INUUNIQ presents SOUND THEATER
君と僕のかたちのない世界 終章 遥
at 梅田 amHALL
写真と物語を織り交ぜて記します。
サウンドシアターを体感した人もしてない人も楽しんでもらいたいシリーズ。
no.3 《転》目覚め
書き手:vo.竹下咲
※no.1では誰がこう操作して、と事細かに書きましたが、no.2からはそれを省いて物語を書いています。
効果音は基本的にサラウンドシステムから出てます。映画館みたいにお客さんの周りで、色んなところから鳴ってるのをイメージしてみてください。
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追い詰められ果てたふたり。
絶望の果て。
魂も心も全てが磨り減って、
歩くことすらままならない。
業火に焼かれ、
ボロボロになったふたりはトンネルを歩いている。
ヨロヨロと
倒れそうになりながらも。
そして
遠く向こうに見える一筋の光。
ひかり?
走り出す。
ひかりだ!!!
光は徐々に大きくなり、
ふたりは暗闇を抜ける。
鳥の声、
葉っぱがこすれる音、
風が優しく頬を撫でて行く。
そうして来た次の夢は、森の中。
そこでふたりは見る。
忘れていたあの日の記憶。
僕らがうまれた時のこと。
愛されていたんだ。
そんな時があった。
お母さんもお父さんも、
僕らを見て笑ってる。
幸せな幸せな風景。
『光と影』
ふたりは友達からも家族からも追い詰められて、ふたりの世界へと逃げた。
全て捨てて宇宙へと飛び出した。
心も身体にも傷を負った。
お互いだけが全てだった。
でも、
そうだ、
そうだったんだ。
僕らは生まれてきた。
だから今度は、
自分たちで未来を作るんだ。
『颯』
『はじまりの時間』
コールドスリープ装置から目覚めたふたり。
地球では何十年経っているんだろう。
でも飛び出てきた時のままのふたりの姿。
微笑みながらふたりは起き上がり、
宇宙を駆け抜ける。
『恋に堕ちる』
『ROAR』
もう恐れるものなんて何もないよ。
(続く)