システム保守・運用エンジニアの迷走 | A Day In The Boy's Life

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とあるエンジニアのとある1日のつぶやき。

業務をアウトソーシングした後の社員は何をするの @ ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦


こういう話はどこの会社にでもあるもんなんだな。

システム保守・運用を行う現場の人間は、ITコストの増大によってお荷物のような目で見られたりします。

そして、アウトソーシングやオフショアを活用してそのコストを低減させようと目論むわけですが、何でもかんでもそう簡単に成功するわけでも当然ありませんよね。


人的コストが安かったり、自社に人員がいなかったり、いたとしても自社でやるメリットが無かったりで外注すると言う結果になり、その外注をうまくコントロールできるだけでよいのであれば事足りでしょうけど、実際のそのシステムの保守や運用の要員を自社にとってどれほど重要な存在なのかを見極めないと、そのすっぽり抜けた穴を埋めることが出来ずにトラブルが起き、返ってコストが増大するだけでなく自社のサービスにも大きな影響が出ることにもなりかねないのではと思ったりします。



武器の使い方を知らずして武器を持つ矛盾


こういうことが進むと、一つは技術を知らずして技術をコントロールする矛盾を強いられることになるのかなと感じたりします。

ITは企業にとって不可欠になっていますから、それを排除することはできません。

その運用や保守をアウトソーシングしたとしても、誰がやるにせよコントロールしていく必要があり、それは自社としてしなくてはならないことになります。

その時に、例え元システム部門の人だったとしても遠く現場から離れたような状況になれば、それを上手くコントロールすることは出来るのかが疑問だったりします。


武器(技術)の存在は知っていてもそれの使い方がよくわからないわけです。

その武器をまともに扱えるとも思えませんし、その持ち味を十分に発揮できるとも考えられません。

「もう少しコスト抑えてできないの?」「それをやるメリットは?」「それをやっても他には影響ないんだよね?」ぐらいの言葉を使いこなして上手くコントロールが出来れば誰も苦労はしません。


外注業者をコントロールすることが高度な仕事のように思われている節もあったりしますが、実際は主導権を相手に握られているだけで、「はい。じゃあそれで」と相手の言いなりになっていたりするケースもあります。

武器を持ってない相手に武器の説明をされてもよく理解できないのは当たり前で、鈍らの剣を高額で売りつけられることにもなりかねません。


また、例えそのコントロール上手くいったとしても保守・運用するシステムがレガシー化していき、ゆくゆくは大きなコストを犠牲にしなければならなくなってもくるでしょう。



作れるエンジニアだけでは重宝されない時代


レガシーなシステムでも何でも作れればエンジニアは重宝されると言うのは一昔前までのことだったりもします。

アウトソーシングをする企業や人件費で優位に立つオフショア開発などと比べても自分たちがやることの優位性をアピールできなくてはならなくなっています

武器の使い方を知っていたとしてもその武器が弱ければ武器にもなりません。


システム部門であっても、今のシステムを保守・運用すれば良いやという考えでは他の代替案によって淘汰されることもあるでしょう。

単に要求したものをシステム実装すると言うだけでなく、自ら企画したり提案したりその要求の理解力が求められたりします。


単にその企画力や理解力があったとしても、自分自身あまり武器にはならない気もします。

餅は餅屋と言うことわざがあるように、システム開発や運用も専門家に任せた方がよいでしょう。

ただ、自らを餅屋と言い切れるだけの専門性を持ってないといけないのは自明です。


話が少しそれますが、最近のクラウドなどの流行を見ていると、プラットフォームを作るエンジニアとそのプラットフォーム上でアプリを作るエンジニアと言うものに二極化されている気がします。

Googleなんかを始め、プラットフォームを提供する企業やサービスと言うものは乱立してきていますから、自社に中途半端なプラットフォームを築くことはコスト面であまりメリットが持てません

それが、自社のサービス基盤の根本となるプラットフォームであれば別でしょうけど、そうでない場合はそのプラットフォームとそれを支えるエンジニアを自社においておくメリットがあまり見つからないでしょう。


そんなプラットフォームを作る技術や要員は他を当てにして、その上で動くアプリを構築するエンジニアに特化させていくと言うのであれば、アウトソーシングやオフショアに関しても意味あるものになるのではないかと思ったりします。

必要な技術を持つエンジニアだけに特化させ、自社で抱え込む必要の無いエンジニアについては外注をうまく使ってそのプラットフォームを上手く自社に構築する。


この問題は保守・運用の体制でも言えることですが、数年おきに歴史を繰り返すことになるんではないかな、と思ったりします。

アウトソーシングして、トラブルが起きるとやっぱり自社に優秀なエンジニアを抱え込んでないとダメだという流れになり、また数年後にコストがかかりすぎるからアウトソーシングしろみたいな。


時代の変化に応じてエンジニアのあるべき姿も大きく変わっていってるんだなということを痛感します。