社内システムの現状 - 社内システムとWeb2.0 - | A Day In The Boy's Life

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とあるエンジニアのとある1日のつぶやき。

社内ブログ考察 」にも書きましたが、世の中のWeb2.0的なサービスを社内に持ち込まれる事例はまだまだ少ない状況にあります。

世の中にこれほどWeb2.0のサービスが氾濫し、自社のサービスとしてもお客さん向けにそのようなものを構築・展開しているにもかかわらず・・・です。


自分が仕事を終え家に帰りPCを起動し、Blogを書いたりmixiを見たり、そのようなサービスを利用している、一方仕事ではそういった世の中の潮流を踏まえそのお客さんにあったサービスを提案してみる。

なのに、こと社内においてはそのようなニーズはあまり聞こえてきません。


Web2.0のサービスを利用している人や、仕事で現場で提案折衝している営業、またはそれを構築している生産側の人間は、そのような世の中のサービスに実際に触れその面白さ、利便性、可能性を感じていると思いますが、社内への導入に対して決定権上層部があまりそれを感じていないように思えます。


一つは、そのメリットや効果の出し方が定性的な部分が多いところにあると感じます。

外向けサービスの場合は、まずはそれがビジネスになりえるかどうかが最重要になり、次にユーザーにとってのメリットを考える事になりますが、そのメリットと言うものもあまり定量的なものを考える必要もありません。

(Web2.0のサービス自体があまり定量的な効果を出すためのサービスではないですから)


一方、社内向けのシステムを構築・展開する際にはまずは定量的な効果を求められます。

その定量的な数値こそが、そのPJに参加した人たちの仕事の評価であり、また効果がはっきりしないものは無駄と考えられて導入の対象になりえません。

当然、情報システム部の仕事としても会社、そして利用する社員にとってメリットのあるものを社内に普及させる事が仕事になりますので、世の中のサービスでそれが社内でも効果を発揮できそうなものに関しては、情報の収集や検証を行います。

そしてそれを如何に定量的に見せるかが導入のきっかけになるわけです。


次に、社内からそういったシステムの導入のニーズが上がらない点についてですが、これはまずはシステムありきで考えられており、その上の付加価値まで求めてこない事があります。

主管部門では、業務上困っている事をシステム化施策として情報システム部に提案してきますがまずはそれを構築し展開し、課題を解決する事が優先されるわけであって、世の中のサービスで使われている最新の技術などを要望として付け加えてきません。

または、社内ではそういったことを出来ないと思い込んでいる人もいます。


これも先ほど述べたような定量的な効果(システムを構築する事で業務時間が削減される事など)が優先され、定性的な効果(Ajaxの技術などを導入する事によりユーザーの利便性が向上するなど)はあまり重要視されません。

その導入のきっかけは、情報システム部の裁量になったりしますが、相手が求めてこないものをあえて付け加える必要性が無いと感じたり(開発工数や、構築後の保守・運用の負荷も上がりますので)する人が大部分です。

その構築にあたり、社内売り上げも立ててないのであればなおさらです。

こういうようなことから、社内のシステムは世の中の技術動向に比べればきわめて鈍足なものになってしまいがちです。(出来合いのものを導入するなら別ですが)


もちろん、何でもかんでも世の中の流行を持ち込めばよいと言うわけではなく、Web2.0の特性が社内と言うクローズしたものに適用可能か見極める必要があるわけですが、それを見極めたうえでWeb1.5のような半端なものにしか落とし込めないのか、さらに発展した2.5となりえるのか、はたまたまったく別の特性を見出せるのか。

外向けのサービスを展開する企業、個人ユーザーは幅広くいますが、自社の為のシステムを考える存在は、情報システム部門が唯一です。

自社のために何が出来るのか、何が効果を生み出すのか単に流行を導入するだけでなく、それを見極めつつ自社で効果が最大化できるものを取り入れていく必要があります。