先日、とあるセミナーに参加してきました。
内容としては、社内ポータル(EIP )についてのものだったのですが、昨今の流行のWeb2.0という言葉にあやかってか、社内Blogについてのお話も多少ありました。
情報を発信するという意味合いでは、両者は同一の領域をカバーするものではあります。
ただ、その中のお話ではそのレイヤーが異なるので共存可能だと言う事を仰っていました。
どういうことかというと、社内ポータルなどにはより発信される情報はある意味、企業内のオフィシャルな情報となりえます。
ただ、オフィシャルゆえにその情報(例えばあるシステムのリリースであるとか、通達などの内容)は、要点だけをまとめたものとなるため、それまでの経緯などが伝わりにくいものです。
(いきなり出すが故に、「聞いてないよ!」という社員の反発も大きくなりがちです)
社内Blogであれば、気軽にそういった情報を発信するまでの経緯を、事細かに社員に発信する事ができると言うものです。
確かに、Blogというのは日記に形容されるように気軽に情報を発信する事をメインに考えられているものですので、その情報のキーマンに書き込んでもらえば、オフィシャルな情報が社員に身近に感じられ、混乱も少なく受け入れられる可能性はあると思います。
また、オフィシャルに発信するまでにその経緯が知らされていれば、問題点や改善点などが社員から吸収でき、軌道修正も可能になるでしょう。
(逆に社内ポータル内にそういった不確定な情報を載せるた場合は、かえって混乱する可能性が あったりします)
ただ、このBlogが先ほど形容したように日記というような感覚であるが故に、お堅い企業内の体質では敬遠されがちになります。
これに対しては、企業内でそういった風土を作っていく事が重要だと言う事も仰っていました。
確かに、こういったものの導入にはトップダウン式に始めたほうが効果が高いように思えます。
(役員の方、PJのリーダーが積極的に、社内Blogを通して情報を発信する)
そういった風土が根付けば、今度は逆にボトムアップ式の流れができ、社員の考え方やWeb2.0の特徴の一つである知の共有からの想像と言うものもできるのではないかと考えています。
(先ほど述べた情報の軌道修正もこういった流れから生まれる事になると思います)
また、「Blog考察 」で取り上げた、神田敏晶氏が提唱した5つの法則というものも、大部分が社内Blogにおいても当てはまると思います。
(社内というクローズされた世界である事、そもそも社員という雇用関係上それ以上の実益(収入)など の点に関しては、多少その語句を読み替えて定義してあげる必要があるかと思いますが)
情報の共有・連鎖、そこから生まれる新たなアイデア、社員同士のコミュニケーション、発信者の自己の表現・共感、業務と業務の隙間を埋める架け橋。
様々な効果というものが見込めると思いますが、何れの場合においても定性的な効果であるため導入に際しては、それを如何に定量効果として算出し、納得させる事ができるかがキーになってくると思います。
(これこそが、導入に際してもっともボトルネックになるところかと思います)
世間一般にBlogが流行っているという事は、多くの方が知っている事です。
それが企業内に飛び込んできたときそこで何が起きるのか。
オープンな場所で誕生したBlogというものをクローズされた空間でどのように活かせるのか。
その活用方法も企業の風土や社員たちによって様々に変化してくる事と思います。