律儀な男と素直じゃない男
今、楊胡さんはブログを書いているようです。
どんな顔をして書いているのか
のぞいてみましょうか。
う~ん。
凛々しい顔つきに惚れ惚れしますね。
彼の良さを伝えるには
上半身だけ映しても不十分なので
ズームアウトして全身を映してみましょうか。
………
えーと。
映さなきゃ良かったのかな。
足元のアレ、何だろ?
一般的に、末端冷え性は女性がなるものだと思われている。
ほとんどが女性なのは本当の事だけれど、“女性だけ”という訳じゃない。
末端冷え性だという男性も少なからずいるのだ。
現に、ここにも一人いる。
さて、3日前の昼の話になるが
外から帰ってきて自分の部屋に入ると、テーブルの上に何かが置かれていた。
「オレンジ色のクッション?」
保証書が入っているので、買ったばかりのもののようだ。
誰だか知らないけれど、僕にくれるということだろうか。
「こんなのくれるような気前のいい人、うちにいたっけな」
僕はそのクッションを持って、差出人を探す事にした。
リビングにいた母さんに聞いてみた。
「このクッション何だかわかる?」
母さんは僕の方を見たし、ちゃんとクッションも見た。
それだというのに、答えようとはしてくれない。
「なんだ?なんだってんだよ」
何も話そうとしない母さんは、チラチラと親父のほうを見ている。
「ま…さか」
寝っ転がってテレビを見ていた親父が、僕の方を見ることなく口を開いた。
「そりゃ父ちゃんからのプレゼントだ。
足元を温めるヒーターだぞ」
何というか、不気味だ。
誕生日でもなければ、出世した訳でもない。
いくら考えてもプレゼントをもらう理由は思いつかなかった。
差出人を聞いてビックリしている僕に
母さんはこっそりとプレゼントの理由を教えてくれた。
理由の一つに「お茶漬け」があるそうだ。
先月、男は黙ってへしこ茶漬け
というエントリーの中でも触れたけれど、海外旅行から帰ってきた両親にお茶漬けを振舞った。
さらに補足するならば、ただお茶漬けを作ったという訳ではなく、親父の好きなサバを取り寄せて作ったお茶漬けだった。
お茶漬け一つ作っただけだというのに、親父はいたく感動したそうだ。
もう一つ理由がある。
前回のエントリーじゃあCOCO'Sの朝食バイキングで
を読んでもらうとわかる通り、休日に両親を朝食バイキングに連れていったのだ。
本当は母さんに脅迫されて連れていったようなものだけど、どういう訳か親父は「息子が外食に誘ってくれてごちそうしてくれた」と受け取っているらしい。
僕は自分のことを真面目だと思っているけれど、真面目さでは親父にはかなわない。
さらには律儀でいて、誰に対しても誠実。
口には出さないが、最近はそんな親父に対して尊敬の念さえ抱いている。
その真面目な男は律儀にも、末端冷え性で悩む息子にお返しを贈った。
プレゼントなどをウキウキしながら選ぶタイプでもないので、おそらくプレゼント選びに悩んだことだろう。
プレゼントが“実を取る”ものであるあたり、真面目さがにじみ出ている。
感謝の気持ちを伝えようと、僕は口を開いた。
「あのさ親父…」
「なんじゃい」
「うん。あのね」
「おう」
「…色がダサい」
「うるさいわい!」
素直に感謝を伝えるのは難しい。
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今もそのヒーターに足を入れてますが、ぬくいぬくい(*^_^*)
頭の固い親父にしては、良い目の付け所です。
クッションの中にホットカーペットが入ってるんです。
足を入れられる設計ですが、座布団がわりに使うなど使用用途は多そうです。
普通のホットカーペットほど熱くならないので、電気代もそんなにかからないようですし。
特に今年は節電が必要ですから、服を着込んで足だけ温めるのもいいかもしれませんね。
前回はCOCO'Sのまわし者で
今回は「なかぎし」というメーカーのまわし者でお送りしました。
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