今借りているファーストサーバ
のVPS(仮想専用サーバー)プランでは、Movable Typeを標準で利用することはできないようですが(VPSプランではサポートされていないようです。MovableTypeに標準で対応しているプランもあるようです)、インストールしてみると意外とすんなり入ったので、メモしておきます。
注)
ここで書かれていることは、ファーストサーバでサポートされている事項ではないので、実際にやる場合は自己責任でお試しください。
なお、ここではファーストサーバのVPSプランの中でもCentOSを利用したものを元に記載しています。
1. Webのサービスにアクセスできるように設定する
まず、以前に書いた「レンタルサーバーのファーストサーバ設定あれこれ 」に記載の通りに、Webのサービスにアクセスできるように設定しておきます。
その際の、「3.2 ドメイン設定を行う」の中で設定する、「CGI対応」にチェックを入れておきましょう。
2. Movable Typeのダウンロードとサーバーへの展開
MovableTypeの公式ページ からソースをダウンロードします。
※ 無償の個人ライセンスもあります。
ここでは、2008年8月時点で最新のMovable Type4.2を利用しています。
ソースをダウンロードした後は、サーバーへFTPなりで転送しておきます。
3. Movable Typeのソースの展開
サーバーにアップしたソースを展開し、配置します。
ファーストサーバのVPSプランの場合、仮想化用ソフトウェア(Plesk )の影響で展開するディレクトリが決まってしまいます。
まずは、MTプログラムの配置用ディレクトリを作成します。
「1. Webのサービスにアクセスできるように設定する」で「CGI対応」にチェックを入れて設定を行った場合、
下記のディレクトリ以下でCGIスクリプトが利用可能となります。
/var/www/vhosts/{設定したドメイン名}/cgi-bin/
「設定したドメイン名」は、Pleskのドメイン設定によって異なってきます。
ここでは、「localhost.localdomain」としています。
cgi-binディレクトリ以下に、MTのCGIスクリプト配置用のディレクトリ(アプリケーションディレクトリ)を作成します。
# cd /var/www/vhosts/localhost.localdomain/cgi-bin/ # mkdir mt
次に、MTのソースを展開し、上記ディレクトリ内にコピーします。
# unzip MT-4_2-ja.zip # cd MT-4.2-ja # cp -R * /var/www/vhosts/localhost.localdomain/cgi-bin/mt/
最後に所有者を変更しておきます。
ここでは、「1. Webのサービスにアクセスできるように設定する」の中で設定する、「FTPログインユーザー」(ここではwebuser)と、Pleskの管理グループ(psacln)を指定しています。
# cd /var/www/vhosts/localhost.localdomain/cgi-bin/ # chown -R webuser:psacln mt/
4. Movable Typeのインストール
Movable Typeのインストール(※)はWeb上から行えるため、ブラウザから先ほど配置したMTのCGIスクリプト(mt.cgi)にアクセスします。
※ バージョンが少し古い(3.3)ですが、それほど大幅にインストール方法は変わっていないようなので、以前に書いた下記記事も参考にしてみてください。
Movable TypeでオリジナルBlogを作る 【環境設定編】
Movable TypeでオリジナルBlogを作る 【導入編】
CGIファイルへアクセスするURLは下記のようになると思います。
http://{ドメイン名}/mt/mt.cgi
アクセスすると、「ようこそ画面」が表示されます。
4.1 mt-staticディレクトリの設定
まず初めに、MTの画像やCSSファイルを格納したmt-staticディレクトリの設定を行います。
mt-staticディレクトリは、Apacheのドキュメントルート(ブラウザからアクセスできるパス)以下に配置しなければなりません。
「Static web path」の項目に、URLから見たパスを、「Static file path」に実際のサーバー上のディレクトリを指定します。
例)
Static web path http://{ドメイン名}/style Static file path /var/www/vhosts/localhost.localdomain/httpdocs/style
mt-staticディレクトリの場所を決めたら、次にMTのアプリケーションディレクトリ内にある、mt-staticディレクトリを上記のディレクトリ名で移動させます。
# cd /var/www/vhosts/localhost.localdomain/httpdocs/ # mv /var/www/vhosts/localhost.localdomain/cgi-bin/mt/mt-static/ ./style
ここまでできたら、「開始」ボタンをクリックします。
4.2 Perl-DBDのインストール
Movable Typeで利用できるDBには、PostgreSQLやMySQLなどが選択できますが、ここではPostgreSQLを利用することにします。
ただし、ファーストサーバではデフォルトでPostgreSQLを利用することはできませんので、yumコマンドを通してインストールしておきます。
PostgreSQLのインストール方法については、「ファーストサーバでPostgreSQLを利用可能にする 」を参考にしてみてください。
ようこそ画面から次に進むと、MTのスクリプトがサーバー内の環境情報をチェックします。
ここで、DBDモジュールがない場合は、上記のように警告が表示されるので、そのDBDモジュールをインストールしておく必要があります。
DBDモジュールもyumコマンドを通してインストールします。
# yum install perl-DBD-Pg (snip) Installed: perl-DBD-Pg.i386 0:1.49-1.fc6 Complete!
4.3 DBの作成
MTのシステムチェックの画面の次は、DBの設定画面へ移ります。
しかしその前に、MTで利用するDBを事前に作っておく必要があります。
前述したとおり、ここではMTのDBとしてPostgreSQLを選択しています。
サーバーにログインし、DBの作成とDBに接続するためのユーザーを作成を行います。
# su - postgres $ createuser -P blog-user Enter password for new role: Enter it again: Shall the new role be a superuser? (y/n) n Shall the new role be allowed to create databases? (y/n) n Shall the new role be allowed to create more new roles? (y/n) n CREATE ROLE $ createdb blog-db CREATE DATABASE
まず初めにDB接続用のユーザーを作成しています。(blog-user)
次に、MTで利用するDB(blog-db)を作成しています。
念のため、下記のようにコマンドラインからDBに接続できるかを確認しておきましょう。
$ psql -U blog-user -h localhost blog-db
ここまでできたら、ブラウザの画面に戻り、上記の情報を入力します。
入力が完了したら「接続テスト」ボタンを押します。
4.4 メール設定
DBの次は、メールの設定です。
ただし、ここではメールの送信設定は特に行いませんので、そのまま次へ移ります。
4.5 Movable Type管理アカウントの作成
次にMTの管理用のアカウントを作成します。
この管理者用のアカウントでは、MTの管理画面にログインし、ブログの作成や記事の編集などが行えます。
画面の項目にしたがって、管理アカウントの情報を入力しましょう。
4.6 ブログの作成
最後に、一番最初に作成するブログの情報を入力します。
作成したいブログのタイトルやそのブログを公開するURLを入力します。
情報が入力できたら「インストール」ボタンを押します。
これでMovable Typeのインストールは完了です。
インストールに成功した場合、先ほど入力したブログURLにアクセスしてみると、ブログの画面が見れるはずです。
ファーストサーバでMovable Typeが使いたい場合は、ご参考にどうぞ。