SEに求められる資質とは ? -2- | Lotus Notes/Domino (R) をこよなく愛して。。。。

SEに求められる資質とは ? -2-

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SEに求められる資質とは ? -1-



前回は、私の生い立ちのような話になってしまいました。



今回からは、本題に入って行きたいと思います。



私自身は、Lotus出向時代の2001年(当時既に40歳でした)にSEに転向した訳で、SE歴というのは非常に短い訳ですから、今回は営業職時代に見ていたSEということで書いてみたいと思います。


私がIBMに入社して、営業になった(ならされた?)頃(1985年頃)というのは、PCの出現により、ようやく企業内でもOA(Office Automation)という言葉が使われるようになり、PCの導入が盛んに行われた頃でもあります。


PCは各社から出ていましたが、IBMがUSでPCを発売して、そのProcessorとしてIntel社のMPUを採用し、OSとしてはMS DOSを採用し、更にPCの仕様を公開したことでPC市場が爆発的に広がり、PC専門の会社まで生まれるに至ったことは皆さんご存知のことでしょう。


また、IBMがPCの標準として採用したIntel社およびMS社は、PC市場に於いて確固たる地位を確立したことも皆さんご存知の通りです。


一方、日本の市場では、NEC社のPC 98シリーズや、Fujitsu社のFMシリーズ、東芝社のPasopiaシリーズ、Sharp社のMZシリーズなど様々なPCがありましたが、これらのPCは所謂1980年代前半に登場したPersonal UseのPCだった物が多かったのではないかと思います。


話が逸れますが、1980年前半はSord社のPCもかなり使われていましたし、日立社が汎用機のようなPaging機構を持ったPCを出していた(S1という機種だったでしょうか?)のも印象に残っています。


しかし、企業では、汎用コンピューターやオフコンに代表される基幹系のシステムがあり、単なるPCによるOAではなく、Officeの作業の全体の効率化(ホワイトカラーの生産性向上)が求められていたのです。


こういったNeedsにいち早く対応していたのが、当時日本のPC市場を席巻していたNEC社かも知れません。


NEC社はPC98シリーズとは別に、N5200/N6300シリーズという企業向けのPC兼Terminalを出していました。


NEC社の汎用機やオフコンのTerminalになるだけでなく、IBMの汎用機のTerminalにもなりました。


当時まだ様々な処理で使われていた3770 RJE(Remote Job Entry) Ternminalや、IBMの汎用機のTerminalである3270 Emulationも出来ていた記憶がありますし、汎用機で標準であった8インチ Disketteを装備し、汎用機の文字Codeを扱うことが出来たのも特徴的だったと思います。


IBMが出したMulti-Station 5550もPC/Word processor/3270 Terminalの3つの機能を持った1台3役で登場した訳ですが、当初は夫々の機能を利用するためにRebootして使うというものでした。


やがて5550も3270機能がDOS上で稼動するようになり、Word Processor機能もDOS上に統合されてまともな状態になったという歴史があります。



前置きが長くなってしまいましたが、こんな時代のSEという職種を営業職から見てどうだったか?を述べてみたいと思います。


当時、IBMでは汎用機が全盛で、S/370で動くOSとしてMVSやDOS/VSE、VMといったOSがあり、それらの上で、DBMSである、IMS-DB、DL/I、DB2が動作し、Online SystemとしてIMS-DC、CICS、CMS、TSOといったものが動いていたわけです。


当時のSEというのは、これらのOSやDBMSなどを専門にしているSystem系のSEとお客様の業務である生産管理や販売管理、CAD/CAMなどを専門としているApplication系のSEとに2分されていたように思います。


残念ながら、PC系やUnix系(Client/Server系)のSEというのは当時はまだいなかったのです。


それもその筈、IBMにはUnix OSはありませんでしたし(しばらくして、IX/370というS/370で動くUnix OSが登場しましたが。。。)、PCもServerに出来るほど能力は持っていなかったのですから。


また、別の見方をすると、個々の製品などにはそれ程は詳しくはないが、お客様をリードして仕切っていくタイプのSE(所謂、Account SEと言われていた存在です)と、製品に非常に詳しく、その分野を極めているというSEがいたことも確かで、今でいうなら、前者がPM的な存在で、後者が製品のSpecialistといった位置づけになるのではないかと思います。


この時代に重宝されていたSEというのは、やはり、汎用機の知識あるいはApplicationの知識があって、お客様をリードできるSEだったのではないかと思います。


当時、私の周りで活躍されていたSEさんを思い出すと、やはり目立つのはお客様をリードしているSEさんで、これは今でもSEに必要な資質の一つではないかと思います。


PMでなくても、お客様と適切なCommunicationが出来、お客様をリードしていく能力というのはこれからもずっと必要な能力ではないかと思います。


しかし、当時のIBMでは営業のリード力が非常に強く、SEが前面に出てリードしていく部分は少なかったかも知れません。


トラブル時も、必ず、営業が全体を仕切りながらやっていました。


まあ、その時代は製品の数も少なく、営業でもかなりのSkillが持てた時代だったからかも知れません。



製品も様々な製品があり、Networkも複雑になった今の世の中では、営業が仕切ることは困難になっていますので、個々の製品を知らなくても、いつも全体を俯瞰しながら、個々のSecialistを上手に使っていくPM的な素養というのは、PMでないSEであっても非常に重要なのではないかと思います。



今回も少し、取り留めのない話になってしまいました。



次回は、営業なのかSEなのか分からないようなことをしていた私の話を書いてみます。



<続く>