前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
新たに立ち上げる飲食店のプロジェクトを進める為
部下の前田と共に人事部の倉持部長より
特別講義を受けていました。
第64話:仕事で執着心を使いこなす。
倉持部長は
部下から信頼される為の技術として
表現や伝わり方の話をしました。
そして、次に大事な事が
「執着心」だと言います。
倉持によると執着心とはやりきる力の事で
目標に到達させる為には
一度失敗したからといって諦めていては
ゴールへたどり着けないという事です。
この、仕事に対する執着心を見せる事でも
周りから信頼される要素になります。
そして、仕事に対して執着していくと
結果が変わってきますので
成果でも評価されることになるのです。
例えば、
部長が部下の自主性に任せると言って
放置していた仕事の成果が上がった時に
周りが思うのは、
「自分たちが頑張ったから」だと
当然思います。
しかし、
部長が的確に指示して仕事に執着し
部下たちを誘導して成果を上げた場合に
部下たちが思うことは
「自分たちが頑張ったから」とも思いますが
「部長がいたから」という要素が生まれます。
このように執着する姿勢を見せる事も
信頼される為の技術となるのです。
しかし、注意しておきたいのは
なんでもかんでも執着すればいい
と言う事ではありません。
何より方向性が大事で
良い方向に向かって執着しないと
何の意味も無いのです。
例えば、
今のポジションや仕事内容に満足している
中堅スタッフなどにありがちですが
「現状を崩したくない」という気持ちが
挑戦する姿勢を妨げている場合です。
仕事も楽しく働けていて
業務にも慣れてそれなりに
評価もされているのであれば文句は
あまり無いでしょう。
この時に新たな取り組みや作業を始めても
あまり乗り気でない人間がいれば
それに当たります。
満足している現状に執着している状態です。
「仕事に対する執着心」と
「物事に執着する」事は全く違いますし
後者はむしろマイナスイメージで
表現されます。
だから、
「執着心を捨てると出世する」
なんて事も言われたりします。
ですから見方を履き違えず、
方向性をちゃんと見据えて
自分の役割に執着するのです。
重要なのは
与えられた仕事の目標を
達成する事に執着するのであって、
それ以外の事に固執する事ではありません。
それから注意点としては、
執着する姿勢を表現しなければいけません。
一人で黙々と頑張っても
大した評価は得られませんので
信頼される事に関して言えば
普段そういうタイプの性格ではないならば
演じる部分も必要となるのです。
そして演じるという意味では
前回倉持が言っていた話のように
アクションや表現方法で伝わり方も
変化していきます。
次に倉持は演じる部分での
発言力について話し始めました。
つづく