたらしい…
知らない 知らない… あたしには関係ない話だ… 
「ガンヒョン…あたし向こうをスケッチしてくるね!」
「ミン・ヒョリンってね 王族ではないけど良いとこのお嬢様らしいよ~ 三銃士の一人 カン・インと幼馴染みでね よく映画科の教室の窓際で話してるの~!」
まだ続きそうなヒョリンの話を避けるようにスケッチブックを抱えたあたしは 中庭を横切って校庭を見渡せる場所に座った

イ・シンくん… あたしの気になるあの子は背が高くて綺麗な顔の男の子
そして だれでも知ってる…この国の皇太子殿下…
こんな話に動揺してるあたり あたしってば自分で思ってたより好きだったのかも…
どうせ告白なんてできっこないけど…
“初恋に 気付いたとたん 即失恋” か… ははは

終業のチャイムが鳴っても ぼんやりと空を見上げてたあたしに中庭からガンヒョンがやってきて声を掛けてくれた
「授業終わったよ?どうした?空でも飛びたくなった?」
「うん…そうだね…空でも飛びたいくらいだよ…」
あたしは空に向かって両手を伸ばす…

「お~い!ガンヒョ~ンッ!」
遠くからチャン・ギョンの声が聞こえてくる ふふふ 今日はどこから見てるの?声を探してキョロキョロした…
あ あそこだ!B棟の二階ってことは…映画科の教室だよね… リュ・ファンも一緒だ
「お~い!」
あたしはガンヒョンの手を取って元気にその手を振って見せた
え?どうしてって? うふふ
実はちょっと前におもしろいことがあったんだ…
あ 次の授業始まっちゃう!後で話してあげるねっ('-^*)/


第二外国語の日本語の始業を待っているあたしの耳に 皇太子殿下の恋人ミン・ヒョリンの噂が届いた
「そういえば 第二外国語もおなじ フランス語だって…」
「同じ乗馬クラブにも通ってるらしいよ」「え~ うそ~」
舞踏科の子と音楽科の子が話してるのが聞こえてきたのだ
やっぱり本当なのかな…

教室に戻ると スン姉妹達フランス語コースには 当事者二人が居るのに噂話が絶えなかったらしい
どうやら乗馬クラブの件は本当みたい
「殿下はほとんど喋らないんだけどね~
ヒョリンが殿下とカン・インの間で何か話すと 時々ニッと笑うのよ~ あれはホントにデキてるわ~」
スニョンはうっとりしてる
「キーッ!ぐやじーっ!!」
ヒスンはハンカチの端を噛んでる …ふっ あたしはただ笑って聞いてた
「なにいってんのよ ど~せあたしら庶民には関係の無い世界のハナシでしょ?」
ガンヒョンが冷めた口調で二人を諭す
あれ? でも…
「ねぇ…でもさガンヒョン 皇太子殿下は雲の上かもしれないけど チャン・ギョンは?」
「ばっ!ばか!ナニいってんのよ!」
「だってさっきも…」
あたしの口はガンヒョンの大きな掌に抑え込まれた「モゴ…フガ…」
「「あ~ や~ し~~~~~!!」」
声をそろえるスン姉妹に向かって首をふるふる振るガンヒョン
二人に押され気味でタジタジで とうとう両手も振って
「なんでも無いってば…」とひるむ声
よし!自由になったあたしの口から発表しよう!!
「チャン・ギョンから白鳥って呼ばれてんのよガンヒョン!」
「「ええええええ~~~~~!?ナニソレッ!?」」
「や~!チェギョンやめてよ!なんでばらすのよっ!?」
あたしの腕を引っ張って廊下に引きずり出そうとするガンヒョンに負けじと自分の机にしがみついて続ける
「ギョンくんね なんかも~ すっかりガンヒョンのこと気に入っちゃったらしくて~
オレの白鳥!❤ ってこうだよ~」
あたしは ギョンくんがいつもやるように 両手を胸の前で組んだ
ガンヒョンはもう諦めて自分の席に戻って耳をふさいで下を向いてしまった
「きゃ~きゃ~ いいじゃな~い チャン・ギョンも結構人気あるんだよ~ 背高いし~
航空会社の御曹司なのに澄ましてないし~」
「そうだよ~ 話しかけてきたのもね~ ギョンくんとファンくんの方なんだ~」
「「ここ 空いてる?」って隣に座ってね…」
あたしは二人に数日前の日本語の授業のとき何が有ったか 話して聞かせた

「君たち可愛いよね 美術科だろ?」
背の高い方はチャン・ギョン
「シン・チェギョン 僕らのショートムービー観に来てくれたよね?」
日本語で話しかけたのはリュ・ファン
「ここ座っていい?」
わお シンくんのお友達に声かけられちゃった
「どうぞ~」あたしはにっこり笑顔を返した
二人があたし達のそばに座ったからか あの噂話は聞こえなくなった ホッ…

「ファンがね シン・チェギョンが可愛いってしつこいんだ どの子かなって思ってたら そっか 君か~」
あたしは あまりの軟派なチャン・ギョンの発言に焦ってたじろぐ…
ガンヒョンをチラリと見上げると 我関せずって感じで 窓の外を見ている…
ちょっとぉ~ガンヒョ~ン…

「俺は前からそっちの子が気になってたんだけどな~」
そういうギョンくんを ガンヒョンは徐に振り向き キッと睨んだ
「わたしは金持ちのボンボンに興味無いから」
ちょっとぉ!いきなり何いうのよぉ!あたしはあわててガンヒョンの口を押えようとした
ところが さっと身を交わしたガンヒョン あたしの手はガンヒョンのメガネに引っかかった
「あっ!?」みんな慌てた だってガンヒョンのメガネが空中を飛んで…!!
壊れちゃうかと焦ったあたしは次の瞬間ホッとした

「はい 良かったね ひどく目悪いの?ほとんど見えないとか?割れたら大変だったかも?」
ギョンくんがキャッチして救出されたメガネ
「あ… ありがとう…」俯き加減のガンヒョンが 席の前にかがみこんだギョンくんを見上げる
「どういたしまして…って あっ!?」急にギョンくんが大きな声を上げる
「な…何よ?」
戸惑うガンヒョンに なかなかメガネを手渡さないギョンくんは わなわなとふるえてるように見えるけど…
「見つけた!俺の白鳥!!こんな近くに居たんだ!!」

「「きゃ~!ちんちゃー?!(ホントー?!)」」スン姉妹は大興奮!
「も~ その時のギョンくんの顔ったら…形容しがたい顔よ もう!目が❤ってこうゆう状態なんだって初めて知ったわ」
あたし達は夕方のお弁当を食べながらその話に盛り上がってたけど
俯いて黙々とお弁当を食べてたガンヒョンが
「あいつ声がデカイのよ なんなのよ全くハズカシイ」って言った顔が真っ赤になってた ガンヒョン カワイイ

それ以来ギョンくんは 第二外国語の時間は勿論 ランチタイムや夕方のお弁当の時間に
時々姿をみせては
「ガンヒョーン俺の白鳥!」「今日も綺麗だね❤」「メガネとって~♪」と言い寄ってくるようになった


韓国今日も読んで下さって ありがとうございました。
ギョンくんの憎めないとこや ファンくん本編ではおとなしかったけど
意外に私 お気に入りキャラなんです さて  明日は定休日デス

次のお話は明後日27日
朝8時18分→32.窓際の席から見えたもの~俺は所在無く 窓から視線を逸…

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