あるものを活かすのが地方再生(「ナポレオンの村」 佐野晶) | 「天に月、地に山」 愛知・豊橋で日本酒なら

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ナポレオンの村 佐野晶


皆さんこんばんは。


恒例の夜中の本紹介。


「ナポレオンの村」 ノベライズ 佐野晶


元々は昨年夏にTBSの日曜ドラマで原作・脚本を仁志光佑さんがしたものを、佐野晶さんがノベライズ化した一冊。


ドラマは知ってたけど、仕事柄絶対に観れない時間帯なので観てないです。


でも地方再生小説は宗教小説と並んで私の大好物なんで読んでみました。


読み終わってから調べたら、現存する高野 誠鮮(たかの じょうせん)という人物が、石川県羽咋市神子原地区の棚田のコシヒカリをブランド化し、ローマ法王に食べさせたという実話をヒントにしたそうです。


主人公は国の役人で、自分の生まれ故郷が無くなってしまった過去を持ち、何とか村を立て直したいと東京から二時間の限界集落にやってきます。


その村は地方都市には何処にでもある農業と自然しかない村です。


その上市長は議員と結託して、この村を早く潰してゴミ捨て場にしようとしています。


やってきた主人公はナポレオンの名言を常に口にして、無理だと思われた事を次々と実現化していきます。


無農薬米のブランド化・廃れそうな紙鋤を使った幻想的なイベント・風光明媚な滝を見れる農家レストラン・洞窟を使った探検施設・婚活イベントなどなど。


どれも上手く行く筈ないと言われ問題も山積みだったのですが、主人公は難なくクリアーしていきます。


徐々に村にも活気が出てきて、村人達もその気になり始めます。


しかしこの村が復活されては困る市長や議員達が数々の嫌がらせを仕掛けてきます。


果たして限界集落の未来は?


という内容です。


大好物ネタなので普通に面白く読めましたが、新しい点は全く無かったです。


過去にも(県庁おもてなし課・有川浩)(限界集落株式会社・黒野伸一)(ローカル線で行こう・真保裕一)などなどの作品で、同じ様な事は何度も書かれてきました。


どの本にも共通してるのは、あるものを使う事。


私の住む豊橋も含めて世の中の地方都市は、大きな間違いをしている事が多い。


あるものを無視して、何処かで流行ったものを持ち込んだり、市民が食べないB級グルメを無理やり開発したり、未だに箱物を税金を投入して建てている。


これは確実に失敗例です。


住んでいると中々気づかないけど、他所の人が見れば珍しい物は沢山あるんですよね。


そしてそこに住人の結束が加われば相当の結果が得られるんでしょう。


勿論映画や小説の様に簡単には行かないけど、今までの間違った物を改める事から始めないと何も変らない気がします。


印象に残った言葉があるので書いておきます。


(装わない人は優しくて強い人だ。無防備でいることは一番勇気がいることだ)


若い内はさて置き、ある程度の年齢になったら大きく見せたり、本当の自分じゃない姿を装うのは止めましょう!


所詮人間は器以上の事は出来ないし、無理をすれば自分が壊れるだけ。


自分の素で勝負できる人が、一番素敵ですね。


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ドラマも元となった実話のこの本。これ滅茶苦茶読んでみたいです↓



そう考えると誰よりも早く地方再生を書いた有川さんのこの本は素晴らしい↓



地方再生を語るときローカル線の赤字再生も命題です。これも大事↓



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